平成のウォーラス

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最近の記事

【考察】『ブルーアーカイブ』の「透明感」って いったいどういう意味なんだ?『ブルアカ』

『ブルアカ』といえば「透明感がある」とよく言われるが、これはいったいどういう意味なんだろう。 ネットで「ブルアカ 透明感」と調べると、ブログ、まとめサイト、ツイッターなど山ほど出てくる。しかし、具体的にどういうことなのかは、全くと言っていいほど説明されていない。 どういう意味だろう。考えても、フワッとしていて要領を得ない。例えば、「ストーリーが面白い」とか、「育成が楽しい」とかならわかる。「キャラクターが可愛い」なども、どこが魅力なのかハッキリしている。 しかし、「

    • 『力の指輪』の黒人エルフに 怒りを覚えた男の話

      『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』の第一シーズンが終了して、まもなくひと月を迎えます。 諸問題で燃え盛った火がようやく下火になった今日この頃、いまさら話を蒸し返すのは本意ではありませんが、どうしても僕自身の考えを残しておきたいと思った次第です。 取り上げる話題は、もちろん皆さんご存知、有色人種の俳優がエルフを演じるという問題のこと。これが世界中で大きな論争を巻き起こしました。 原作を汚されたと憤るファン。配役の否定は差別だと非難の声を上げる人。どちらの言い分もよく理

      • コンプリートできない『ロマンシング サ・ガ』のディステニーストーン そこには顧客視点の心理がある

        『ロマンシング サ・ガ』の話です。 言わずと知れた、スクウェア黄金期を牽引した名作RPGの一つ。神ゲーだと信じて疑っていませんが、問題が多いのも事実。 1990年代という時代に野心的すぎる挑戦をしてきたため、バグや問題点を多く抱えています。 その中から一つ、作中の重要な要素であるディステニーストーンについて。 『ロマサガ』で重要な役割を持つ10 個のディステニーストーン。これらの収集が作品の目的の一つですが、全て揃えることはできません。 一つはイベントで必ず敵が持ち

        • 最初から最後までジャンプしかできない男『FF4』カインの男らしさ

          『ファイナルファンタジー4』の竜騎士カインの話です。 『FF4』の主要キャラであるカイン。見た目のカッコよさに反して、様々な要素が絡み合った結果、作中屈指のネタキャラとして扱われる一面をもっています。 ヒロインのローザに思いを寄せるも、彼女のはセシルにひたすら一途でカインは箸にも棒にもかかりません。作中では敵に操られて味方を何度も裏切ることに。もちろん彼が望んでそうなったわけではありませんが、何度も裏切る展開や、「おれは しょうきに もどった」などのセリフも相まって裏切り

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          『最後のジェダイ』のルーク像が最低最悪だけど ちょっと好き

          『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』の話です。 『スター・ウォーズ』の歴史上最も物議を醸した問題作『最後のジェダイ』。監督であるライアン・ジョンソンのスター・ウォーズ観が如実に反映された作品であり、『エピソード1』を越える論争を巻き起こしました。 中でもルーク・スカイウォーカーの設定には大きな批判が集まりました。あのルークが、弟子を手にかけようとし、希望を失い、世界の危機から目を背けようになるなど誰が想像したでしょう。 しかし、このルーク像は悪いものだと一蹴するのは早計

          『最後のジェダイ』のルーク像が最低最悪だけど ちょっと好き

          やっぱり嫌いになれない『スカイウォーカーの夜明け』の4つの評価点

          『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』について。 公開直後から評価が真っ二つに割れてしまった問題作。先日、主演のデイジーリドリーが涙ながらにインタビューを受けたことでも話題になりました。 この映画は、前作『最後のジェダイ』と前々作『フォースの覚醒』が持っていた課題をそのまま丸投げされた構成。その結果、物語としての破綻や矛盾、ファンとして理解に苦しむ点やそもそも映画として出来の悪い部分など山のような問題を抱えたまま世に出てしまうこととなりました。 賛否両論、とは言わ

          やっぱり嫌いになれない『スカイウォーカーの夜明け』の4つの評価点

          勇気と献身を備えるサムではなく 無能なフロドが主人公である理由-『ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)』

          『ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)』の主人公フロドについて。 ホビットの青年であるフロド・バギンズは、冥王サウロンの指輪を破壊するために選ばれ、従者のサムとともにモルドールの火の山へ旅をすることになります。 このフロド、物語の主人公であるにも関わらず、インターネットでやたらと「無能」と呼ばれています。Yahoo知恵袋にも「フロドは無能。サムこそが主人公では?」と問いかける質問も散見される状況。 確かに、映画を見ていると従者であるサムの献身と勇気がクローズアップされ、

          勇気と献身を備えるサムではなく 無能なフロドが主人公である理由-『ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)』

          『最後のジェダイ』が破壊した、ルーカスの「善」と「悪」の捉え方

          世界的に物議を醸した『スターウォーズ 最後のジェダイ』。ナンバリングから除外するようにとの署名運動も行われるなど、スターウォーズのファンの間で未だに論争になっています。 個人的には楽しめる作品でしたが、気になる点がいくつかあったのも事実です。その中の一つ、DJというキャラクターが発言した「良い奴ら(グッドガイ)」と「悪い奴ら(バッドガイ)」という言葉は、本作そしてシークエルトリロジー全体の悪い部分を象徴していると感じました。 レジスタンスは善人で、ファーストオーダーは悪人

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          『フォースの覚醒』に見る ファースト・オーダーの働き方改革

          ある日『スターウォーズ フォースの覚醒』を観ていると、非常に引っかかるポイントを見つけました。フィンとポーの二人がTIEファイターに酸素マスク無しで乗り込んでいたのです。 人命を軽視した 銀河帝国のTIEファイター旧三部作に登場した銀河帝国のTIEファイターは、人命は後回しにしたスピードや攻撃性能を重視するというコンセプトで設計されていました。そのため、生命維持装置やハイパードライブ(ワープ機能)、シールドなどが搭載されていませんでした。 生命維持装置が搭載されていないと

          『フォースの覚醒』に見る ファースト・オーダーの働き方改革

          『ジョーカー』に共感するなんて絶対にイヤだ!!・・・でも、

          映画『ジョーカー』 素晴らしかったです。 『ジョーカー』を見る前に思っていたことこの作品を見る前には、「ジョーカーに同情してしまうような作品だったらイヤだな」と考えていました。 私はフィクションのヴィランに同情するなんて冗談じゃないという考えです。もちろん私も若い頃は理由のある悪役や、考慮できる事情を抱えた敵キャラクターを魅力的に感じていました。 しかしもうそんな中学生のような思考・感性はなくなりました。 今は、悪役は悪役らしく存分に根っこから腐っているほうが良い、と

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          『ジェダイの帰還』でダース・ベイダーは本当に善の心を取り戻したのか?

          『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』の最新予告動画が公開されましたね。 12月の公開に向けて、過去作の復習に勤しむここ数日。 改めて再確認。『スター・ウォーズ』の1作目から6作目までは、アナキン・スカイウォーカーが悪の道に堕ち、最後に善の心を取り戻すというお話でした。 ・・・ちょっと待てよ。そんなお話じゃ無いぞこれ。 これって本当に善と悪の闘いの話なんですかね?主人公は本当に善悪の間で揺れ動いていたんでしょうか? 観ているうちに湧いてきたこのもやもやした

          『ジェダイの帰還』でダース・ベイダーは本当に善の心を取り戻したのか?