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夜の世界・教育・地方創生〜どんな仕事でも結果を残す野武士系人材の強さとは 〜 小湊鐵道 堀江雄太氏

小湊鐵道株式会社
タクシー部門 統括部長 堀江 雄太 氏

堀江雄太氏 プロフィール
東京学芸大学卒。歌舞伎町・六本木の美容院でヘアメークアーティストとしてキャリアをスタート。その後、進学校の高校教師にて大学受験指導、進学塾での本部勤務を経て小湊鐡道へ入社。


ソーシャルグッドな観点でキャリアを築いている方をお招きし、仕事観、人生観について伺うインタビュー連載。第2回のインタビューは小湊鐵道株式会社で勤務する堀江氏。

教育大学を卒業後、学生時代から勤務していた歌舞伎町の美容室で社会人生活をスタート。その後は進学校である高校の教員を経て、学習塾を運営する事業会社でマネジメントやマーケティングの研鑽を積む。

徹頭徹尾、一貫して結果にコミットしてエネルギッシュにキャリアを歩んでいる堀江氏に、小湊鉄道への入社前後で幸福度が「3」から「10」に変わっていった背景等を聞いた。




異色のキャリアパスで育んだ、多彩な見聞と強いコミットメント


-大学では教育学部を専攻するも、高校から興味のあった美容関連への熱が高まり、学生時代から歌舞伎町・六本木でヘアセットを専門に美容室で勤務。大学卒業後まで足掛け4年間をヘアセットのプロとして過ごすことになり、異色の経歴で社会人生活をスタートした

大学時代、高校の時から関心のあった美容関連で働いてみようと思いました。やるなら最も厳しい環境でと思って門を叩いたのが、歌舞伎町のヘアセットを主業とした美容室でした。

主にキャバクラ等で勤務する女性のヘアセットを行っていました。求められる質・速さの水準が高く、加えて顧客がこれらに対してシビアな目線を持っている事から、業界の登竜門的な場所として知られている場所でした。

結果的にこの業界で4年間勤務して、多くの学びを得ることになりました。特に大きかったのは人との出会いを通した学びですね。歌舞伎町で出会う人には、一般的には出会う機会が少ないような人たちとの出会いも多く、その中ではいわゆる「学力」のようなモノサシでは図ることができない魅力的な人が沢山いることも学ぶことができ、とても充実した期間を過ごすことができたと思います。

歌舞伎町の美容室から、教育の世界へ

-学びの多い時間を過ごしながらも、ヘアセット業界で道を究めることの難しさも痛感し、一転して自身の教員免許を生かして高校教員としての道をスタート。教員として学生の充実した学びの場の提供に3年間邁進した後、周囲の環境等を考慮し学習塾を運営する事業会社に転身、9年間勤務。教育業界での活動を通し、ビジネススキルとタフネスな精神力を培った

ヘアセットの道を追求することの難しさも感じた頃、教員免許を持っていたこともあり、栃木県内でも有数の進学校で高校教員を務めることを選択しました。教科は当初公民を担当する予定だったのですが、他教員との配置の兼合いで専門外の世界史を教えることになり、結果的に人生で最も勉学に勤しむ期間になりました(笑)。

子供たちの学びの場として、単に教科書の内容だけ教えても面白くないと思いました。もっと歴史の奥深くを伝えられるように、受験時を超える、平日5時間、休日10時間程の勉強量を継続しながら、真剣に授業を行っていました。子供たちに未来を見せる大切な仕事として教師は楽しかったですが、自身の価値観において周囲の教員に魅了される機会が少なく、収入面も考慮し学習塾を運営する事業会社への転職を決めました。

学習塾では、現場で塾講師と店長業を合計6年間過ごした後、本社で3年間勤務しました。朝6時に起きて次の日の朝3時に帰ってくるようなハードな生活でしたが、頑張った分だけ報酬で返ってくるという環境の中、強い精神力も養うことができたと思います。

