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イランに行ってみたら案外暮らしやすいと思った件。①【再掲】


 私は2019年の8月より1ヶ月程の期間、イラン第二の都市イスファハンにあるイスファハン大学というところで短期留学をした。

 その当時は、アメリカ・トランプ前大統領によるイラン核合意からの離脱発表をうけ、アメリカとイランの関係性がさらに険悪になっていた状況であった。その上、いつ渡航危険レベルが上がってもおかしくない状況であったが故、街に出る際にも身の安全を確保した上で行動するように大学側からも口酸っぱく言われてきた。

 しかし、正直なところ危険な目に遭う機会というのは全くなかった。反対に、イランの方々は皆優しかった。日本人だと伝えると、「おしん、おしん!」とニコニコ話しかけてくれる立派な髭を蓄えたおじいさんや私と一緒に行動していた学生に連絡先教えてとしつこかったハンサムボーイなど、個性はあるが、皆親切にしてくださった。強いて言えば地下鉄内での写真撮影を髭面の屈強な現地の男性2名に止められたことだけだ。(イラン国内におけるシャリーア法では、地下鉄や空港など主要交通機関や行政施設等での写真・動画撮影を禁止している。違反した場合は逮捕され、年単位の刑務所行きらしい、、)

 これまで生活してきた日本とは全く違う文化に触れ、そして様々な人との交流を踏まえ、イランでの経験はとても有意義なものだったと振り返る。

 まずそもそも、イラン国内で用いられる言語はペルシア語というものである。今現在、ペルシア語を学べるのは東京外国語大学、大阪大学、そして中央大学などといったごく僅かな教育機関に限られる。

 そんなマイナー言語を学びたいと思ったきっかけはまた後々話すとして、何をもって過ごしやすいと思ったのか。

 それは食事の面である。
 根本として、イランの物価はえげつないほどに安い。例えば、当時よく利用していた大学内の食堂で提供されるランチメニューはこんな感じ。

ある日の昼食。
羊肉の煮込み、サフランライス、漬物。
シンプルイズベスト。

 少々汚いようではあるが、衛生管理はしっかりしている。一見量が少ないようにも見えるが、まあまあなボリュームがあり、私自身ギリギリ食べ切れたものだった。しっかりとした量があって、お値段なんと日本円で250円!
 学食だからと侮るなかれ、これ以上のクオリティ、もしくは市街地のレストランで食事をしたとしても、基本一食ワンコイン以下で食べられるというのである。

 現地での食事はイスラム圏ということもあり、豚は基本出て来ず、その代わりに羊やヤギの肉を多く用いる。加えて、アジア特有のスパイス強めな料理は少ないような気もした。滞在中、私は『羊の脳みそ』の煮込みを食べたのだが、案外臭みもなく美味しく食べられた。屠畜の技術もあるんだなぁと呑気に食べながら考えていた。

 野菜も多く出ており、栄養バランスに困ることは一切なかった。逆にご飯が美味しすぎて太って帰国したくらいである笑。

イランのおしゃカフェに入って頼んだメニュー。
鶏?羊?のトマト煮、ご飯。これで750円程。
当時、正規の通貨レートよりもイランリヤルが
安かったこともあり、現地で生活する中で
困ることはほぼ無く、食は大変充実していた。


上のようなオシャレランチも食べられるため、
訪れる分には是非ともお勧めしたい。
しかし、イラン国内の情勢が安定していないこともあり、その当時の平和な街を楽しみたいという方はあと2,3年ほど我慢してもらうこととなるだろう。

度々、イランに帰りたいと思う作者であった。


続く。

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