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ゆるす、手放す、よりも”ただ認識する”。
りあです。なんといいますか、「どうしても消せないけど消したい記憶」とか「嫌すぎるのに自分の脳内占めてくる人」とか、まぁそういったものってありますよね。
突然重々しい話題をさらっと出してしまった私は随分と罪深いと思うのですが、「そんな記憶も人もいないよ!」という人はなかなか貴重な存在だと思う。天然記念物というか。指定難病の患者数くらい稀かもしれない(指定難病持ちのブラックジョークだと思って笑ってあげてください)。
最近は「手放しましょう」「ゆるしましょう」という解決策を提供されていると思う。その記憶や人を消すのではなく、「自分、大変だったね」と認めてあげたり。「頑張ったね自分」となぐさめてあげたり。
「嫌い!憎い!」という感情はどうやったって人の心には生まれる。それの対処法だったり、認識の仕方だったりを、私たちは変えていかないといけないのです。
その「嫌なもの」に一生囚われていたいのなら、まぁ別かもしれないけれども。
「ゆるしましょう」という選択肢は、私にとってはなかなか難しいと思う。ゆるす、といったって、どうゆるせばいいのか分からない。ゆるす、なんて、結局解決していなさそうな気さえする。
私はあなたをゆるす。なんて言ったら、どことなく「私は神!あの人よりも上の存在!」という雰囲気がする。私の考え方なのだけれども。
だからこそ、「ああ、そういうこともあったよね」という具合に、どことなくクールに、客観的に、かつ「そういうこともあったよね。自分、成長したなぁ」と自分をほめる。
それが、私的には一番「消したいけど消えないことへの向かい合い方」「苦手な人とのあれこれ」を、ただただ記憶として思い出せる方法だと気づいたのです。
手放す、というのもなかなか難しい。手放しても「いやいや、脳内にあるんですよ記憶というものは」と地味に思ってしまう。「そのときの感情や、それを考えるときに浮かんだ感情を手放す」というのは、まだできる余地があるのだけれども。
なかなか人間、複雑なものです。いや単に私が複雑なのでしょうか(笑)
先日、私はふと自分の記憶の中では「…これって私が摂食障害になるきっかけになったことだよね?」と思う場面を思い出したんですよ。なんというか、突然。結構忘れていたことだったのですが。
まぁきっかけは母親の一言。その後の同級生の一言もあるのだけれども。
その母親が怒りながら言う場面を思い出して、おやおや…と思うくらいに涙がざばーっと流れてきた。おかげで鼻に入った。涙よ、もっときれいに頬を伝っておくれ、と思うくらい鼻に入った。横向きに寝ていた時に涙が出てきたから仕方がないのだけれども。
その記憶も「きいぃぃ!!憎い!嫌!消えればいいのに!」と一瞬思ったのですが、「いや待てよ、この記憶があったから今の私が生きていられているのでは」とか「この経験を持ちながら生きてる私、えらいよね?」とか考えて。
あれこれ考えているうちに、ただ「私の記憶なんだなこれ」と妙に落ち着いて思えた。私の記憶の一部。私を変えるきっかけになった記憶。形容詞も何もかも取っ払ってしまったら、ただの「私の記憶」なんですよね。
そういった記憶を積み重ねていくうちに、「そういうこともあったよね」と笑いながら言えるのだと思う。自分の記憶のことを笑いながら言える人ほど、実際は当時を苦しんでいたり、必死だったりしたんじゃないかなぁ。もちろん楽しい記憶のことは、笑いながら言うのだろうけれど。
だったら、今はまだ重い記憶だって「そういうこともあったよね」と笑いながら言える人に私はなりたい。いつまでも記憶に囚われているよりも、いろんな経験をして、それでも前を向いて朗らかに生きている人になりたい。
誰かをゆるすほど、私はえらくはない。記憶を手放すこともできない。だったら、「そういうこともあったよね」という認識のもと、頭のどこか片隅に置いておいたらいいんじゃないかなぁって。
人間、リセットボタンはないですし。データ削除もできないのですし。…そう考えると、結構人間って不便ですね(笑)
思い出して、記憶なのに感情を動かせる記憶って、本当に自分にとって衝撃が大きくて、ある意味貴重で大切なものなのだと思う。それほど苛烈で強烈で、それを消そうとすればするほど精神は擦り減っていくのだと思う。
「そういうこともあったよね」と、ただの記憶として認識する。それくらいで良いのでしょう。
いやはや、ネガティブなものを蓄えるということは、それなりに労力を要するものです。だったら別のことに労力を使った方が良いでしょう。…なんて言っても、まぁ人間は感情を持ちます。理論的に考えたら非効率的なことでも、ついついやってしまうのだけども。
記憶がつらい。そんな人が、少しでも減っていくといいなぁ。私はそう願っています。
Have a peaceful day.
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