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「ザ・コピーライティング」 - 効果的にモノを売るものの伝え方【読書感想】

広報という仕事柄、コピーライティングの勉強をしたいなぁとTwitterで呟いたところ、ゲーム仲間に本作品を教えていただいたので、感謝の気持ちを伝えつつ感想文という形で還元したい。

この本を読むべき人
✔︎広報の仕事に就いている人
✔︎言葉をどう伝えれば効果的なのか知りたい人
✔︎人の心を動かす術を知りたい人

著者に関して

「私がピアノの前に座るとみんなが笑いました。でも弾き始めると-ー!」というコピーを聞いたことがある人もいるのではないか。
本書の著者ジョン・ケープルズは、1900〜1990年を生きたコピーライター。58年間広告業界で働き、どの広告が効果的か、どのように伝えれば訴求効果が高いかを分析し続けた。当時としては画期的だったその手法は、Web広告が全盛である現在も健在だ。本書籍がその集大成と言っても過言ではない。

本の概要

全431ページある本作、構成自体は終始シンプルなもので、大枠で三つある。
①広告文の効果的な見せ方
②実際の広告例
③テスト方法


①は、広告を打つ際、コピーとして商品のどの情報をどのように広告上に載せるかの説明。
②は、当時の新聞の広告を中心に実例を挙げる。
③は、広告の効果のテスト方法について。

自身が特に感銘を受けた項目ということもあり、本noteでは①に重点を置いて感想を綴っていく。

”効く”広告コピーの作り方

優れたコピーを構成する要素として、5つのルールが提唱されている。
①得になる情報の提示
→その商品を購入して客にどのような効用があるかを分かりやすく提示する。
 ex.)こうして私はひと晩で記憶力がアップしました。
②新情報の提示
→読み手が今まで知らなかったことを教え、購買促進する。
 ex.)お知らせします。在宅ワークで稼ぐ新しい仕組み
③好奇心をくすぐるだけでは終わらせない
→詩的なコピーであったり、なるほどと膝を打つようなコピーは芸術的に優れていても、その商品が欲しいとはなりづらい。①、②と組み合わせて効果を発揮させる。
④明るい面、プラス面から見て書く
→商品のマイナス面は見せない。
⑤手っ取り早く簡単に
→欲しいものが手に入れられる方法があることを伝える。購買理由を簡潔に。

この5項目を捕捉するために本書があるのではないかと思うくらい、本作の肝になる要素である。
消費者としてコピーを見る際、「あ、これ買いたい!」と感じるものは上記のルールに則っているのではないか。

人類総発信者時代に向けての基礎形成 - 感想

この本は広告業界における先人のトライアンドエラーの結果、得られたノウハウを凝縮したものであると言える。それを至極分かりやすく手法を提示してくれている。Webマーケティングが全盛の今であっても、言葉の力というものは普遍だ。SNSの普及により、老若男女デバイスさえあれば発信者として活動ができる。これからの時代は、人のこころを大きく動かせられる(=エモさでバズらせられる)人が注目を集める時代になるだろう。その時代のイニシアチブを取りたい人向けに、必読の一冊となるだろう。





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