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商社から起業の道へ、コロナ過での片道レンタカー[Simpway](現カタレン)ローンチまで

ご挨拶

Pathfinder代表、小野崎です。弊社「Pathfinder」、そして片道レンタカー「Simpway」(現カタレン)について知っていただきたく、noteを開設しました。

初回は、商社の道からなぜ起業を選んだか、そして片道レンタカー「Simpway」(現カタレン)開発の経緯について紹介したいと思います。

Pathfinderは、Simpwayの実証実験スタート直前にコロナ過に突入。その後再度の緊急事態宣言、実証実験に先立ち昨年2020年12月にSimpwayβサービスの募集を開始しました。応援よろしくお願いします。

商社時代に感じた危機感、起業に生きた経験

前職の商社では、大企業と国が集まって今後の自動運転社会の有り方を議論する場に携わっていました。偉い先生と大手ばかりでロードマップを決めて、全ての要素を洗い出してから、それらを着実に積み上げていく従来型のやり方で、非常に時間のかかるプランでした。

ビッグプレイヤーが中心の自動運転の世界で他にやり方はないのだろうか。「日本は自動車分野で強いのに、このままではGAFAに先を越されてしまう」と危機感を持ちました。同時に、機動力を活かしさえすれば、勝てる市場のはずだ、とも思うようになったのです。

それと同時に私は、自動運転の市場自体に魅力を感じていました。
「経済的、時間的コストが下がり、外出しやすくなるはずだ」
「自動車がロボット化する未来に“SFっぽさ”を感じ、なんかワクワクする!」

という主観的な要素に加え、

「既存の移動手段と組み合わせて販売することが可能となる」
「地理的・時間的な制約をされがちなサービスの構造が変わり、既存の交通需要やサービス需要を超えたマーケットが生まれる」

と想定される市場の変化を想像するだけでテンションが高まったのです。

ここまで読むと、自動運転で打って出よう、と思い起業に至ったと思う方も多いはずですが、実は最初の起業ネタは別にありました。というのも学生時代から起業志向で、経験を積むために大手商社の豊田通商に入社をしました。その後、在籍7年半で退社することになります。

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※前職、豊田通商在籍時のベトナム出張の写真

最初の起業は、在籍時に“副業起業”という形でスタートさせました。そのタイミングは、法人営業、新規事業開発、営業企画、と商社入社時に期待をした経験を一通り終えた段階でもありました。

会社員の場合、退社のタイミング、というのは個々人で異なると思いますが、私の場合、商社時代に培った経験値、そして人生のステージは下記でした。


・スタートアップとの協業や投資経験が得られた
・子供が出来、頑張っている父親像を見せたい、誇れる自分で居たいと思った
・“副業起業”で2社立ち上げ、2社目で大型資金調達プロジェクトが進んでいた

1社目は、聴覚デバイスのハードウェアスタートアップです。友人と立ち上げました。コンセプトは一緒に練り上げたものの、最初の検証フェーズが終わった段階で、自分が本当に取り組みたい物へ集中するために卒業しました。

2社目は大学発のロボットハンドのスタートアップでした。短期間で資金獲得と大手との協業、開発のマイルストーン達成など順調に進みました。しかしながら、次の資金調達をVCから行う際に、メンバーと中長期のビジョンが合わず、卒業することになります。

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※ロボットハンド創業時の私

この2社での経験は、「好きな事しか頑張り続けられない」そして「自分の強みを最大限に生かす必要がある」と気づかされたきっかけにもなりました。

その結果、思い出したのが、前段に述べた自動運転業界での体験でした。それから3社目のPathfinder設立に取り掛かることになります。

Pathfinderの設立背景、社名に秘めた思い

社名のPathfinderは「開拓者」という意味です。
創業者の方はどのように社名を付けているのでしょうか?私はファイナンス担当の竹岡氏と共に社名ブレストの時間を設け、社名の候補を上げていきました。

「SFっぽいワクワクさ」「かっこつけ過ぎない」をコンセプトにイギリスの「SF」のようなウィットに富んだ名前にしたいよねと話をし、それにマッチしたのが「Pathfinder」です。

