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「対決!日本史 戦国から鎖国篇」を読んで。

 508回目です。φです。

 今日は本読むぞーな気分の日で、ちょっと働いたりしつつ読書日和。働いたときにグレかけた心を修正する意味も含め本を読みました(笑)

 この作者さん、佐藤優さん、私すごく気になっていたのですがなかなか機会がなく…図書館でやっと見つけて、借りてきました!

 「対決!日本史 戦国から鎖国篇」です。

 作家の阿部龍太郎さんと作家で元外務省主任分析官の佐藤優さんの対談です。面白い対談でした。切り口がユニークで、一言一言が深くて、「この人たちどこまで知識を持っているんだろう?!」と思う場面ばかりでした!すごかった!

 よく戦国時代を取り上げた内容の本にある”武将同士の違い・どっちが優れているか・もし現代にいたら?”という視点ではなくて、安倍さんが書かれているように「それぞれ違う分野を歩いてきた二人の個性と認識がぶつかり合い、火花を散らす様子を表したかった」という内容でした。ほんと、ぶつかり合っていたのですがアウフヘーベンというか…異なる意見が、より高度な結末に向かっていく。そんな本です。

 佐藤優さんが「知の巨人」と言われる理由が分かりました。これは巨人ですね(笑)

 私が最近定期的に観るようになった、日本史のディープなことを掘り下げていく番組でいくつか見たものが検討されていて、「あれね!」となる瞬間がたくさん。この瞬間ってすごく面白いですよね。

 私が本の中で学んだことは、本当に多くのことです。歴史の捉え方はもちろん、豊臣秀吉の朝鮮出兵の理由や彼が描いた未来、琉球の特異性、日本が植民地にならなかった理由、キリスト教がなぜ日本で追い込まれたか…学校では習うことがなかった「背後にある理由」がわんさか書かれています。「だからこの歴史になったんだ!」とまさに目から鱗な状態が続きます(笑)

 私は高校で日本史を選択しました。あと地理。世界史も少し興味あったのですが、2つしか選べなかったので…。受験用の勉強だから、とは思うけれど、学生時代の好奇心をどう頑張っても選ばないといけないって、どうなんだろうな、と私は思います。好奇心程学力を伸ばすものも、考え方を深めるものもない。

 そうはいっても、当時の学校教育だと仕方がないことですが。これからの教育は、本人の知的好奇心を伸ばす教育になってほしいものですね。

 この本を通して、私が最もクリアになったのは”日本が植民地にならなかった理由”です。他のアジアの国は植民地化されています。ポルトガルやスペインに。彼らの黄金時代は本当にすごかった。私は最近になって世界史を勉強しているので知ったのですが、大航海時代の頃のポルトガルとスペインは本当に…スペイン、無敵艦隊持っていたと言われる程だったのも納得です。

 今でこそ、EUの構成国でそんなに経済的に…なイメージの国ですが、彼らの最盛期は太陽の沈まない国と言われるのも分かります。あ、イメージは私の中のイメージです(笑)

 私は日本史を学んでいるとき、「伊東マンショら天正遣欧使節はどうして失敗したんだろ?」と不思議だった。「日本でのキリスト教ってどうしてここまで広まらなかったんだろ?」とかも疑問でした。「九州ではキリシタン大名たくさんいるのに」とか。当時は疑問のままに放っておいてしまいました。ううむ、勿体なかった!でも今でこそ理解できる内容な気もします!

 「なぜ豊臣秀吉は朝鮮出兵をしたか?」も、テレビでは見たけれどもそれ以上に深い内容で話されていて、これは日本史を勉強している世代、もう一度勉強しようとしている方にはぜひ読んでほしいと思います。理解度が急激に変わります。ただ秀吉が正気を失ったから、とかではない理由が書かれてあります。この朝鮮出兵の前線の武将たちでいざこざがあって、そこから関ヶ原に発展して…と、やはり歴史は流れで見るべきだなぁと思いました。単語で覚えても、それはただの受験勉強用の知識でしかない。歴史はどの時代においても私たちに教えてくれるものです。生き方、政治、視点、哲学…歴史は繰り返す、とも言われます。その歴史を繰り返さないためにも、歴史を深く学ぶことは必要だと思います。知るだけじゃなくて、学んで理解すること。それが大切なのだと思う。

 書きたいことだらけの本ですが、私が印象に残ったのは最後のあとがきでの一言。「『国家主義は間違った宗教である。国家のために人間が存在するのではなく、人間のために国家が存在するのだ』という価値観をしっかりと体得することが重要と思う。そのための武器として本書を活用してほしい。

 まさにこの本は、その価値観を教えてくれると思います。これから、歴史を繰り返さないためにも。

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