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rapid graph 初期型

数本入手したので軽く綴っていく。

ラピッドグラフについて

ラピッドグラフの初期型。
俗に言う製図ペン(製図用万年筆)である。

かの有名なティンテンクリの後継機として発売された製図ペンである。

ティンテンクリについては仮称氏の記事がわかりやすいのでこちらをご参照⬇️

現行品の小豆色のモデルとは全く違う外見をしていて、まさに仏壇カラーの万年筆のようだ。

このモデルは海外の資料によると発売は1953年。60年に廃番となっている。

30年代以降からコヒノールが販売しているラピッドグラフもあるが、恐らくロットリングのOEMであり、今回ご紹介するラピッドグラフは初期型と記載するが恐らく初期では無い…

資料として参考になれば幸いだが、今回ご紹介するラピッドグラフ初期の他ロットリングの製図ペンには、

・各種ティンテンクリ(1928〜70年代初頭)
・バリアント(不明〜85)
・マイクロノーム(1968〜85)
・フォリオグラフ(不明〜85)
・バリオスクリプト(1961〜85)
・イソグラフ(現行品)
・ラピッドグラフ(現行品版)

などがある。
コヒノールOEMなども含めるとさらに増える…

外見

ニブは純正ではなくバリアント

外見としては、ずんぐりとしておりベスト型の万年筆を彷彿とさせる見た目となっている。
クリップはゴールドトリムで角張った特徴的な形状をしている。チャームポイントとなるクリップが最大の魅力に感じる。

軸はブラックの樹脂であり、ロットリングの証でもある赤色の輪が目立つ。

また軸後部には芯径、樹脂の赤いリングには
RAPIDGRAPHと刻印がされている。

仕様

このペンはピストン吸入式となっている。
軸後部の黒い樹脂パーツを外すとノブが現れる。

ここを回すとインクが吸入される。

オーバーホール。
5本あるうちの2本はピストンのゴムまで分解できたが写真の個体は不可能であった。

機構が緩んでしまう可能性があるためオーバーホールは控えた方が良いかもしれない。

また軸の嵌合方式はネジ式であり、機密性は保たれているように感じた。

バリアントと比較

同社バリアント・バリオスクリプトとの比較。
ラピッドグラフ初期型は万年筆のような重みのある見た目であり、バリアントは同年代の製図ペンと似た飾り気のない実用品を感じる。

自分は純正ニブが無くラピッドグラフはバリアントのニブのため書き心地などに大差は無い。

バリアントはユニットがペン先に集中しておりグリップ部ペン先に近くに溝などがあるが、ラピッドグラフはフラットなグリップとなっている。

インク窓がないのはティクより劣ってると思われ

最後に

実用性と共に歴史的にも価値のある良い筆記具だ。
これから筆箱に入れ一軍として頑張ってもらおうと思う。

代行ありがとうございます

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