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rottring Tintenkuli / Tiku

tikuの歴史は1928年に遡ります。パイプ状のペン先と調節用ワイヤーによってインクの流れを制御するデザイン。その後、最高のニードルポイントペンとしてロットリングの愛好家にティンテンクリの愛称で親しまれることになります。

その後もラピッドグラフ、バリアント、バリオスクリプト、イソグラフと現在までその技術と理念は継承されていっています。そのため海外では製図用万年筆=ロットリングと呼ばれている場合も多いです。

vanirlant (双頭モデル)
tintenkuli
rapid graph (旧型)



ティンテンクリは製造時期が長く、多くのマイナーチェンジやモデルがあります。今回紹介するものはスケルトンのモデルで、おおよそ1950年代のものと思われるモデルになります。

柄つきティク(@ffan_ffan_)より提供

機構として中空式構造が採用されています。序盤で説明したように、ペン先がパイプとなっていて、中に少しだけパイプから飛び出た針が入っていて筆記時に紙に接地されることでインクが出る機構です。
インクは一般的な万年筆にも多く搭載されている吸入式で、ティクの場合は尻軸のカバーを外すことで出てくるノブを回してインクを吸入します。

軸は樹脂製で、ティンテンクリの場合は古いものも多いので劣化によるひび割れなどが不安要素として挙げられます。
仏壇カラーで統一されていて、尻軸の繋ぎ目の赤輪がアクセントとなっている非常にいいデザインだと思います。

何よりもカッコいい部分はここです。通常モデルのティクにもインク窓が付いています。スケルトンモデルはその窓部分だけではなくピストン機構が見えたり、インクの見える部分も大きくなっています。

キャップをした時も単調な見た目にならないのでとても気に入っています。

使用面としては、ティクに共通してインク漏れの確率が大きく、先述した様に軸割れの不安がありあまり使用には向いていないと感じます。しかし、カジュアルに万年筆のインクを使えるという点では非常に良い筆記具だと思います。
万年筆との区別できる点において、ティク バリアント ラピッドグラフ(旧型)には共通したニブが使われているので、線幅を手軽に変えれることが大きなメリットになると感じました。今でも古い店やメルカリなどでニブは溢れていて、かなり安価に買えます。
自分はペリカンのハイライターインクを入れてマーカーとして使用していますが、0.6mm以下の線幅なら文字を書いたりの実用も可能かと思います。
基本的にはあまり勧めませんが、物好きならば買ってみてもいいのではと思います。

キャップポスト時

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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