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”国産”に思う奇妙なこと。

716回目です。φです。

オリンピックに関してのあれこれを見ていると、どうも奇妙なものだと感じます。冷めた態度の人もいれば、反発する人もいる。一方でランナーたちを見に行く熱意を持った人もいる。

世の中、何事にも”温度差”というものは存在する。誰かは熱狂して、誰かは冷めていて。温度差の無いものだったら、まぁ危険でもある。同じ意見しかない、という状況はリスキーシフトしやすい。

極例だと第二次世界大戦前のドイツみたいな。「ヒトラーに従うぜー!」みたいな一致団結感は、危ない方向にみんなで進んでいくきっかけにもなってしまうわけです。

だからこそ温度差は大切。けれど、オリンピックに関して、そしてその差に関して、日本は変な国だ、と思うことがあります。

例えば”国産の食品”のこと。

私の周りで繰り返される会話ですので、もしかしたら例として挙げるにはふさわしくないかもしれない。けれども傾向としては多いのかなぁということで挙げようと思います。

国産が一番安全。

これはよく耳にするかと思います。食品でも、洋服でも、なんでも。国産が一番安全安心、品質が良く健康への害がない。外国産のものは何が使われているか分からない、という具合に。

そういう声が多いからか、スーパーに行くと国産は少々お値段が高かったりする。数が少ないしお値段もそれなりにするけれど、国産だよ!みたいに。

国産はブランドだ。国産というだけで、なんだか高品質で良さげに思える。そういった演出がされているように思えます。

実際はどうだか分からない。体に入れるもの、に関して言うと。諸外国では違法とされている農薬を使っても日本では違法にならないし、それどころか推奨されているかのように使われていることもある。手に取りやすい感じに。

加工品だとさらに増す。欧米はマーガリンの使用は控えるように、もしくは違法になってきている中、日本では未だに使われ続けている。というか安いので一層使われているような気がする。あとなぞの”植物性油脂”とかね。

ちなみに、着色料に関しても違法とされている物質を日本は使っていたりする。

あれこれと”調べないと目に見えないもの”を調べれば調べる程、「国産って大丈夫なの?」と思うことが増えます。もちろん、有機農法とか率先している方々の製品は安心だと言えるでしょう。謳っているものは安全だと分かるけれど、そうではないものに関しては謎。

色々な基準が世界中のものと比較すると日本は必ずしも”高い”と言えない。私はそう思っています。

まぁ体に直接入れないもの、電化製品とかは質が良いのだろうけれども。某国のスマホや携帯型充電器は爆発することで有名になりましたね。TOYOTAは安心、Panasonicは安心。それらは未だに通用するかと思います。ここではこれらは扱いませんが。

話を戻して、国産の食品。

この”国産は高い、ハイブランド”っていいのかなぁ、と思います。このブランド化が、国産のものを国民が手に取りにくくさせているんじゃないかな、なんて。

自国のものが一番自国で消費された方が、農業などにとっては良い。環境にとってもね。輸出入は環境によろしくないのです、輸送にかかる環境へのコストは高い。

地産地消、が環境問題を解決する一歩だと思います。それを気づいたのは、私が1か月過ごしたウェールズでのスーパー。

どれをとっても、まずは「これが地元のもの!」みたいな具合に猛プッシュしてあります。国産や地元の生産者のものを手に取るのが当然で、それ以外は「ちょっとした贅沢」みたいな。

もちろん、ウェールズと日本では状況は異なります。けれど、そのウェールズ人のウェールズ愛によって、地元の方々は支えられて生活できている。政府もそれを推奨している雰囲気がある。

好循環です。購入する側は喜んで買い、生産者は安心して作れる。需要と供給がバランスを取れていて、これからのためにもなる循環だと思います。

日本では、日本のものは高いから外国のものを買う。これを繰り返していると、生産者は生産をやめるでしょう。買う人が減ると、作っても収入は落ちるわけで。生産者になろうとする人も減る。儲からない商売だと分かっているものをする人はなかなかいない。

国産は良い、と言いながらも、手に取るのは外国産で。政府も別に「国産を消費しよう!」という政策を出さない。これは食品ではないけれど、国の企業が奮起して作った工場のものも買い取ることはなく、確か中国製の防護服をごっそり購入していたりする。

日本は日本を誇りに思う、好きだ、良い国だ、というわりに、愛さない気がします。ちょっとした卑下も入っているような。なんだかなぁ、と思うことがある。

人によって異なるだろうけれど、「素晴らしい!」と言うわりには守ろうとはしない、というか。奇妙な温度差を感じる。「国の農業のために国産を買います!」が難しいのかもしれない。収入が下がる一方で、食品は値上がり、税も値上がり。国産が「手に届かないもの」になっている。これじゃあ国の未来は真っ暗です。

あらら、なんだかあっちに行ったりこっちに行ったり、な文章になってしまった気がします(笑)

まぁまとめると、国産が手に届かないものになっている。国のものをまず国民が普通に購入できるのが当然じゃないの?国産が良いって言うわりに購入されないって何?という疑問。

国の政策、国の生産者さんたち守ってなくない?という疑問。

色々言いたいことはあるけれど、国のものをその国に生きる人が一番愛して大切にする、の流れがほしいよね、というのが私の意見。ウェールズでのウェールズ産猛プッシュ、あれが日本でも起こるといいなぁ、なんて思ったり。

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