糸の種類 〜フィラガン〜
ご覧頂きありがとうございます。
オートクチュール刺繍のお店【 小さな手芸屋さん 】です。
このnoteでは、オートクチュール刺繍、リュネビル刺繍の魅力や、手芸の楽しさを、より多くの皆様にお伝え出来ればと思っております。
今回は刺繍糸について・・・
刺繍(ししゅう、英: Embroidery)とは、布や革の上に刺繍糸と刺繍針を使用して装飾を施す技術。(Wikipedia)
そうなんです。刺繍に欠かせないのが刺繍糸!
刺繍糸と言えば、皆さんがご存知の有名ブランド、DMC、オリンパス、コスモ、アンカーなどがありますが、今回はフィラガンという種類の糸をご紹介致します。
フィラガンとは
リュネビル刺繍でも、部分的にDMCなどの刺繍糸を使いますが、ビーズやスパンコールを縫い付けるのにはフィラガンがよく使われます。
一般的に思い浮かべる刺繍糸は「かせ」と呼ばれる、一定の大きさの枠に糸を巻いて束にしてある状態で売られているのに対し、フィラガンはミシン糸のように、ボビン(糸巻き)に糸が巻かれている状態です。
フィラガンはフランス製で、フランス語で「fil a gant」と綴ります。
「fil」は”糸”、「gant」は”手袋”、「a」は”...のための”という意味になります。
その昔は手袋の縫製に使われていたのでこのように呼ばれています。
名前だけでも丈夫そうな糸ということが分かりますね。
フィラガンの糸質
フィラガンは、とても細いコットンの糸で毛羽立ちがなく、生地通りが滑らかです。
細くても、蝋引きされているため強度もあります。
糸の太さを表す単位、「番手」は数字が大きくなるほど細い糸であることを示すのですが、フィラガンは120番手ほど。
とにかく細く、薄い布地にも使用できます。(普通地用が50-60番手)
リュネビル刺繍に最も適した糸で、本場パリの刺繍工房でも使われています。
この糸をリュネビル刺繍で使う場合には、糸巻きのまま使います。
極細のフィラガンは、極細のビーズ針にも入れやすいので普通のビーズ刺繍にも役立つ糸です。
細い糸は表から目立ちにくく、出来栄えも良くなります。
また、刺繍以外にパッチワーク愛好家にも親しまれています。
フィラガンを使って、リュネビル刺繍で描いた鳥さん♪
フィラガンの糸色の選び方
フィラガンの色は、基本的には材料の色に合わせます。
但し、元々フィラガンには紫色が無い為、紫系の材料には、ライトグレーやミディアムグレーなどの色を合わせて使います。
それ以外でも、ちょうど合う色が無い場合には、グレーやエクリュ(生成り色)を代用するのがおすすめです。
ちなみに、迷いがちな糸色ですが、【小さな手芸屋さん】では、スパンコールやビーズなど各商品ページに、材料の色に合わせた刺繍糸の色の紹介をしています。
よろしければ、ぜひご参照下さい。
フィラガンのおじさん?
フィラガンは、フランス製の糸なのですが、そのパッケージに描かれているのは・・・「中国人のおじさん」!
この「中国人のおじさん」は世界的にファンの多い名物デザインです。
レトロな感じのする緻密な絵柄が手芸好きの乙女心をくすぐります。
フィラガンを作っているメーカーの設立は1800年代のフランスに遡ります。
当時ヨーロッパでは「シノワズリ(東洋趣味)」が流行していたため、このおじさんマークが生み出されたそうです。
由緒正しい歴史のある可愛いおじさんなのです。
便利な使い方
今までとは逆に、あえて材料の色とは違う糸色を選んで使う事もあります。
例えば、無色透明なビーズに色付きのフィラガンを使うと、糸の色が柔らかく発色して、ペールトーンのビーズのように見えます。
また、ビーズの色を少し濃く見せたいときなどは、同色よりも濃い色のフィラガンを使用するといいでしょう。
糸の色を変える事によって、同じビーズでも細かなニュアンスを変化させる事が可能になります。
意外な使い道
フィラガン、私たちは専ら刺繍糸に使うばかりですが、実は意外な使い道もあるそうです。
●ボビンレース
ボビンレースと言えば、繊細な模様でお馴染み。
ボビンと呼ばれる糸巻きを使って、模様を織り込んでいくのですが、フィラガンも使って頂けるそうです。
リュネビル刺繍も、元々はレースから派生した技術なので、納得です。
●オーボエのリード
楽器のオーボエ、リードと呼ばれる吹き口の部分は糸が巻かれているのですが、リード専用の糸ではなく、フィラガンも使えるそうです。
糸の種類によって、音色も変わるそうですが、フィラガンの場合はどのような音色になるのか、気になるところです♪
番外編:透明糸
【小さな手芸屋さん】では、様々な色のフィラガンを取り揃えていますが、どうしても色が合わない時や、出来上がりが気に入らない時には、無色透明の糸を使うと良いかもしれません。
「フィラガン」でお馴染みの、おじさんマークには、透明糸「fil invisible」もあります。
この糸もフィラガンと同じように、リュネビル刺繍やビーズ刺繍用の刺繍糸として使えます。
透明な材料の質感を大事にしたいとき、この透明糸を使うと縫い目が目立たなくなります。
また、糸の色合わせが難しい材料にも最適です。
コットンの糸よりも強度があるため、引っかかりが気になる立体的な刺繍テクニックにもおすすめです。
ちょっと珍しいフランスの糸、フィラガン。
リュネビル刺繍やビーズ刺繍の際には、ぜひフィラガンのご使用をおすすめ致します。
お手持ちのミシン糸などでも出来ますが、糸の質的に、特に初心者の方にはフィラガンの方がやりやすいでしょう。
もちろん、刺繍だけでなく、パッチワーク、レース、裁縫にと便利にご活用頂けます。
よろしければ、一度お試し下さいませ。綺麗に仕上がります✨
フィラガンは、【 小さな手芸屋さん 】で各色お求め頂けます。
【 小さな手芸屋さん 】では、その他にも、本場パリで使われているフランス製スパンコールや、色とりどりのチェコシードビーズなど、日本では手に入れにくいめずらしいものを揃えています。
ぜひ、ご覧くださいませ。
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