これはわたしの、そしてあなたの物語。映画「あのこは貴族」
富山出身の美紀がつぶやく。「雨が降ってると落ち着くんだよね」。その次のセリフはもう、予想がついた。「私の生まれたところはね、ずーっと雨が降ってるんだよ」
もう、わたしそのものだった。これほど感情移入してしまった映画も久しぶりである。
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わたしは18歳で富山から上京した。出会った友人たちが「うちの実家(東京23区外、あるいは神奈川や埼玉)なんて、田舎だよー」と言い合うのにショックを受けた。
首都圏の人が「田舎出身」。
そんな自己紹介、許されるんだろうか。
"みんなのカ