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読書感想 22世紀の民主主義


政治学の本は難しくてほとんど読みません(笑)

いま話題の成田教授の著作なので興味が湧きました。ソフトカバーの手のひらサイズなので、読みやすかったです(^o^)v

総じて、この本は民主主義の本質を問い、それを司る投票制度、議員の在り方を見直す「民主主義のアンラーニング」だと思いました。

◆アンラーニングといえば。。。

「冒険の書」を読んで、アンラーニングするためにも普段は読まない分野の本を読んで冒険しよう!と思い、この本を選定したという流れです☆


タイトルにある「22世紀」とは、2101年1月1日(土) – 2200年12月31日(水)なので、ちょうどドラえもんが生まれた「2112年」を含む近未来です。

そして、私は生きていないため、最初は気楽な気持ちで読んでいました(笑)

ただ、内容は私達の子ども世代が直面する問題でした。。。(;´Д`)アワワ


データによる各国の検証は非常に面白かったです。

「民主政治」と「専制政治」の比較といえば、アニメ『銀河英雄伝説』の主人公であるヤン・ウェンリーの言葉が思い出されます。

ヤン・ウェンリー
(左側の人物:公式ポータルサイトより)



「最悪の民主政治は、最良の独裁政治に勝る!」 


民主主義は「良きもの」「必要なもの」というのが一般論です。

私も民主主義は、自由主義経済と両輪で順風満帆に進化してると思っていたので、「民主主義の失われた20年」「民主主義の劣化」というフレーズに衝撃を受けました。
同時に応援演説中、凶弾に倒れた安倍元首相の無念さが思い起こされました。。。


この本でも紹介されているように「極端な民主制から(中略)独裁制は生じる」とアリストテレスが「政治学」の中で指摘していました。

まさに民主政治が生まれたローマはやがて「ローマ帝国すなわちローマ皇帝による専制政治」となり、ヨーロッパ・アフリカの覇権と繁栄を得たという皮肉があります。


(最後の五賢帝アウレリウス ウィキより)

その第16代ローマ皇帝であるマルクス・アウレリウス(在位161年〜180年頃)がいます。
「自省録」を書き残したことでも有名ですが、この人物の言葉を引用した成田教授のスピーチ動画に感動しました☆

少し脱線しますが、お時間あればご鑑賞ください〜




「空中に投げられた石にとって、

落ちるのが悪いことでもなければ、

昇るのが善いことでもない」


もう少しかみ砕くとこんな感じでしょうか。


「放り投げられた石は、
落ちていく哀しみも、
昇りゆく喜びも感じない」


「石」とは「人」の事だと解釈しました。そのうえで私の補足説明としては、

【人は、周りの環境や評価に踊らされず、シンプルに自分の信条に沿って生きればいい】

です。



翻って有権者として政治に関わる場合、他人からの情報ではなく、自分が直接的に見聞きした事から、信ずるに足る候補者かどうかを「直感」で判断すれば良いと思います。

その意味で、最後まで話を聞かずにすぐ反論したり、野次を飛ばす現議員を私は信用しません(^_^;)
それこそ、命がけで戦い、汗血をもって近代国家を作った大先輩から何を学んでいるのやら、、、


考えてみれば、「民主主義」ほど集荷性・属人性の高いシステムはありません。

歴史を振り返ると政党政治といっても政策はコロコロ替わります。結局は党首と党員の「意思」によって雲散霧消を繰り返しているだけに見えてしまいます。



たひたび批判の的になるのは「決められない政治」です。これは「判断」の遅さや不断さが問題です。

これこそ、細々とした予算調整や行政管理にAIを活用すれば良いのです。

なので、私は成田教授の提唱するデータエビデンス活用には大賛成です!


あらゆるものを可視化・数値化することで真理が見えてくるはずです。
人生100年時代において、データ活用も重要なツールとなります。



総じて、この本は民主主義の本質を問い、それを司る投票制度、議員の在り方を見直す「民主主義のアンラーニング」だと思いました。

民主政治が生まれた古代から共通しているのは「民衆の声」をどう拾うのか、だと思います。

もはや全世界が「資源・経済・情報」で繋がっているのであり、イデオロギーや国体の在り方を争う時代ではなくなっています。別に国家に頼らなくても人々は生きる糧を得られるようになってきているからです。

それこそガンダムの世界にある「地球連邦」が必要なのかも知れません(^o^)


民主主義をはじめとするイデオロギーによる国家運営の是非に関する実証結果も、20世紀の歴史において衆知によるところです。

一方で、第二次世界大戦後から現在まで世界調和を司り、国際問題を調停するはずの国連の「統制力」が発揮できないこともウクライナ戦争で明るみになりました。
今回は、国連主要国が戦争の当事者なので、議論の場につかないという点も問題ですし、制裁決議の賛否が割れているのには各国の経済的判断も絡んでいることから、これも民主主義の制度疲弊の1つといえます。
唯一評価すべきは、「核戦争」や「米欧vs露の全面戦争」を回避している点です。


望ましい未来としては、「福祉・医療・教育」をいかにスピーディーに国民へ提供できるかが国家運営の要であり、それをサポートできる迅速・公平な民主主義が求められます。

有権者として民主主義に参加する国民も「豊かさ・幸福」などの指標が評価のバロメーターになっていくと感じます。なので人為的な判断ミスが減るという意味で、成田教授の主張される「政治家がネコやキャラクター」なるのは良いことです☆

両者のバランスを取るためにも、「人」を優先した資本主義と民主主義をミックスした「民主経済主義」というのが着地点かも知れません。
今後の制度改善を期待したいです。


「パックス・ロマーナ(ローマ帝国による平和と繁栄)」から始まり、「パックス・ブリタニカ(大英帝国による平和と繁栄)」、「パックス・アメリカーナ(米国中心の平和と繁栄)」と続きました。

21世紀は「経済」がキーワードだとすると、米国の衰退により世界経済のゆくえはロシア・中国・インド・日本・ASEANに掛かってきます。これらの国々は偶然にも「アジア」に集中しているので、「パックス・アジアーナ」となるのでしょうか?

個人的には「パックス・ジャポニカ」も見てみたい世界線ですな〜(^皿^)v

ちなみに競走馬として「パクスアジアーナ」はすでに誕生してるそうです(笑)

◆参考になったnoterさんの記事




最後までお読みいただきありがとうございます(^o^)



トップ画像のイラストはAKISENさんの作品です☆


#つぶやき #読書感想 #民主主義 #成田教授



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