(途中「銀河ヒッチハイク・ガイド」や「42」などのワードもでてき、このあたり共感いただける方は、ぜひツイッターで絡んでいただきたいです。@yonozaki

みなさんは、1997年、NASAの火星探索プロジェクト「Mars Pathfinder」をご存じでしょうか。「火星に水の痕跡があった」という歴史的な発見はこのプロジェクトから生まれました。こうした科学的成果のみならず、アポロ計画のように膨大な時間とお金をかけた大規模な宇宙開発から、小型衛星による小規模でリーンな宇宙開発への時代を開く事業的成果を上げた、と言われている宇宙好きの方には有名なプロジェクトです。

MarsとMaaSの音のかぶりが良かったこともあり、私たちは、この「Mars Pathfinder」になぞられ、“MaaS業界の開拓者”となる意気込みを社名の「Pathfinder」に込めました。

「Moonshot」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。アメリカのジョン・F・ケネディ大統領の発言「1960年代が終わる前に月面に人類を着陸させ、無事に地球に帰還させる」が転じ「非常に困難で独創的ではあるが、実現すれば大きなインパクト、イノベーションを産む、壮大な計画・目標・挑戦のこと」を意味します。

「Mars Pathfinder」は、この「Moonshot」を実現させました。私たち「Pathfinder」は、この「Moonshot」に準え、モビリティ業界での「Marsshot」を実現させたいという思いを込めています。

片道レンタカー「Simpway」(現カタレン)開発に着手

自動運転への貢献をめざす「Pathfinder」ですが、最初に取り掛かったのはレンタカー市場への参入でした。まず、自動車関連市場に参入しデータを集めることで、次のステージに進みやすいのではないかと考えたためです。

車が「所有から使用へ」とシフトする中、レンタカー市場は日本でも稀な成長市場です。全国レンタカー協会の発表によると、2019年のレンタカーの車両数は約88万台と10年前と比較して約2倍に増えています(※1)。それにもかかわらず、スタートアップの参入はほぼなかったのです。既存事業者は大手で寡占化されており、古い仕組みが使われ続けている状況でもありました。

また、将来的な自動運転による大きな変革が予定されている市場でもあります。矢野経済研究所が発表した国内Maas市場調査によると、2025年に2兆1042億、2030年には6兆3600億円に達すると言われています(※2)。2025年以降、高速道路から順次開始される自動運転により大きな市場変革が予定されている中、まだ誰も全容が掴めず、予想もしきれない、高い流動性が起こるであろう市場。それがレンタカー市場です。

「とにかく既存市場へ参入するチャンスが沢山ある」

そう感じ、リサーチを進めていきました。

各社へのヒアリングから、現在の日本のレンタカー業界は自動車の平均稼働率が約6割にとどまる状況が見えてきました。平日は5割を切るところも。つまり走っていない多くの自動車が車庫で乗り手を待っているのです。

このもったいない状況を解決するため、「Simpway」(現カタレン)を通じてレンタカー利用者と稼働していない自動車とのマッチングを図り、車一台当たりの稼働効率を向上させるべく、「片道専用レンタカー事業」の開発に着手することになります。

そして仲間あつめをスタート

着手するといっても、一人でできることは限られています。さっそく仲間集めを始めました。しかしながら、大々的に求人を出すお金はありません。起業初期の仲間集めの鉄則ですが、「関係の近しい人にお願いする」「その周りの友人・関係者を誘う」と草の根営業の開始です。
最初にジョインしてくれた2人(現取締役)は、学生時代からの友人(竹岡氏)と前職の先輩(堀出氏)です。

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※スタートアップイベントに登壇する竹岡氏

竹岡氏は最初の起業時からファイナンス面をずっと相談しており、前職の仕事でもお互いに案件紹介や協業先探しなどを手伝って貰っていました。今回は、取締役として参画してもらうことになります。

堀出氏は、彼のシーズ事業化支援会社の話を私が聞きに行った際、自分のアイディアを話したところ、彼が私のプロジェクトを応援してくれることになりました。

その後はメンバーの紹介、Twitterを介したヘッドハンティング活動の成果もあり、現在13名のメンバーで進行しています。(2021年3月現在)
開発も順調に進み、いよいよ実証実験へのステップを、と駆け足で進んできた最中、2020年、コロナ過へと突入することになります。その話は次の記事(4月公開予定)で紹介したいと思います。

ここまで読んでくださりありがとうございました。次回のnoteもぜひ見に来てください。

※1 2019年3月 一般社団法人全国日本レンタカー協会調べ
※2 2019年2月 矢野経済研究所調べ

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https://pitta.me/matches?q=Pathfinder&oeo=false

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