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キリスト教の悪魔とは何か?(洋画の表現)

こんにちは。
「墓の魚」の作曲家です。

今日は「墓の魚」の音楽にもよく登場する
キリスト教における悪魔(つまり悪霊)
の話をしてみたいと思います。

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「悪魔(悪霊)はその名前を特定する事が大切だ」
なんて、エクソシスト系の映画でよく言われる
ファンタジーな説話がありますが、
同時に、悪霊は自らの事を
[レギオン]
と語る、という聖書記載があるんですよね。
つまり「私は大勢(レギオン)である」と言う訳です。

また、そうかと思えば
[全ての悪魔は一体である]
というオカルト研究や神学の説もあります。

悪魔にも個性や名前があるだろうに、
なんで、こんな話が出て来るのか?
というと、
悪霊という存在が[個]ではなく、
人間にとっての災厄穢れなど
嫌悪を抱く全てである
という見方があるからです(象徴)。

だから
蝗の害も、
戦争(不和)も、
死体の忌まわしさも、
全て、その中に悪霊がいるとされる訳です
(このラテン的キリスト教の感覚を理解すると、
洋画がより楽しくなるかも)。

人間の抱くあらゆる嫌悪感の中に
世界のあらゆる忌まわしいものの中に
悪霊はいて、
それは象徴的な存在であり、
個体ではないという事ですね。

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ウィリアム・ゴールディングの小説
「蠅の王」に登場する
[豚の頭]がまさにそれではないでしょうか。
あれは、色々なものを総じた象徴となってました。

しかし、我々だって、
細胞で考えると
[個であって個ではない]と言えます。

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(↑↑↑海底で蠢くヒモムシ達)


我々が[個人]と思っているのは
脳の見せる機能だけで、
その肉体自体は他者に移植したり、
壊死して分解し、アミノ酸などのレベルで
他の場所に受け継げますよね。

また、
ある一匹のヒドロ虫系のクラゲ
(例えばRhizophysa eysenhardtii)が、
実は複数の個体の集まりであるという事。
球虫という生物の特殊な生活環。
または海という巨大な体内の中で動き回る
腸(内臓)の様な精神のない生き物がいるこの世界では、
我々のもまたレギオン(大勢)であり、
悪霊も聖霊も、脳という不完全な機能によって、
己を[個]だと錯覚した肉の見る
一つの宇宙の姿
である可能性があります。

つまり、
[一つの脳]=[一人]
という我々の常識は、
脳を重視しない生物達には通用しない場合があり、
ある種の植物生物にとってはというものが
重要な意味を持たない・・という事です。
(他に例を出すなら
園芸の接ぎ木は、他人の肉を使って、
別の生命命を維持する現象です。
その世界においてとは?とは?
何なのでしょう?)

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(↑↑↑海底を這う肉食貝達。
海で死んだ者や、クジラの死骸も、こうした無数の巻貝達に群がられ分解される)


我々は「科学だ」「理性だ」と驕って、
幻想、幻覚、夜に見る夢を笑いますが、
[思考]自体が一つの
不完全な脳による錯覚
なのだとしたら
[真理とは何か?]という事自体、
また一つの哲学なんですよね。
脳そのものが一つの
[壊れた玩具]なのかもしれないので。

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この手の話に興味ある人は
[世界五分前仮説]
[フレーム問題]
[哲学的ゾンビ]

などの本を読んでみると面白いかもしれません。

余談ですが、
イタリアの道化師アルレッキーノの起源は
悪霊の名であるという説があります。
[茶化し][笑い]の本質が
悪霊であるという事です
(この話はまた別の機会に)

神学者や、文学者が、悪魔(悪霊)を語る時、
こういう人間独特の精神思考や、
生物学的なレギオンの法則
(押し寄せ、常に平然と受け容れられる自然界の死を
文学は時にヴァニタス(虚栄)という
表現で語りますが、
それこそが悪霊の本質なのです)
の中にこそ、
悪霊の起源を見つけるべきなのだと思います。



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