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【本感想:社会人になるということ/山藤賢】人・本・旅こそ大人の学び

こんにちは。
今日は、本の感想を書きます。

タイトル:『社会人になるということ ~令和版~』(197ページ)
著者:山藤 賢(さんどう まさる)


この本の魅力を一言で

令和の社会で幸せに生きるためのコンパス本。「新社会人」と一緒に「先輩社会人」も読むべし。

どういう意味か、説明していきます。

ターゲット読者と著者について

本書は、これから社会人になる人向けに書かれており、2013年に出版されたものが「令和版」としてブラッシュアップされた内容で2022年に出版されたものです。
読み終わって思ったのは、これから社会人になる人は過去を知らないので、「令和版」であることを意識して読むべきは、上司や人事、先輩社員など、ひとつ上の世代の方だということです。

また、著者の山藤賢さんについて。本の表紙や帯からは分かりにくいのですが、若者を対象とした教育のプロ(臨床検査技師を養成する専門学校の学校長)であり、サッカー女子日本代表(通称なでしこ)のスポーツドクターもされており、世界レベルの育成現場にいる方です。
教育現場とプロスポーツ現場で経験されてきた知見が満載の本書ですが、それを全面に出さないシンプルな表紙から、著者の謙虚なお人柄を感じました。


【For先輩/上司】令和世代がおかれている社会背景を知る

24卒の内定式を2週間後に控えている人事として、本書を読みました。最初にも書きましたが、読み終わって思うのは、令和世代を迎える先輩や上司の方が読むべき内容だと思いました。
本書から読み取った令和世代への接し方をまとめてみます。

令和世代が置かれている時代背景
ジョブ型/転職志向を背景に、「即戦力」を身に付けたい世代
・成長できる環境を求めており、”効率よく”知識とスキルを習得したい世代
・処遇など条件面の選択肢が豊富で、そこを選択の軸にしがち

②上記を踏まえ、令和世代に何を伝えていくべきか
成長力をつけるには「心技体」の中でも「心」を育てよう(技<心)
・仕事はチーム戦なので、他者と心を通わせることを大切にしよう

③先輩社会人は、令和世代と接する上でどうあるべきか
・「自分で自分を整える」、「自分を好きでいる(自己肯定感が高い状態)」、「何でもチャレンジする」といった姿勢をみせよう
・何ができるか(何をしているか)(WHAT)、どうやっているか(HOW)ではなく、あり方(Being=姿勢)を見せよう


競うことやより多くを手に入れることが価値観だった時代から、確実に変化している今の時代。先輩社会人である自分の方が再認識すべき内容だと思いました。


【Forプレ社会人】令和世代へのキーメッセージ

次は、本書の本丸、これから社会人になる人に向けたメッセージをまとめました。

①社会人とは、自分の人生を自分で幸せにできる人
社会の一員として、自分しか出来ない役割を担っていこう
・役割を担うために、自分と他者、どちらも大切にできるようになろう

②心を通わせる、体で体験する、この二つが可能性を広げる
知識やスキルはただの道具。それを使って自分で考えよう(正解はない)
・感情・体感・経験の数を増やそう(キーワードは「本・人・旅」!)
・今に集中し、ベストを尽くし、人との関係性を大切にし、行動に移そう

シンプルな言葉にまとめすぎかもしれませんが、本書は文字が小さくページ数の割に情報量があるので、キーメッセージを集約しました。

その他にも、自分を好きになること、自分の内側に軸をもつこと、実際に体験すること、他者理解(リスペクト)の重要さ・・・。
キーワードはたくさんありますが、それら一言で表現するのに、「大人の学びは「本・人・旅」の3つ」というお話が出てきました。これには心から共感を感じました。そして、どれもちょっと面倒なものじゃないですか、、、?

面倒なものを避けないでほしい。

じっくり & 思いっきり

物事への向き合い方として、この2つを授けてくれているように感じました。


【たとえ話満載】ドラッカー、論語、星の王子様、飛ばないカモメ、アラスカの熊・・・

教育や育成に関わる人に本書をお勧めする理由のもうひとつは、最初から最後まで、たくさんのメッセージが「たとえ話」で紹介されている点です。

「大きな石と小さな石、どちらから先に壺にいれますか」
「3人の石切工、それぞれ自分の仕事をどう説明するでしょう?」

どこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。自分が誰かに話すとき、この話なら分かりやすく伝えられそう、というものが見つかります。

私はその中でも、一番最初の「チェックイン」の章で出てくる「心のティーカップ」の話が一番好きでした!


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

令和の新社会人の皆さん、お待ちしてます^^

先輩社会人のみなさま、いつまでも自分アップデートを怠らず「働くを楽しく」過ごしたいですね。

また書きます^^

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