『フォースの覚醒』に見る ファースト・オーダーの働き方改革

ある日『スターウォーズ フォースの覚醒』を観ていると、非常に引っかかるポイントを見つけました。フィンとポーの二人がTIEファイターに酸素マスク無しで乗り込んでいたのです。

人命を軽視した 銀河帝国のTIEファイター

旧三部作に登場した銀河帝国のTIEファイターは、人命は後回しにしたスピードや攻撃性能を重視するというコンセプトで設計されていました。そのため、生命維持装置やハイパードライブ(ワープ機能)、シールドなどが搭載されていませんでした。

生命維持装置が搭載されていないということは、船内に酸素が無いということ。帝国軍のパイロットは皆、限られた酸素を積んだ酸素マスクを付けて乗り込むことになります。

また、ハイパードライブが搭載されていないということは、戦場で艦隊とはぐれてしまった場合、自力で拠点まで帰還できずに野垂れ死にしてしまうことになります。

以上のように銀河帝国においては兵の命は非常に軽んじられていました。

人命も考慮した ファーストオーダーのTIEファイター

『フォースの覚醒』におけるTIEファイターは、私の常識をひっくり返しました。

機内で呼吸ができるだけでなく、脱出のパラシュートも搭載。さらには劇中ではTIEファイター単独でのハイパースペースへ突入も可能になっていました。他にも調べて見ると、シールドも使用できるようになったようです。

当然これらの機能は、乗組員の生存率を高めます。今までは戦闘機の機能重視だった帝国が、なぜファーストオーダーになってからは兵の命を考慮した設計をするようになったのか。

ファーストオーダーが行った改革

想像に難くありません。

反乱軍が勝利して新しい銀河共和国が築かれた時代。その体制に反発する人々も多くいたことでしょう。反抗勢力も多数勃興したに違いありません。

旧銀河帝国の残党は、ただでさえ前回の戦争の敗戦国。新共和国には反対だが、負け組には加わりたくないと考える人も少なく無いはず。

そんな帝国残党が再起するには、働き方改革を掲げる他なかったと思われます。軍部での様々な待遇改善を行うことで多くの人が集まり、定着し、あのような一大勢力に登りつめたのでしょう。

遠い昔、遥か彼方の銀河系でも、我々の銀河と同じように職員の働き方を考え直す時代が訪れていたのですね。

※(余談)ファーストオーダーの最上位クラスに位置するカイロ・レンは、一兵卒に過ぎないフィンの名前「FN-2187」をしっかり覚えていました。大企業の役員クラスが、末端の職員を一人ひとり把握しているというこの現実。カイロ・レンがどれほど優秀な上司で、ファーストオーダーがどれほど恵まれた職場かよくわかりますね。