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物語【絶望への秒読み】第五話

"パール"は13歳になる雌のトイプードルで、人間で言ったら70歳くらいかな。おばあちゃんによく懐いていて、今では本当のおばあちゃんみたいに家族を見守っている。おばあちゃんが亡くなった時も僕はパールに慰められて、最近やっと立ち直ることができた。



少し面食らってリビングへ行くと、ふだんと変わらない母さんがそこにいた。


「おかえりー。」


父さんは?


「いるよ。」


何してるの?


「これからコーヒーいれるとこ。一緒に飲む?」


母さん!コーヒーなんて飲んでる場合じゃないよ!


ふだん両親の前ではボソボソ喋る僕が、声を荒げたことに母さんは少し驚いた様子だった。

こういった緊急時に落ち着いている両親を僕はつくづく尊敬する。


「おかえり。」


父さんもいつもの調子で挨拶してくる。


父さん!知ってるでしょ!明日!


「あぁ、隕石な。」


知ってるなら



「隕石が落ちたら何処へ逃げても一緒だろ?」


でも



「まぁ、落ち着け。とりあえずコーヒーでも飲みながら話そう。」


コーヒーなんて飲んでる場合じゃ!




「以前から知っていたんだ。隕石が落ちる事。」


僕は父さんの言葉に一瞬耳を疑った。


えっ、、、?、、知っていたっ、、、知っていたってどういう、、、こと?



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