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スペイン風オペラ楽団「墓の魚」の成り立ちを語ってみる

こんにちは。
スペイン風オペラ楽団「墓の魚」の作曲家です。

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「墓の魚 PEZ DE TUMBA」は、
現在、コロナ禍を乗り切る為に、
クラウドファンディングに挑戦中なのですが、
そもそも「墓の魚」って何?
という方がほとんどだと思います(笑)

「墓の魚」のクラウドファンディング


そこで、今回は「墓の魚」という楽団、
そして、その作曲家、創立者である私の事、
その成り立ちを簡単に説明していこうと思います。

墓の魚・公式サイト


そもそも「墓の魚」(スペイン語でPEZ DE TUMBA)という名前は、
墓=メメントモリ
魚=キリスト教

という意味で、
「メメントモリのキリスト」
的なニュアンスを持っています。

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メメントモリ(Memento mori)とは、
クラシックの「死の舞踏」の様に、
[死をテーマにした]芸術作品や、
その根底にある哲学思想の事で、
死を考える事で、生の意味を知るという
中世よりも昔からヨーロッパに根付いている
文化です。

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魚は、イクトゥス(Ichtus)と言って、
キリストの弟子達が漁師であったり、
キリストが「人間を漁る漁師」
という例えを使ったエピソードなどから、
古くから魚がキリスト教のシンボルであったのです。

さて、私は、幼い頃より
スペイン文学の世界に浸かっていた子供でした。
そういう偏った子供(しかも頑固)だった為に、
むしろ、ほとんど日本の文化を知らずに、
南欧の世界に囲まれ育った子供だったと言えます
(遊ぶ友達も、あまりいなかったのも
原因かもしれません(笑))

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まぁ、私は、
学校などで押し付けられる性別の偏見や、
役割の押し付けなどにも
「人間社会如きの事で、
私を煩わせないで!!
この世に男も女も無いし、
蛆が糞を喰らう事だけが真実なんだよ!!」

という態度だったので、
世の中と上手くやっていける筈もなく(笑)
親に一年間、妙な矯正施設に入れられた事もありましたが、
全く変わる事もなく
(矯正施設内で、困った子として扱われてた)、
私にとっては自然体で、生きやすい行為が、
常に周囲を困らせる結果になっていた様です。

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やがて、自分も
スペイン文学キリスト教文学
の様な作品を作りたいと、
作曲家、絵師、劇作家、詩人として作品作りを始め、
自作品を発表する為に演奏者や役者を集め
スペイン風オペラ楽団「墓の魚 PEZ DE TUMBA」
を立ち上げる事になります。

しかし、私がスペイン文学
(厳密にはイタリア、ポルトガル、フランス、南米
も含めたラテン、南欧文化なのですけど)
の中で、特に魅かれた部分は、
メメントモリの部分
キリスト教哲学の部分
でした。


これらは、南欧芸術の根底を成す
重要な要素でしたが、
日本では全く馴染みがなく、
むしろ、日本で
フラメンコや、スペイン小説クラシック曲などが
紹介される時には、
省かれてしまう部分です。

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そういう南ヨーロッパ文化の本質を
を日本に紹介していきたい。
例えば、フラメンコタンゴ
当然の様に持っている
墓と諧謔と神の哲学を、日本にも広めていきたい。
それが私の目指した目標です。


私が人に「墓の魚」を紹介する時の
文章はこうです。

「墓の魚」の音楽のテーマは何か?というと
[海に浮かんだ魚の屍を見て感じる
人生の虚しさ、魂の孤独]です。

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港に打ち捨てられた[魚の骸]を葬儀する様な、
ラテン文学的に表現される
メメントモリと、人生風刺を音楽と歌詞で表現します。


私は、

キリスト教の詩、
ポルトガル漁師の歌、
ラテンの墓を掘る女の話、
荒野で聖者と対話する魔女達の劇、


の物語や、劇や、詩や、オペラを
作り始めました。
テーマがテーマなので、
仕事には全くなりませんでしたが(笑)、
「それが私の生まれて来た唯一の意味だ」
という思考しか、そもそも持っていなかったので、
200作品ほどの作品を作り
(絵も作品に入れると400作品ほど)、
その全ての作品を専門に表現する
オーケストラ(墓の魚)を立ち上げたのです。


ところで、私が芸術に求めるものは[厳格さ]です。
俗的な要素が排された[厳格さ]を求め、
私は芸術を、神学を、愛しました。

そしてもう一つ、
私が同じ理由で魅かれた分野があります。
それが、細菌微生物学化学の世界です。

これらの世界の追求は、
私の若い頃から
創作活動と並行して行われました。
中でも海洋生物、
特にベントス(底を這う生物達)棘皮類
の飼育に私は熱を上げ、
最終的に、この2つの分野は混ざり合い、
海底で淡々と藻を食むウニや、
死肉を漁る甲虫達が読む
秘密の聖書の物語・・・

顔の無い生物達の神学的な哲学
思い描く様になるのです。

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とはいえ、勉強が生き甲斐の私が
裕福な家にでも生まれていたら
良かったのですが、
私の家は極端に貧しかったので
(親が途中で破産、離婚した)、
高校にも行けませんでした。
それ以降、私は、何十年間ひたすら
作曲技法や、医学、生物学、文学を
独学で学ぶ事になりますが、
専門書や舞台活動、研究にお金をかけ過ぎて、
路上生活をする事もありました。

そんな活動を続けているうちに、
少しずつ理解者、支援者も増え、
今では、田舎の山奥の廃墟の様な場所を買い取り
(不便過ぎて、
誰も住みたくないと地元の人は言うのですが、
人間嫌いの私には楽園です(笑))、
オーケストラと作家生活を続けております。


という訳で、そんな私の人生が
無理せず自然に生み出した(笑)
作品と楽団が「墓の魚」です。

もし、色々と難しい事を言わずに、
簡単に私の作品を言うのならば、

「この世は糞ったれで、ろくでもないけれど、
死に湧く蛆だけは美しい。
それだけは美しいし、
それだけで十分、私達は救われる。
逆に、他の事など、本当にどうでもいいのだ。
この世は愚かにも、何度もキリストを
十字架に架けるのだろうけれど、
それでも、その一つの真実だけが
私達を救い続ける。」


それが、私が作品に込めた想いです。

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どう考えても、日本で
一般に受ける楽団ではないのでしょうし(笑)、
あらゆる需要の輪からは
外れた存在ではありますが、
薔薇の様な美しい模範だけが全ての世界だったら、
この世には一面性の勝利と、
絶望しか存在しない事になります。
我々が暮らし、全てだと認識している世界の真下に、
下水道があり、その誰も見向きもしない
下水道が存在する事が、
実は我々にとっての救いなのです。
文学とは、芸術とはそういうものです。

そんな「墓の魚」を、これらも
よろしくお願いいたします(笑)

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今度は、8月22日(日)に公演予定でございます。


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作曲家のイラストグッツ

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https://www.youtube.com/user/pescado666cristo/videos

→墓の魚・公式サイト
http://site-1295095-2445-4622.mystrikingly.com/
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自作の詩による詩集「沼地の聖書」(ハードカバーによる分厚い豪華本を予定)を出版する為のサポートを募集しております。ぜひ、よろしくお願いします!!いただいたサポートは詩集の費用にさせていただきます。