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パーパス&バリューを決めるワークショップで参加者に起きた変化。「メンバーや会社のことをより深く理解できた」

2022年で設立15周年の節目を迎えるピラミッドフィルム クアドラ(以下:クアドラ)では、「THIS IS QUADRA PROJECT」と銘打ち、パーパスとバリューを新たに制定しました。このプロジェクトが立ち上げられた経緯や意義については「ピラミッドフィルム クアドラの新しいパーパスとバリューができるまで」で紹介しましたが、今回は角度を変え、制作プロセスのなかで実施されたワークショップにフォーカスします。参加した役員やメンバーは、どのようなことを考えたのでしょうか。


メンバー紹介

左から、前原真由美、石川淳、清水龍輝

石川淳(いしかわじゅん)
取締役 / プロデューサー
一貫して広告プロモーションのプロジェクトマネジメント業務に従事。多数のプロジェクトを年間を通し担当し、大小合わせ約500プロジェクトを経験。

前原真由美(まえはらまゆみ)
人事 / バックオフィスチームマネージャー
制作デスク、総務、広報を経て人事に従事。社員のエンゲージメントを高い水準にし、維持していく組織創りが大きな目標。管理部門にもらう概括な相談を具体化し周囲と円滑に進めていく事が得意。

清水龍輝()
プロジェクトマネージャー / プロジェクトマネジメントチームマネージャー
Webのみならず、デバイスから筐体、イベントまで多岐にわたる案件の進行管理を担当。クライアントとスタッフの状況をくみ取り、果断に進めることを信条とする。仕切りなおしと効率化が得意。

ワークショップを通じて深まったメンバーへの理解

━━まずはワークショップに参加した感想から聞かせてください。

石川__貴重な時間だったと思います。役員陣は自分たちの考えについてメンバーの前で話すことが多いのですが、マネージャー陣はそういう機会がほとんどなかったんですね。しかも仕事はプロジェクト単位で進行するので、個人がどういう姿勢で働いているのか、会社のことをどのように考えているのかを知ることがほとんどありませんでした。加えて、ここ数年はコロナ禍でオフィスで働く時間が減り、飲み会も開催されなかったのでなおさら。だから、メンバーから言われて気づくことも多かったです。

清水__仕事や会社に対して、みんな大なり小なり考えていることはあると思うんです。ただ、それを話す機会は日常のなかで本当に限られているんですよね。だから、ワークショップを通じてじっくり話す時間があったことで、メンバーへの理解が深まったと思います。それと同時に、普段からなんとなく考えていることが言語化されたことで、自分自身の思考が整理された気もします。

━━石川さんも清水さんも新たな発見があったわけですね。前原さんはどうですか?

前原__二人が話したことと重複するのですが、ワークショップを通じて一人ひとりの想いを理解できたのがすごく価値があったと思います。メンバーそれぞれが何を考えているのかを理解する良いきっかけになったなって。

「世界」と「社会」という言葉が共存することに意味がある

━━ワークショップを経て完成した『純粋な好奇心と才能の掛け算で、世界に、社会に、「新しい出来る」を次々と実現させていく。』というパーパスについてはどのように考えていますか? 「デジタル」「クリエイティブ」「体験」といったわかりやすい言葉に逃げないことを意識したそうですが。

清水__会社のアイデンティティは、名詞ではなく、形容詞に表れると思うんですね。「どういうデジタルなのか」「どういう体験なのか」って。それを体現するものとして「純粋な好奇心」というキーワードはすごく良いなと。あと「才能」って先天的なものだけを指す言葉ではなく、後から育てることができるし、ものづくりをする人にとっては養っていくことこそ大事なので、それをうまく表現できているのではないでしょうか。

前原__「純粋な好奇心と才能の掛け算」は、まさにクアドラのことを的確に表現していますよね。うちの会社ってものづくりが好きなメンバーが本当に多いんですよ。そんな彼らを支えるにふさわしい言葉になっているんじゃないかなと思います。

清水__あと、「世界に、社会に、」という表現もけっこう大事で。どちらかが欠けても言葉足らずになってしまうんですよね。「世界に、」だけだと言葉の定義が広くなりすぎるし、「社会に、」だけだとインフラっぽいニュアンスが強くなるような印象があるなと思うんです。社会貢献感が強くなるというか。ただ、クアドラがつくるものが必ずしも社会に役立つわけではないので。

