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映画「リーピング」観ました

「リーピング」観ました。

旧約聖書出エジプト記10の災厄を扱った
珍しい映画で楽しめました。

なんか評価はまちまちのようですが、
しっかり作られたホラーだと思います。
音とかで無駄に脅かす無意味ホラーでなく、
話がちゃんと聖書から作られてますし。

ちなみに主人公、
アフリカで夫と娘を誘拐され、
生贄にされた過去がある設定で
「そんな地域あるのか?無理な設定・・」
と言っていた方もいましたが、
アフリカは、アルピノの子供を誘拐して殺して、
その身体を魔術に使用する犯罪

実際に起こったりしてるので
「この設定が有りえるのか?」
はともかく、
荒唐無稽な話ではないと私は思いましたけどね
(地域によって治安の差があるから)

ちなみに
旧約聖書出エジプト記10の災厄のおさらい。
10の災厄は、傲慢なファラオに対して、
神が起こした災いです。

1ナイル川の水が血に変わる

2蛙が大発生する
カエルは西洋迷信では魔女の使いだったり、
シンボリズムの世界では、あまり良い生物では無いです。
ヒキガエルはドイツ、フランスの
メメントモリ美術では墓と死と悪業の象徴ですし、
聖書には、他にもアンチキリストという
キリストと敵対する偽預言者の口から
カエルが出て来る描写があります。
魔女狩りで捕まった魔女の頭から、蛙が出て来る話も。

3ぶよが大発生する
蠅の仲間です。
当時のエジプトで、血を吸う虫の発生は、疫病の発生にも繋がり、
また、昔は今程、外界を遮断する衛生的な家もなく、
対抗する薬も無かった為、
かなり深刻な問題だったと思われます。
強力な虫刺されは、傷口に細菌が入り、
化膿し、膿皮症や、トビヒの様な
溶連菌による皮膚病の原因にもなります。

4虻が大発生する
こちらも蠅の仲間です。
いわゆるこの手の蠅の仲間の大発生は、人間だけでなく、
命綱となる家畜を襲い、
家畜を病気にしたり、蛆が家畜を喰らう事もあり、
かなり深刻な衛生問題となった筈です。
聖書によっては「犬蠅」と訳される事もあるそうです。
犬蠅が現代で言うStomoxys calcitrans(犬蠅(Dog flies))
の事を指しているのかは不明です。
Stomoxys calcitransは、
家畜に病気を感染させる蠅ですから、可能性はあります。
ちなみに「犬蠅」は古典によく悪口として登場したりします。
「この犬蠅め!!」みたいな使い方です。

5家畜に疫病が流行る
家畜というのは、生きる為に不可欠な財産なので、
家畜の病気というのは、大変な災厄という事になります。
中世の魔女が起こす悪事(呪い)の一つが、
家畜を病気にする事だったのは、そのせいです。
家畜に呪いをかける事は、重罪とされる事なのです。

6腫れ物が生じる

7雹が降る
雹は、一瞬で作物を台無しにしてしまうので、
命取りになる自然災害とされていました。
中世で魔女が起こす悪事の一つに、
嵐を起こす、雹を降らすという行為があります。

8蝗が大発生する
蝗は歴史の中で実際に何度も大発生し、
作物を全滅させてしまいます。
ちなみに、イナゴと言っても、
我々が知っているイナゴとは違う種類です。
これは古典で和訳されているどんな生物でもそうですが、
わかりやすくイナゴだの、ヒキガエルだの訳されていても、
我々がよく見る生物とは別種である事がほとんどです。
海外では、蚊と蠅を同単語で扱う事もあります
(どちらも双翅目ではある)。

9暗闇でエジプトが覆われる

10長子が皆死ぬ
長男を最も大切にする文化は、世界各地にありますから、
長子の死は、最も悲劇だったのでしょうね。

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