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患者からして、良い医師の条件とは?



良い医師の条件とは?


 良い医師ってそもそも何なのか考えてみると、貴方が健康になって、かつ幸せな気分になれる事ですよね。

 そして、病院に行く事を考えているということは、貴方が何らかの健康の心配事を抱えている訳です。なので、健康になって(もしくは健康であることを証明して)幸せな気分にしてくれる医師を、ここでは良い医師と定義したいと思います。

良い医師の条件って三つの要素に分解できるんですね。

• コミュニケーション

• 診断

• 治療

 どこの世界にもコミュ障はいますけど、医師の世界にもコミュ障はいます。むしろ多いかもしれない。知人の話だけれども、転職してある科にいって面接を受けたときに、採用の事務さんから「久しぶりに普通に話ができる医師が来た!」とか言われたとか何とか。

 診断が的確というのは、ある程度の経験年数と勤勉さが大事。毎年のようにアップデートされる診療ガイドラインをfollowするだけで大変なので。それと論理的思考。

 治療が的確というのはいくつかの要素に分かれます。薬、運動、食事、手術、それらを金銭を含めた貴方にあったスタイルを提案してくれるかどうか。これは論理的思考だけではダメで、共感力も大事。北野唯我さんの言うところの「凡人の共感力」がないと、病気を治療する正解は提示できるけれど、貴方にあったスタイルで提案しないと、結局のところ問題は解決しません。「毎朝、早歩きで1万歩歩いてください」と子育て中のお母さんに言っても無理でしょ?

 手術に関しては、戦術をどのようにするかという事前準備と、その腕を必要とします。もちろん診断があっていることが前提だけど。ドラマで言うと大門未知子ですね。このタイプの医師を見つけるのは困難なので、優秀なかかりつけ医を持って、このような天才につなげてもらいましょう。このことは後述します。

医学部入試は医師の適正試験ではない

 先ほどの三つの要素の中で、大学入学試験で問われるのは知識と論理的思考のみ。なので、先ほどの三つの要素では、診断と治療の論理的思考の部分のみなんですね。

 手先の器用さは関係ないし、ましてはコミュニケーションの上手さや共感力を問うている訳でもない。学生時代の成績が良ければ良い医者という訳ではありません。

 最近になって面接でコミュニケーションを判断する大学もあるけど、結局評価する医師がそもそもコミュ障教授だったりするので、大いに疑問。

 この三つが全て出来る医師はそうそういません。手術が上手い人が、診断をキッチリ出来るわけではないです。だって、簡単な手術だなと思ったら手術を勧めたくなるバイアスって、医師でなくてもわかるでしょ。ここで商品を売っておいたら今期の成績が良くなるかもなという営業マンのような気持ちになるかもしれない。病院の世界も、どれくらい売り上げたかというのがジョブディスクリプションだったりするところもあり、かつ手術が一番儲かるので、悪魔のささやきがないとも言えない。それもあって、診断をきっちりする医師と、手術をする医師はできるだけ分けたほうがいいです。

 これらのことから、少なくとも全二者、すなわち、コミュニケーションがとりやすくて、しっかり診断が出来る医師をかかりつけにする事が重要なんです。そのような優秀な医師は、誰が手術が上手であるかもよく知っているので、その医師から優秀な外科医を紹介してもらいましょう。

良い医師を見つけるパワーワード

 早速そのパワーワードをお話しします。

「今日来られなかった他の家族とも共有したいので、説明を録音しても良いですか?」

 コレで拒否してきたり、渋々の反応をされる場合は、その後の説明は適当に聞き流して大丈夫です。関わりを今後持つのを避けたほうが無難でしょう。

 何でコレで良い医師が見分けられるかというと、良い医師というのは、しっかりと勉強をしているので、疾患に関するあらゆる知識がある事と、その知識を患者さんに伝えたいと思っているからです。そして、何より自分の臨床力に自信を持っている。

 もう一つが、「今日来られなかった他の家族とも共有したい」の部分が大事なんです。この患者さんの家族は真摯に病気と向き合ってくれそうだと分かるんですね。よく現場であるのが、手術を含めて、全て段取りが決まってから、東京にいる娘が突然やってきて大どんでん返ししてひっくり返すパターン。そういう人に限って日頃親の面倒を全くみてないんですよねー。普段世話をしてくれている義理の嫁さんのイラッとする表情までがセットになってます。

パワーワードですり抜ける問題

 パワーワードでもすり抜ける問題というのがあって、それは、できないのに自己評価がやたらと高い医師は、録音というパワーワードでもすり抜けてしまうんですね。自分ができてない事を分かってないので。このような医師はサイコパス系の医師が多いので、雰囲気で分かるかもしれませんが、これに対しては、ちょっとしたコツがあります。

 それは、「分からない事をちゃんと分からないと言えるかどうか」、です。
医師も人間なので、全てを把握している訳ではないです。例えば社会保障制度とか、専門外の漢方薬とか。そのような専門外の事を、ふと投げてみて反応を見てみましょう。優秀な医師だと、「知らないのでここで調べても良いですか?」だったり、「医療費に関しては専門家がいるのでお呼びしましょうか」などの返答が得られます。目を泳がせながらテキトーに返事してくる感触があると、ちょっと怪しいかもしれません。

まとめ

 以上、良い医師の条件について話してみました。そうそう、セカンドオピニオンを求めた時に、迅速に快く対応してくれる医師も良い医師の可能性はありますね。患者さんが良くなればいいわけで、必ずしもそれが自分の治療によってではなくても良いからです。相性というのもあるので、何か医師に対し「違和感」を感じたら、セカンドオピニオンを躊躇しないことをお勧めします!

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