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旅好きだった私がワーママになり、どこにも行きたくない!となるまで~前編~

先日、ちきりんさんと木下斉さんの対談でとりあげられていたデータが興味深かった。

自分の親がよく旅行をするタイプだと、子も旅行するようになるという。(ソースはたぶんこれ?)

https://www.mlit.go.jp/common/000057872.pdf

はて。私はどうだろう。





自営業の父は忙しく、休日もちょくちょく仕事場に足を運んでいた。
(私は社会人になるまで、「有給」なるものの存在を知らなかった。会社員ってスゴイ!)
家事育児を一手に担っていた母は「子どもと出かけても疲れるだけ」が口癖で、たしかに息をするのもしんどそうだった。

休日に行くのは、ジャスコか、スーパー銭湯。市内から出ることはほとんどなかった。私にとって「家族旅行」は、記憶にないほど小さかったころの上野動物園と、用事ついでの東京旅行の二回だけだ。





初めてパスポートを持ったのは大学生になってからだ。女友達とふたりの旅行、行先は、マレーシアのコタキナバル。

現地ツアーで行った洞窟や動物園もそれなりに楽しかったが、「日本人の女の子だ!いっしょに写真とって!」と同世代の男子たちに群がられ、「TOSHIBAの製品はすばらしいよね!」と見知らぬ人に話しかけられたことが、衝撃だった。日本人であるとはこんなイメージを持たれることなのか、こんなふうにみられているのか。考えたこともなかった。

スコールで携帯がダメになったり、マッサージ屋であやうく性被害に遭いそうになったり(あぶねぇ~)、タクシーを乗り逃してフライトチェックインぎりぎりになったり、ハプニング連続。それでも、その都度、自分の頭で考えて、ひとつずつ乗り越えていくことに高ぶった。身体も心も興奮しっぱなしで、ずっと激しいダンスを踊っているかのようだった。

食事や街並みや風景。道路のにおい。人の瞳の静けさ。佇まい。
同じ地球にいるのに、こんなにもすべてが違うのか。

上京したときも「しゅ…、首都圏の人はこんな生活をしているのかっ…」とびっくりしたのだが(なにしろ、マンションなんて見たこともなかったし、電車もほとんど乗ったことがなかったのだ)、海外旅行の刺激はそれをあっさりと上回った。

もっと、もっと世界をみたい!





休みを取りやすい外資系に就職できたのは幸いだった。

フランス、イギリス、ベルギー、フィンランド、エストニア、スウェーデン、ロシア、モロッコ、イタリア、クロアチア、タイ、アメリカ、韓国、ベトナム、ポーランド、チェコ…。

夏の海🇮🇹
湖畔にてairbnb🇫🇮


行く先の景色、におい、出会った人のなにげない一言、すべてが自分の身体の一部になった。帰国して成田空港に降り立つ自分はいつも、出国前とは別人だった。その感覚がたまらなくて、アップデートを重ねたくて、私は飛行機に乗りつづけた。

もっともっと遠くへ。知らないどこかへ。

旅をすることは、すっかり自分の一部になった。

サハラ砂漠にて

後半へつづく〜✈️)



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