また、新型コロナウイルスの感染拡大もあった厳しい事業環境の中で、成長を目指して新店開発やマーケティング、営業活動等を担った本社勤務は印象に残っています。一方で、業界の先行きに対する関心が低下していたことや、より多くの尊敬できる人たちと働きたいという思い等もあり、転職を考えるようになりました。


想定していなかった企業との出会い

-当初は明確に志望する業界や企業を定めず、報酬体系等を検討ポイントとして転職活動を開始する中、プロビティ・グローバルサーチからの紹介も受け、結果的には自身の志向やこれまでの環境で培ったスキルを発揮することに適した環境に出会い、転職活動を無事終えることになる

一般的な転職活動をしたことが無かったこともあり、転職活動を始めた当初は、働きたい業界や会社をあまり具体的に描けてはいなかったです。その中でスカウト型の転職サイトで、プロビティ・グローバルサーチの高藤さんからもスカウトを頂き、転職活動をお手伝いいただくことになりました。

これまでの経歴に左右されず、成果報酬型で頑張りが報酬として返ってくる環境を希望していたので、並行して外資系の保険会社等の選考も進んでいたのですが、高藤さんから紹介いただいた会社は地方で鉄道事業を営む会社でした。高藤さんからは野武士系人材と思われていたようで、そんな自分にフィットする会社をご提案いただいたように思います(笑)。

(高藤談)履歴書の経歴が特徴的でありながら、お会いして話してみると、軸が合って真摯に仕事に取組み、それぞれの環境で必ず結果を残してきた方であることが印象的でした。当社でご紹介させていただく企業様は、いわゆる経営人材を求めている会社が多いのですが、このようなコミット力のある人材は、経営者からの引き合いも多くなっています。こういった一面とこれまでのキャリアを拝見し、力強い野武士系の人材と思わせるほど、魅力的な方だと感じていました(笑)。

ご希望だけを聞くと、金融系や、新興のテック企業等も思い浮かびましたが、堀江さんのこれまでの行動や、現在お持ちの価値観等を総合すると、もう少し地に足の着いた事業環境で、しっかりと裁量も持って働くことができる会社が適していると思い、千葉県で鉄道事業等を手掛ける小湊鉄道さんをご紹介しました。

高藤さんから紹介いただいた小湊鐵道の選考を受ける過程で、企業が抱える事業資源と経営陣に魅力を感じました。特に社長・副社長が素敵な方々で、この業界では珍しいかもしれませんが、新しいことにも果敢に挑戦する気質を持っている印象を受けました。この環境であれば裁量も大きく有意義な仕事ができるイメージを持ち、最終的には現職の小湊鐵道への入社を決断しました。

小湊鐡道ホームページより 

幸福度が「3」から「10」に、裁量の大きい現職での充実の日々

-入社してから約1年が経つ現在、既に2回の異動も経験。これまでと同様、それぞれの役割で結果にコミットしながら、既にボードメンバーが集う会議の一員にもなっている

小湊鐵道は、大正6年設立の、千葉県で鉄道事業を営む会社です。鉄道事業の他、旅客自動車運送業としてバスやタクシーの運行も担っています。先ほども少しお伝えしたように新しい事にも果敢に挑戦する会社で、昨今では観光やエンターテイメントにも力を入れています。非日常的な顧客体験を目指し、ハロウィンやクリスマスに特別な鉄道を運行するときは、各地から多くの観光客も集っています。

入社してから間もなく1年というタイミングなんですが、既にポジションは3つ目で、それぞれ重要な役割を頂きました。最初は総務課長としてスタートしまして、難易度の高いタクシー・バスの運転手の採用活動等に尽力しました。レスポンスの速さや、相手へ適切に気持ちを伝えるというきめ細かな対応等も留意し、結果的に前年の20人から今年は50人程まで新入社員を増やすことができました。

