物語【絶望からの脱出】第十一話
「太洋!!」
優里はそう言って僕の身体を押した。僕はのけぞりその場に倒れた。
「キャー!!」
多くの人の叫び声が聞こえる。
「な、、、なんだあれ。」そう言った青年は青ざめている。
「イ。ル。コカキウリ。」その黒い生物は言葉の様なものを発した。
優里!
優里は額から血を流している。
「逃げろ!みんな森の外へ逃げるんだ!」
優里がそう言った瞬間、皆んな森の外へ向かって走り出した。
皆が一斉に走り出したことで、黒い生物は誰を追いかけていいか戸惑っている。
「こっちだ!」優里が挑発する。
夏陽逃げろ!
「でも。。。」
優里を置いて行けない!
「。。。」
頼む!
「。。。分かった!気をつけてね。」
パールと皆んなを頼んだ!
「うん。」
目の前で優里と黒い生物は睨み合っていた。
たしかに虫のように見えるな。
身長は2メートルを超え、身体は黒く光を帯びている。手足の様なものが6本生えて、目は赤黒く、触覚もあって虫の様だ。
「カ。サ。ルルキ。」
「太洋!逃げるんだ!」
嫌だ!お前を置いてはいけない。二人で何とかするんだ!
「何とかするって。。。逃げるしかないだろうが。」
虫の様な宇宙人は今にも優里に飛びかかりそうだ。僕は足元にあった石を投げつけた。
こっちだ!こっちに来い!
僕はそう叫び森の奥へ誘導しようとした。
「ギャー!!!ギュルギュ!!」宇宙人が高周波の音を発した。
僕たちは思わず耳を塞ぐ。
!?
「くっ。。。」
「仲間が居たのか。。。」
森の奥からさらに5人の宇宙人が現れた。
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