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プログラムノート

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今まで書いてきた曲目解説です ぼちぼち増やしたい
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#バッハ

J.S.バッハ/トッカータ 嬰ヘ短調 BWV910

J.S.バッハ/トッカータ 嬰ヘ短調 BWV910

ワイマール宮廷オルガニスト/楽師長の職を退き、ケーテン宮廷楽長に就任した後の1717年の作品とされる。32歳のバッハは作曲活動も精力的に行ない、多くの曲を書き上げた。

深遠で哲学的な精神世界にあるこの曲は5つの部分で構成される。
愛いをおびた幻想的な導入。
穏やかな悲しみをたたえながら言葉を紡ぐ緩徐部。
エネルギーをもった下降のテーマに現実を突きつけられる第1フーガ。
束の間の夢を見る、救いの推

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J.S.Bach/パルティータ第6番 ホ短調 BWV830より〈トッカータ〉

J.S.Bach/パルティータ第6番 ホ短調 BWV830より〈トッカータ〉

1725〜31年、J.S.バッハが46歳になる時までおよそ6年にわたって推敲を重ねながら書かれた。

パルティータとは変奏曲の一種であり、舞曲を中心にまとめられた組曲のことを指す。
その中で 各小曲は全て同じ調で書かれ、統一感が図られる。
バッハは鍵盤楽器のために6つのパルティータを書いた。それぞれキャラクターは異なるが、その全てに綿密な構成と展開が用意されており、非常に充実した内容を持つ。

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J.S.バッハ/トリオ・ソナタ第4番 BWV528 ホ短調

J.S.バッハ/トリオ・ソナタ第4番 BWV528 ホ短調

昨年、地元でのパイプオルガンでのオルガン講座に応募し、半年間レッスンを受けました。

大好きなバッハがイメージした響きやスケール感、音色などを耳と心で体感的に学びたかったのでとても良い経験となりました。

第2楽章

1730年、J.S.バッハ45歳の作品です。
この頃彼はドイツの市や教会で音楽に携わる重要な役職についており、教会音楽を中心に幅広い創作活動を行なっていました。

トリオ・ソナタは通

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J.S.バッハ/トッカータ BWV914 ホ短調

J.S.バッハ/トッカータ BWV914 ホ短調

バッハの音楽がもつ孤高とその中にある人間的あたたかさ、凛とした佇まい。
そこに「新しさ」への意欲と情熱が注ぎ込まれた本作はとても魅力的だ。

1707年、バッハが22歳の時に作曲したといわれており、現在おなじみのオルガン曲「トッカータとフーガ BWV565 ニ短調」と同時期の作品である。

18歳の時に当時最新のオルガンを保有していたアルンシュタットの教会で初めてオルガニストになったバッハは名高い

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