その後、経営管理部門で各部門の予算策定や赤字事業に対するスポット的なプロジェクトにも関わって、現在はタクシー部門の責任者を務めています。正直難しい事業局面で、加えてこれまで接したことのない業界でもありますが、黒字化というミッションに向けて必死に取組んでいます。これまでの経験を通し、未経験の業界でも本気で勉強すれば絶対に勝てると思っていて、今回も全力で目的達成に向け取り組んでいます。

-このように新天地でも邁進する堀江氏に、10段階で転職前後の幸福度を伺ってみると、転職前に3~4程度だった水準が、転職後の現在は9~10に至っているという。現在取り組むソーシャルグッドも標榜した活動等を通し、幸福度が向上している理由について教えてくれた

今の幸福度を10段階で表すと、ほとんど10に近い感じです。前職の時は3~4くらいの水準だったと思うので、かなり向上していると思います。背景にあるのは、広く業界や地域に対しても波及する可能性のある営みを、非常に裁量の大きな環境で取り組むことができる点だと思います。

地方の公共交通事業者は、押しなべて厳しい事業環境にあると思います。その中で当社が事業成長をしっかりと果たすことができれば、他地域の事業会社にも間接的に良い影響を及ぼすことができると思っています。このように広く社会を視界に入れて活動できることは大変やりがいのあることだと感じています。

また、前職はどちらかというとトップダウンの風土で、経営者が判断したことにコミットするような動き方が多かったのですが、現職では従業員の裁量が大きく、各メンバーが考えて行動することを求められるので、主体的に日々を過ごすことができています。同時に責任も伴いますが、自由度も高く自身で判断して事業を進めています。

-インタビューの最後に、堀江氏に今後について伺うと、ソーシャルグッドな活動にコミットする想いをお聞きすることができた。また、多くの人が堀江氏のように充実した日々を送ることができるように、ソーシャルグッドな転職を考える人々へのメッセージも頂いた

あまり将来のことを考えるタイプじゃないので、具体的な絵姿というと難しいのですが、2-3年後には、現在任されているタクシー部門をしっかりと建て直したうえで、業界自体を活性化するようなロールモデルを自社で作りたいと思っています。足元では地域の大学で小湊鐵道が授業をすることも検討していたり、産官学と幅広いステークホルダーと協業しながらチームを作って、全国に発信できるロールモデルの構築を目指したいと思います。

ソーシャルグッドな転職を考える方々にメッセージを伝えるとしたら、直感を大事にする、ということでしょうか。今を楽しく過ごすことが出来そうだと感じたのなら、あまり後先考えずに直感で足を動かしてみると、その断面で成功しても失敗しても、結果的には良い方向に進んでいることが多いと思います。

また、小湊鐵道は100年続いている会社ですが、柔軟に色々なことに挑戦できる環境で、経営者マインドを育てたいと思っている方には、かなりマッチする環境だと思います。若くして経営に参画することができ、幅広いステークホルダーと協業する経験は、代え難い経験になるはずです。


【社長より一言】

小湊鐵道株式会社代表・ 石川卓生氏のコメント
会社の変革を破竹の勢いで進めてくれています。タクシー事業部で課題の一つだった手書きの日報も、短期間でシステム化を実現してくれました。
「働きやすい会社作りをしていこう、ちゃんとやっていたらちゃんと評価される会社にしていこう」という会社の方針を自ら動いて具現化して、成果を出してくれています。
誰に対しても威張らずに謙虚で前向きなので、乗務員さん達も付いてきてくれています。
会社としても貴重な人材だし、人間的にも大好きな人です。
チーム小湊を率いる形で、これからも思いっきりやっていってもらいたいです。期待しています!

(堀江氏インタビュー 加藤和 / 石川卓生氏インタビュー 高藤悠子)


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企画・編集:
プロビティ・グローバルサーチ株式会社
ソーシャルグッド志向の転職に特化したキャリア支援サービス「ソーシャルグッド キャリアプラットフォーム」を運営するほか、社会への想いを持ったキャリア構築のノウハウ・事例を紹介する「ソーシャルグッドキャリア研究所を展開。


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