見出し画像

物語【絶望からの脱出】第一話

前回までのあらすじ

僕と幼馴染の夏陽なつひ、それと愛犬のパールは地球に隕石が落ちると予言された日の前日、父さん達が準備してくれていた家の地下のシェルターに避難した。「何事もなければシェルターのドアを開ける。」そう言った父さんとの連絡が途絶えてから半年、食料や飲み物が尽きかけ、死を覚悟した矢先、それまでまったく繋がらなかったスマホに着信があった。その相手は、阿久根優里あくね ゆうり、僕の友人だった。「生きていたら、また会おう。」と約束を交わし別れた優里。僕は状況が飲み込めず混乱した。もしかしたら、父さん達も生きているのか。シェルターの外はどうなっている。。。


2時間後、優里ゆうりが迎えに来た。


太洋たいよう!!どこだ!無事か!!」遠くの方で微かに声が聞こえる。


優里!ここだ!!



僕はドアを叩きながら必死に叫んだ。


しばらくするとシェルターのドアが開く。


優里!!生きてたのか!!


「あぁ。お前も。。良かった。。。」優里は息を切らしながら言った。


「その子は?」


あぁ。幼馴染みの伊賀咲夏陽いがさき なつひ


夏陽は優里に向かって頭を下げている。


「そうか。」


「ワン!」


「おっ。パール。お前も無事だったか。」そう言って優里はパールの頭を撫でた。


父さん達は!?


「。。。分からない。。。上にはいなかった。」


僕は慌てて優里の脇をすり抜けシェルターの外に飛び出した。


階段を駆け上がり見た光景。。。。


驚いた事に我が家は半年前の状態のまま残っていた。


うしろから夏陽と優里、夏陽に抱かれたパールも上がってきた。


優里これって。。。隕石は。。。。どうなったんだ!なぜ、父さん達はいない。。。


僕は混乱して、優里に詰め寄っていた。


「隕石は落ちなかったんだ。。。いや。。。隕石の方がマシだったかも。。。最悪。。。」


そう言った優里からは悲壮感を感じた。


外には一台の軍用車が停まっている。


僕らは優里に促され、軍用車の後部座席に座った。



この記事が参加している募集

これからも書き続ける原動力としていきます!