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うちの子に限ってそんなことはありません。→ペットに絶対はありません!!No.6

ショップの仕事の中でペットホテル、トリミングでお客様からお家の子をよく預かることがあります。「〇〇ちゃんは本当お利口さんだから大丈夫だよね?」「お家でとってもお利口さんだもん」「家ではブラッシング、爪切りもやらせてくれるよ」「シャンプーはお家でやってますから」
とってもお手入れに意識が高く、素晴らしいご家族の方が大半です。
でも残念なことに中にはそれが逆効果になっているご家族もいらっしゃるんです。


◆番犬から家族の一員

今から20年以上前のことを考えると、ペットを取り巻く環境は、大きく変わりました。当時は、「番犬」と呼ばれ「外で飼う」が当たり前だった子たちが、今では「洋服を着て」「室内で一緒に暮らし」「家でお風呂に入る」本当に一人の家族という立場になりました。番犬だった頃を知っている世代なので動物が大好きな私としては、本当に嬉しく思います。実際私も毎晩、愛犬と一緒に寝ています。ペットショップで働くようになり、素晴らしいお客様に出会ったり、ペットへの愛情がとても深く、勉強させて頂けるお客様に出会ったことも多々ありました。

◆愛情と甘やかしの違い

ショップで働くと、大きく分けてこの二つに分けられるお客様に出会います。

①「ペットへ愛情を注ぐ人」
②「ペットへの甘やかしを愛情だと思う人」

どちらも表面的には違いがありません。ペットに最大限愛情を注いでいる為、そこに暮らすペットたちは、幸せそのものです。

では、どこで違いが出るかというと「家から一歩出て外出をし、施設などを利用する時、もしくは家族以外の人と出会った時」に大きな違いが出ます。

①に暮らすペットたちは、誰と会っても非常に懐いており、しつけが行き届いており、どれだけお利口さんでも必ずと言って良いほど、飼い主さんが「うちの子はこういうことが苦手なんです」
「ここを触られるの苦手なんです」
「人の性別で好き嫌いがあるんです」など、
すごくお利口さんな子に対しても苦手なポイントや欠点を熟知していることが大半です。言い換えると「ペット本位の考え方」を持っている人です。

②に暮らすペットたちは、①とほとんど違いがないこともありますが、しつけができていない【ここでのしつけとは、噛み癖など他者に危害を加えるような物とします。】、
「飼い主さん自身が噛まれることに慣れている」
「性格や癖を理解されていない」
「そもそも外出が苦手な子を人が大勢の所に連れ出している」
「ペットたちのボディーランゲージ【喜んだり、威嚇したり、怯えたりを体で表現する行動】に疎い」方が大半です。
言い換えると「飼い主さん本位の考え方」を持っている人です。


◆飼い主さん本位の考え方の方でよく起こること

こういった飼い主さんに出会うのは、トリミングが多かったです。お家や飼い主さんの前では、スタッフに対しても、とてもお利口さんですが、「シャンプー」「顔カット」「爪切り」「足裏カット」など、ある特定の事を行うととてつもなく豹変し、歯をむき出しにして鬼の形相で怒り出します。
トリミングサロンでの緊張、苦手な事をされる事でのストレス様々な理由が考えられます。また以前通っていたサロンや家で行うトリミングのトラウマを持っている子もいます。

ここはショップの考え方でそれぞれ対応が変わります。
①「何が何でもトリミングをやりきる」
②「ペットの負担を考え途中で辞めて、理由をお話する」

①を選択する場合、トリマーが大けがをすることがありますし、ペット自身が大けがをすることもあります。一度トリマーさんの手と腕を見てあげてください。そこら中傷だらけの人もいます。それでも何とかこなしていけるトリマーもいます。

②を選択する場合、非常にショップとしては勇気がいる判断です。激怒されるお客様もいらっしゃいました。
「今日しか時間がないのに中途半端で終わらすなんて」
「プロなんだから最後までやるのが当然」
「お金払ったのに中途半端、雑」
「また来るのが手間」

ペットの事を思うなら、嫌なことを避けて、少しずつトリミングに慣らして
トラウマを少しでも失くす事が何よりも大切な事なんです。

◆納得されない方に目の前で見てもらう

私の覚えている限り、トリミングを極端に嫌がり、トリマーが何度もケガをするワンちゃんがいました。お客様に理由を話し、理解を求めましたが納得頂けず、いつもトリミングの最中は、他の用事でショップをすぐに離れる方がいました。
どうしても納得頂くために、普段より早くお迎えに来るようにお伝えして、実際にやっている様子を見て頂きました。すごく驚いた表情をされていたのが印象的でした。

「うちの子に限ってそんなことはありません。」→「ペットに絶対はありません!!」

彼らは、「家族、ペット」である前に「動物」であることを思い出してみてください。動物に「絶対はありません。」
人でもそうだと思うのですが、とてつもなく甘やかして、ダメな事をダメと教わらず育ったらどうなるでしょうか?
ペットたちの幼い頃の甘噛みをカワイイと放置した結果、その子の将来は…噛むことは悪いことでは無いと覚えてしまいます。

愛情の注ぎ方を考えてみてください。自分本位の愛情になっていませんか?
ペットたちの事を考えるなら、将来どうなってほしいか?そのためには、どのような事が必要なのか?
もっともっと彼らの事を見て、知って、学んでコミュニケーションを取ってあげてください。

今からでも遅くありません。お家の子と向き合ってみてはどうでしょうか?きっと何か見つかると思いますよ。

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