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真逆な感想と感性

わたしの彼は映画好きだ。

わたしもそれなりには映画好きだと思っていたけれど、彼の前でそれを言うのは高慢では?と思うくらい彼は様々な映画を観てる。

そんな彼と付き合い今年で3年。

いろいろな映画やドラマを共に観て来たと思う。

だからわたしは「この映画はきっとこのように作られているのかも」くらいは考えながら観ることができていると思っていたし、その考察通りに感情も表せると思っていた。


先日、あるジャズ漫画のアニメ映画を観に行った。
2人とも予備知識はゼロ、ただ「音楽が好き」という気持ちだけで行った。

わたしの正直な感想は、
「話が長い、ありがちな話だな、そして現実的ではないかもしれない。でも演奏は素敵だな。」
だった。

むしろ早く終わってくれ〜〜と思っていた節もあった。

だから上映が終わった後、彼もきっと「あんまりだったね」とか言うのかなぁって思っていた。

無言で席を立ち、その流れでエレベーターに乗る。

そこでやっと私は彼に
「どうだった?」と聞き、彼の方を向く。

彼の目は真っ赤で。

「本当に素晴らしかった。ストーリーも映像技術も何もかも素晴らしくて、本当に見てよかった。これを超えるものはしばらくないかもしれない。思い出すだけで泣きそう」

と言った。


正直驚いた。絶対に「あんまりだね」と言うと思っていたのに。
全く真逆の感想だった。

帰りの車で感想をたくさん語った。
彼はわたしより遥かに作品と、製作者の意図まで考えていて浅はかに「つまらん」と決めつけた自分を恥ずかしく思った。

でも自分の感性はちゃんと大事にはしたい。

そして「ああ、だからか」と気づく。

わたしは彼のこの繊細な感受性が豊かなところに惹かれたのだと。

自分より物事に対していろんな視点で見ることができるところが好きなのだと。

たまに「同じにならなきゃ!」とか思ったりしていたけれど、同じじゃつまらない。違うからいいんだと再確認できた。

彼からしたらわたしの感想は中身がなくて、つまらないかもしれない。

でもわたしは彼の感想を聞くのが好きだから、これからもたくさん映画をみて、たくさん感想を言い合っていきたいな。

そう思わせてくれたあの映画に感謝したい。ありがとう。

もっと言葉のレパートリーを増やしたいなあ〜
そしたら感想会がもっと楽しいものになるだろうな。




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