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実は「特殊能力者!?」トリマーさんって凄いんです!No.2

トリマーさん「○○ちゃん!こんにちは。今日はどんなカットにされますか??」

お客様「この雑誌に載ってるプードルのクマさんみたいな丸い顔にして、尻尾も丸く、全体は、いつも通り程よく切ってほしい」

トリマーさん「かしこまりました!丸いイメージはこんな感じで切ってみますね!長さはいつも通り○○mmくらいで整えて、可愛くしますね」

何気ない、いつも通りの会話です。一日に何十組、年間で何千、何万組ものワンちゃんのシャンプー・カットをこなしているトリマーさんは、こんな感じで対応することも良くあります。


いつも私はここで疑問に感じていました。

①「見た目、毛がまっすぐのプードルちゃんを丸くする」

②「雑誌の通りのカット」

③「いつも通りのカットで」

この三つの要望。店舗経験3年目くらいのプロだったら普通にこなしています。ここで考えてみてください。

①「見た目、毛がまっすぐのプードルちゃんを丸くする」

真っ直ぐな物を丸くする。人のカットでは考えられません。専門的な事を言うとこれは、「シングルコート」という毛質で、毛が抜けにくく、プードルの場合ブラシをかけるとふんわりボリュームが出る毛質だからこそできる事です。中には、毛のクセがあまりなく、クマさんカットが困難なプードルもいます。→意外と知らないお客様が多いです。プードルは全員一緒の毛質ではありません。個性の塊です。

そもそもカット経験がない私からすると、まっすぐな物を立体的に切れるということだけでも、とてつもない神業だと思っていました。→トリマーさんからすると当たり前ですよ!っていつも返事が返ってきました。


②「雑誌の通りのカット」

人でも良くありますよね。この雑誌のこの人みたいなカットにしてください!私も何度も言ったことがあります。人であれば、ある程度くせ毛、直毛、つむじの位置、毛量など、同じ人なので、とてつもない要望でなければ、かなり近づることができるそうです。→いつもお世話になっている美容師さんに聞きました。

これがワンちゃんになるとどうでしょうか?そもそも一頭一頭骨格が違う、人でいう髪の毛だけでは、なく体全体のカットもする、カットし始めてからじゃないとできるかどうか分からない時もある、そもそも雑誌は、立体的に書かれていない。見えない部分も自分でイメージして切らないといけない。

この状態で、お客様の要望に100%のクオリティをご提供できるようにカットしています。中には顔カットが嫌いで噛みついてきたり、テーブルの上で動き回って、何度もカット修正をしないといけない。でもお迎えの時間は、決まっている。とてつもない状況の中で、要望を短時間で体現しています。→受付のカウンセリング中とカット中に完成形をイメージしながら切っているそうです。


③「いつも通りのカットで」

指名のお客様なら分かりますが、そうじゃないお客様が大半です。毎回カットするトリマーは変わりますし、それぞれのトリマーのスキルの違いやカットのクセ、個性があります。それでも同じクオリティを提供できる。なぜできるのか気になって、トリマーさんのカウンセリングカルテを見せてもらいました。


「顔クマさん系、足5mm、体3mm、尻尾ボンボン作る、足先スッキリ、爪短め、顔カットキライ、顔以外おりこうさん、カワイイ♡」

「・・・・・え!?これだけですか?」写真があったり、事細かに指示書メモがあるかと思いきや、メモはこれだけです。ちなみにこのメモでもかなり多く書かれている方です。ただ少し分からない時は、前回カットした人に指示を仰ぐのですが、カット履歴は、2ヶ月前、3カ月前はざらにあります。それでも的確に指示ができるトリマーさん。これで誰が見てもいつも通りのカットができるトリマーさん。→もう特殊能力者?超能力?超絶記憶能力?凄すぎて頭が上がりません。


実は「特殊能力者!?」トリマーさんって凄いんです!

何気なく、トリミングサロンに行って、ただ要望を言ってお金をお支払いしていませんか?プロだからできて当たり前、そういう意見があって当然だと思います。でも考えてみてください。とてつもないことを短時間で体現している人たちなんです。

受付からお迎えまでスゴイ事をしているトリマーさん。何気なくサロンを見渡していても、貴重な特殊能力を持った人だと思うと見え方が変わってきませんか?

我が子のように可愛がるペット、家族を預けて、短時間で見違えるように「かわいく」「キレイ」にしてくれるトリマーさん。次にサロンで会うことがあれば「特殊能力者」だと思って見てあげてください。


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