映画「ペインレス」。無痛症が観てみた。
678回目です。φです。
先日映画を観まして。結構気になっていたもので、在庫がある店舗を探して、…という私にしては珍しく熱心にそのDVDを手に入れました。まぁレンタルだけど。
ペインレスという映画。スペイン・ポルトガル・フランスの合作なのだとか。
内容としては、内戦時代のスペインで、痛覚を持たない子供たちが次々と生まれた。彼らの存在を危険だと判断した政府は、子供たちをフランスとの国境近くの施設に隔離した…。
現在のスペイン。骨髄移植が必要になった優秀な医師デヴィッドは、自分が養子であることを知らされ、実の両親の居場所を探し始める。
やがてデヴィッドは、これまで国が隠していた隔離施設の真相、その施設でモンスターと化した少年の存在を知ることになる…。のだそう。
事前に言っておきますが、私は痛覚がない、もしくは究極に鈍い。先天性無痛無汗症を持っている人間として、この映画を観ました。わくわくしつつ(笑)
この映画の何が良かったって、一番は音楽です!綺麗な音楽が流れていました~あとスペイン語勉強中の方にはスペイン語聴きまくれるので学習材料として良いかも。途中ドイツ語でてきます。
歴史的背景はスペイン内戦なので、当時の雰囲気も掴めるかもしれません。私はスペイン内戦と言ったらひたすらピカソのゲルニカという浅い知識なのですが、これを機に学ぼうかと思いました~。スペインって難しい国ですよね。常に独立の問題が上がるし。イギリスと同じくらいに分かれているのかもしれませんね。
さて、内容はおそらく少々グロテスクな話になるので、遠回しに言っていこうとは思います。
最初に、子どもが自分の腕を食べている(?)シーン。「さすがに自分を食べはしないかな…」と思いました。まぁ最初のインパクトとして準備されたシーンなのだろうけれども。爪剥がすシーンは、まぁ…あるかなぁ…と。爪ってなんか面白いよね。私は爪がちょっとでも割れて浮いていたら引っこ抜いちゃう。足の指の爪は大体端っこが欠けています。むしっているのは私です。
諸々のシーンが途中続くのですが、私は内容がいまいち掴めませんでした~掴むのが苦手なのですが、「なんで?」が重なりまくっていまして…人間の心に焦点を当てた系が多かった。揺れ動く心情…的なものだったのでしょうけれど、ひたすらよく分かりませんでした。残念。私のスキル不足。
痛覚のない子どもたちは”異端”であり、害を及ぼす可能性が高いため収容されます。ひとりの少女が、無痛の少女に燃やされたことがおそらくきっかけとして描かれていました。そして思った。「無痛だからって火が体についたら死ぬと思うよ??」
なぜ無痛の少女は死ななかったのでしょう。全身火傷で、こんがりローストになるはずなのに。…と、少々描かれ方が”不死身”になっていた部分が気になりました。まぁフィクションだからね。気にしたら負けかもしれない。
けれど、戦争がひどくなって、ドクターは注射で彼らを終わらせることにしていて、「注射では死ぬのか…」と不思議な気持ちになりました。
途中で「痛みを教える」という名のもと、教育が行われていました。いまいちよく分からないものでしたが…おそらく、当たったら痛いよ、的なものだった。痛い、のシーンの教授の動きが「楽しんでる…?」と思わなくもない。痛いと飛び跳ねるのか~とも思ったり。難しいですね。
ネタバレになってしまうのも避けたいので、さくっと最後のシーンに移ります。
なぜ生きてた、無痛の元少年よ。どうやって食糧調達して、どうやって稼いで、どうやって生命活動を維持できた。…と聞きたい。なぜ涙に固着するのかも問いたい。いや色々問いたい。なぞでした(笑)
結論として、「無痛設定にする意味あった?」な感じですね~…無痛だからって最強じゃないのよ、と思ったりも。まぁフィクションだけど。無痛系って「痛みを感じない!パワーすごい!無敵最強!」な描かれ方が多いのは気のせいでしょうか。
無痛と言っても、まぁ無痛なだけで。他の部分が強くはない。強いて言うのならば、痛みを理解できないがゆえに防衛本能がなくて、無鉄砲・学習が難しい・危険を顧みない、くらいです。最強に見えるかもしれない。火だって「わぁ火だ」しか思わないし、崖とかでも「崖だージャンプしたら降りられそう」しか思わないし。
無痛云々の話じゃなくて、なぞの最強な遺伝子をお持ちの人間のストーリー…として見た方が良かったかもですね。私が”無痛の描かれ方”にこだわりすぎたのかもしれませんが。
改めて、無痛って不思議だなぁと思いました。当事者も不思議なのだから、そうではない人にとってはもっと不思議なのだろうけれども(笑)
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