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内緒の関係 のどか奥様のストーリー⑬

「たくさん感じてくれて、嬉しかったです」
「のどかさんこそ。痛くなかった?」
 枕に頭を預けたまま、いわゆるピロートークの時間だ。いつもはあまりの気持ちよさに動けない女の子の世話を焼いたりもするのだが、今日は自分もすっかり骨抜きにされてしまった。いつも攻めに回る自分でも、彼女の手にかかればここまでとろけてしまうとは。未知の感覚に対する戸惑いがないわけではないが、俺はまた彼女と会うことになるだろうなと予感していた。
「痛くないです。なんかこうしていると、本当に恋人みたいですね」
 ただのデリ嬢だと割り切るには魅力的過ぎる。どうやら俺はもうのどかさんの虜になってしまったようだ。いつもの女慣れした自分らしくはないが、たまにはこういうのもいいかもしれない。時間が来てしまうまでの間、俺達は布団の中でずっと手を繋いでいた。

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