前原__それについては、メンバー間でけっこう議論しましたよね。世界なのか、社会なのか、日常なのかって。

清水__「世界」と「社会」そのふたつの言葉が合わさることで、一人ひとりの日常にまで降りてくるのかなと思います。そういうことも踏まえて、大きなことを言っているようで小さな部分にも言及した、クアドラらしい身の丈に合っているパーパスになったはず。

石川__そうですね。好奇心があってこそ、チャレンジする勇気の原動力になり、そこから得られる対応領域の拡張や深度によって新しくできることが増えていく。それを体現する言葉になったと思います。

━━では、新たなバリュー「QUADRIVES」(クアドライブス)はいかがですか?

石川__どのようなメンバーが、どのような思いで仕事に取り組み、また会社がどのようになってほしいかという概念に近く抽象的な事柄に対して、会社の価値観をしっかりと提示できたと思います。

清水__こういうものって言葉にするだけじゃ意味はないんですけど、言葉にすることの意味はあると思っていて。というのも、クアドラは若手のメンバーが多いのですが、リモートワークが増えたことで、これまでのようにオフィスで手取り足取り仕事を教える頻度が下がっているんですね。そういう状況下で、メンバー全員が共通で目指せる北極星となるものが必要で。極端なことをいえば、会社からものすごく遠い場所に住んでいたとしても、想いを共有して働けるようなものでないといけないと思うんです。しかも、押し付けがましくなっても良くないし、忘れ去られても良くない。その点QUADRIVESは、すごくバランスが良いんじゃないかなと。

前原__QUADRIVESのなかに「遊びも100%」というものがあるのですが、数年前だったら出てこなかった言葉だと思うんです。社会における仕事の在り方が変化しているなか、昔の価値観のままだとうまくいかないことも増えてきたと思うので、QUADRIVESがあることでさらに良い仕事ができるようになればいいですよね。

パーパスやQUADRIVESが働くうえでお守りになれば

━━最後に。ワークショップを通じて得たことをどのように活かしていきたいか教えてください。

石川__今回のワークショップはすごく実りがありました。なかでも自分と立場が近く、定期的にミーティングを行っているマネージャー陣でさえ、はじめて彼らの考えや想いに気づくことが多かったんですよね。ということは、それ以上にコミュニケーションが遠くなってしまっているメンバーとは、自分が思っている以上に遥か遠くに距離があることだと思うんです。そのことを自覚し、自身の考え、会社の考えを都度詳細に伝えていったり、メンバーそれぞれと対話したりしていきたいと思います。

清水__僕はマネージャーになってからまだ2年しか経っていないので、肩書きに対する慣れもあると思うのですが、マネージャーとしてチームメンバーに何をどのように伝えるかを意識するようになったと思います。

前原__私自身、仕事をするなかで迷いが生じることも多いのですが、パーパスやQUADRIVESが背中を押してくれることがあるんですね。それもあって挑戦することに迷う瞬間が減った気がします。新たにできたパーパスとQUADRIVESは、ワークショップに参加したメンバー同士で対話しながら出てきた言葉からつくられたものなので、それをワークショップに参加していないメンバーに伝えていくために、自ら体現していこうという意識が自然と働いているのかなって。そして、いかに浸透させていくかが今後の課題です。パーパスやQUADRIVESがあるから能動的に行動できるようになるのが理想ですが、これは時間をかけて取り組んでいくものになるので、役員やマネージャーが率先して体現していくことが大切なのかなって。

清水__ただ、パーパスやQUADRIVESが仕事をするうえで十字架になってはいけないと思うんですね。使命感を持ってやろうとすると、どうしても体力が必要になるじゃないですか。それで組織が疲弊していくのは支離滅裂だなと。それに役員やマネージャーだけが頑張って、その下に続くメンバーが置いてけぼりになってしまうのがいちばんもったいないなと。そうではなく、パーパスやQUADRIVESがあることで安心感につながる、ちょっとしたお守りのような存在になってくれたらいいなと思っています。

取材・文:村上広大

(この記事の内容は2022年12月27日時点での情報です)

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