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自分の難病を改めて考える。

 494回目です。φです。

 りんごを持ちながらカットしていたら、いつの間にか自分の親指切り落としそうでした。危ない危ない。さくっと切っただけで済みました(笑)

 すっかりさっきまで忘れていたのだけど、ふと指を見たら傷を見つけて。ああそういえば切ったんだっけ、と思い出しました。

 怪我したとき、認識したらしばらく覚えているけれど、結構すぐに忘れてしまう。しばらく、と言っても短期記憶程度で、私は短期記憶の保持が苦手なのでほんの数秒。「あ、血が出た」で認識、すぐに記憶から消えていきます。そして一日の終わりくらいになったり、血が付いたりして思い出す。ちょっとした傷とかならね!

 そういえば私の痛覚にまつわる話はさらっとしているなぁと思いました。小学生の頃の記憶が浮かんだので、それについて書こうと思います。


 小学生から中学生の頃ってまぁ結構すさまじかったりする。暴力的な面で。蹴られた記憶も叩かれた記憶も、物を投げつけられた記憶もある。同級生からね。ふざけることの度合いが分からなかった時代だからだと思う。私は自分の力が強いことは知っていたし、私は断トツで身長も高かったので手を出しませんでした。怪我させること・加害者になることは確実だったから(笑)

 叩かれて嫌だったから叩き返した、とかでも「体が大きいんだから!」という理由で怒られることってあるものです。小学生の頃は特に。手加減してるし、自主的にはやっていないのにね。

 確か6年生の頃、同じくらいの身長の男子に蹴られた…だったような。サッカーをやっている子で、脚力は強かったんじゃないかなぁ。私の脚は結構な青あざになって保健室騒動だった。多分。

 そのときの私の記憶は「ズボンが汚れる」とか「面倒くさいなこの人」とか。そういったネガティブな気持ちを持っていたよね、という程度のもの。今思えば、あのとき「痛い」と記憶するのが痛覚が正常に働いている人の反応なんだろうなぁと分かる。私が不快な気持ちを抱いた記憶は、正しくは不快な気持ちに追加して「痛かった記憶」になっているはずなんだろうな。

 「痛い」と私は言ったことあるのかな、自分のことに関して。ないのだろうけれど。誰でも言ったことがあるような言葉を、自分は言わないのだろうと思うと少し不思議。

 痛いはずのことはたくさん起こっているのだけれども。私は文字通り、つま先から頭のてっぺんまで何かとありました。つま先は指の付け根がスーツケース落ちてきて裂けたし、頭はりんご狩りのハサミみたいなの刺さって縫ったし。うわぁ文字通り過ぎる。

 それでも脳はそれらを「痛い」記憶として処理しなかった。だから私には「痛い」記憶がない。

 脳ってすごいようですごくない。不思議なものです。別に脳が半分ない訳でも、新たな物質で構成されている訳でもないのにね。脳や神経は精密にできすぎていて、だからこそ不思議なことが起こるのだろうと思う。

 痛覚がないと病院で認定されて通日後、何かで指から血が出た。その血を見ながら「これが痛いっていうんだろうなぁ」と改めて考えたけれど、結局よく分かりませんでした。私にとっては「血が出ているから痛いのだろう」という認識や推測しかできないし、それ以上の処理をできない。ただ血が流れているな、というだけで。

 興味があるのは「どれくらい深いのかな」とか、「いつになったら止まるのかな邪魔」とか。その程度のものです。血って付いたら落ちにくいし、固まるとぽろぽろと落ちるし、とても厄介。

 どんなに歳を重ねても、この認識はそのままなんだろうなぁと思う。急に「は!これが痛いという感覚か…!」と私が突然目覚めるわけではないし、治療することで痛覚が正常に働くこともないだろうと思う。そもそも治療法を見つけるには被験者少なすぎるし、すぐに解決すべき難病とは言えないだろうし、そんな状態の難病を解明するにはコストがかかり過ぎると思う。もっと資金を渡すべき病状のものはたくさんある。と私は思います。

 なんだか命の優先順位のように思われてしまうかもしれないけれど、優先順位に関して私は「すべて平等だ」と思っています。ただ私の意見では、特に急激に体調を崩すことはない、何か変化があるわけでもない。だったら苦しんでいる人が救われますように、と思うだけのことです。

 苦しい人はたくさんいると思います。精神的にも肉体的にも。私は肉体的に「苦しい、なんとかして治したい」と思うものはありません。苦しいって…あんな気持ちのことかなぁ…程度にしか分からないので。

 苦しいがよく分からなくて、スイミングスクールで若干死にかけたこともあったような。ずっと息止めてたんですよね確か。目の前が回る~暗くなった~みたいに面白い感覚になって、スクールの先生に救助されたような(笑)

 そんなこんなな私なので、日常的にサバイバル状態です。気を付けないと勝手に死にかけるみたいだし。困ったものです。

 難病はたくさん存在します。そんな病気あるの?と思うようなものだってある。私が言うのもあれですが。

 私の場合は特殊寄りの難病だとは思うけれども。本人にとっては難病とか分からないかもーな状態ですし。人間自分の感覚しか知らない。誰かの感覚が正常だとしても、自分と体感して比べることって不可能ですから。私は私のこの痛覚が働かない状態が”普通”だし、これ以外は知らない。困ることはあるけど直接的には困ってないし、「あ、私難病だったね」みたいな程度。

 生きにくいことは確かだけどね。就職しようとしても上手くいかないし、保険だって入れないし!(笑)

 難病ひとつひとつが詳しく世に認知されて、少しでも難病の人が生きやすい世の中になりますように。そう願いたいけれど、難病をすべて把握されることは不可能に近いと思います。数だって膨大です。正しい情報を伝えることも難しい。

 少しくらいは生きやすい世の中になってほしいな、と思います。生きやすいの定義はたくさんあるけれども。

 私にとって何が生きやすいの?と聞かれても正直答えることは難しい。でも、ヘルプを出したら助けてくれる人が増えたらいいな。とは思います。

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