茄子を焼いている
茄子を焼いている。
今日は何を書こうか考えている。
じわじわと、茄子の質感が変わっていく。
中止になってしまったライブのことを考える。
もう二度と、あの空間で起こるはずだったことは起きない。
ごま油の香りが回っていく。
中止になってしまったライブは
私の中でどんどん期待値が上がっていく。
とても楽しかっただろうな、と。
端の方の、色の変わっていない茄子を移動させる。
外は大荒れ。風がドアを鳴らす。
ひっくり返すと、いい焼き目がついているものもちらほら。
せめてやるはずだった曲を公開してくれないかしら、と思う。
そのセットリストで、ライブを再現するというのはどうかしら。
野暮な考えだろうか。
ほぼすべての茄子の質感が変わった。しなしなジューシー。
静かにあきらめがついていない自分がいて、窓の外は荒れ狂っている。
どうして、茄子は焼いただけでこんなにおいしいのかしら。
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