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2023年5月の記事一覧

フランク=バウアー編/前奏曲、フーガと変奏曲

フランク=バウアー編/前奏曲、フーガと変奏曲

セザール・フランク(1822-1890)はベルギーで生まれ、フランスで活躍した作曲家・オルガニストである。

この作品は『大オルガンのための6曲集』のうちの一曲で、40歳頃に完成した。
それまでの彼の作品は、当時流行した超絶技巧を取り込もうとしたものの、アイデンティティーに欠けると評され ることが多い。
しかしこの作品では、過度な装飾は取り払われ、その代わりにフランクの内的で深遠な世界が十分な魅

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メトネル/6つのおとぎ話 Op.51より 第3曲 イ長調

メトネル/6つのおとぎ話 Op.51より 第3曲 イ長調

メトネル(1880-1951)はロシアの作曲家・ピアニストである。
ラフマニノフと仲が良く、互いを高く評価し、尊敬し合っていた。

当時ロシアは革命によって社会主義国家となり、作曲家たちは次々に他国へ亡命した。
メトネルもその1人で、40歳過ぎにドイツに渡り、その後各地を経てイギリスで成功を収め、そのまま定住した。

余談ではあるが「ニコライ・メトネル」という星があり、これは2003年に彼にちな

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J.S.Bach/パルティータ第6番 ホ短調 BWV830より〈トッカータ〉

J.S.Bach/パルティータ第6番 ホ短調 BWV830より〈トッカータ〉

1725〜31年、J.S.バッハが46歳になる時までおよそ6年にわたって推敲を重ねながら書かれた。

パルティータとは変奏曲の一種であり、舞曲を中心にまとめられた組曲のことを指す。
その中で 各小曲は全て同じ調で書かれ、統一感が図られる。
バッハは鍵盤楽器のために6つのパルティータを書いた。それぞれキャラクターは異なるが、その全てに綿密な構成と展開が用意されており、非常に充実した内容を持つ。

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