見出し画像

物語【絶望への秒読み】第六話

明日、隕石が落ちることを父さんはかなり前から知っていた。

「厳密に言うと正確な日時、どの辺りに落ちるかまでは分からなかった。」

それから聞いた父さんの話は信じられない内容で、まるで作り話のように聞こえた


十数年前のある日、世界中の一部の家庭にある手紙が届いた。そこには「数年後、地球に隕石が衝突する」と書かれていた。最初は信じていなかったが、その後手紙の中に書かれていた災害や紛争が現実に起きたことにより、両親は信じ始めた。

父さんは話が終わるとその手紙を見せてくれた。近年起きた様々な災害や事故、紛争について書かれている。


僕の頭に"予言"という言葉が思い浮かび、背筋が冷たくなるのを感じた。




「もうすぐ伊賀咲いがさき君も来る頃かな。」時計を見ながら父さんが言った。


「そうね。伊賀咲さんはあなたと違って時間にきっちりしてるから。」



伊賀咲。。。夏陽なつひ


伊賀咲家は僕が小学校低学年の時にこの町に引越して来た。父さんと夏陽の父親の職場が一緒で、家によく遊びに来ていた。夏陽は内気な女の子で友達をつくるのが苦手なようだった。


ふだん元気のない夏陽が我が家に遊びに来ると元気になる。当時、夏陽の父親がそんな事を言っていたことを思い出した。



この記事が参加している募集

#私の作品紹介

96,076件

#AIとやってみた

27,472件

これからも書き続ける原動力としていきます!