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私が片づけコンサルタントを目指したきっかけ。前編

いまからおよそ、二年前。
私はMAXにイライラしていた。

(90年代に流行したアイドルグループではありません。念のため)

一歳になるかならないかの娘が、毎日いろんなところを開けてまわる。
ランチマットやコースターを入れていたカゴはひっくりかえされ、床にぽいぽい。
洗面所の下の扉をあけては、バケツやボトルを出してがっしゃーん!ごーろごろごろ。

よちよち歩きを追いながら、「あけないで」「さわらないで」「やめて」と注意することに、心底、疲れてしまっていた。

必要なものがしょっちゅう変化する時期でもあった。
すぐにストックがなくなるおむつ、肌着。月齢に合ったおもちゃ。さらに保育園グッズ。洗替え上下服、スモック、レインコート、おなまえシール…。モノは一気にぐん!と増加した。

えっと、どこにどうしまえば…?

おうちの中は、散らかり放題。

床が見えない…。というか、もう床が見えなくてもいいや…。 
寝よ…。

「子どもがいたら家は片付かない」ってよくきくけど、本当にそうだったんだな。子どものせいにしたらいかんよ、なんて以前は思ってたけど、そうじゃなくて、これは親のマインドの変化なんだろうな。「片付けるヒマがあるなら寝たい」「そりゃあ片付いているほうがいいけど、もはやそのことを考えるキャパがない」「思考停止」って、なるもん。なってるもん。

うんうん。

しかたない。

終了。

…と思ったけど、やっぱりもう少し、もう少しだけ心地よいおうちに暮らしたい。そういう心の声がきこえた。





もともと私はゴミ屋敷出身。両親とも、片付けができない人だった。

新聞は十年まえのものでも「いつか読むから」と積み上げられたまま。階段の左右には、ナゾの民芸雑貨や、いつのものかわからない缶詰やうどんなんかが陳列され、よけたりジャンプして上るのでまるでスーパーマリオ状態。クローゼットからあふれた服は和室の鴨居にぎっしりと隙間なくかけられ、それでも足りず部屋じゅうに衣装ケースが並べられていた。

友人の家にいくと、「わ~、きれいなおうちだな~」という感想は抱くものの、まるで悠仁様をみて「皇室の方だな~」と思うのと同じレベルで、自分には縁がないもの、という認識だった。片付いたおうちなんて、自分にはぜーーーーーーーーーーったいにムリ。いいんだもん、片づけられなくても、死なないんだもん。

でも、社会人になり、こんまりさんの片付けレッスンを受けた。入社一年目、あまりにも仕事ができなくて、私はきっとどこかおかしいのだ、とかなり悩んでいた。

お部屋やものの整理ができれば、仕事もきっと、うまくいくにちがいない。





それからのものすごい変化は、以前書いたとおり。片付いた部屋できもちよく過ごすことの、心の平穏はものすごかった。朝、すっきり目覚められる。ぴかぴかのキッチンで、お気に入りのカップでコーヒーを淹れられる。相変わらず仕事ができないひよっこ社員ではあったけど、身なりをきちんと整える余裕ができたからか、以前より堂々としていられるシーンも増えた。帰宅後は、いい香りのする玄関が迎えてくれて、ぱりっとした寝具で、ゆったりした気持ちで眠りにつく。

もちろん子どもがいたら、手の届くところにガラス製品を置けないとか、「ここじゃなくてここに置いてっ!しまわないでっ!」(二歳の娘のミリ単位のこだわり)という要求に応えざるを得ないとか、そういう制約があるのはわかっている。

でも、あの心の「平穏」!!!あれってもう、子どもがいたらぜったい叶わないんだろうか。

だとしたら、あと何年も、「我慢しよう」「しかたない」「はあ~、子育てしんど」「この子がいなかったら、もっと理想の生活ができるのに」と思いながら、苦行のような気持ちで暮らさないといけないんだろうか。

そんなの、おかしくない?





もう一回、もう一回だけちゃんとやろう。
レッスンを受けたのに、こんな情けない状況になっているのなんて私だけかもしれないけど、ちゃんと学ぼう。

そう思った私は、モノを全部だし、片付けを一気にやり直した。
そして、こんまりメソッドをもっと深く知りたい、という目的で、片づけ講座を受講した。 

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