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【海外ニュース】GreenBiz 23(環境系の大きなイベント)で基調講演をさせて頂きましたので、レポートします。

2/14-16 米国アリゾナ州スコッツデールで開催された環境系の大きなイベント『GreenBiz 23』に創業者のケンタロウ・カワモリが基調講演をさせて頂きました。

ちなみにGreenBizとは、サステナビリティ専門の大手メディアです。

本日は、気候変動業界における主要なイベントの1つである『GreenBiz 23』からケンタロウ•カワモリが得られた重要なポイントや、今後の展望を Q&A形式でお送りします。

アリゾナ州 スコッツディールはこの辺↑

Q: 今年のGreenBizカンファレンスで、一番注目されていた話題はなんでしょうか?

A: 多くの人が開示規制の遵守について話題にしていましたね。今一番身近なトピックですし、イベントに参加した人たちがまさに今これから対応を迫られている問題だからです。しかもまだ不透明な部分が多いというのも話題性を高めている要因ですね。

話題の中心は、SEC(米国証券取引委員会)の規制だけではありませんでした。CSRD(企業サステナビリティ報告指令)が米国へ与えうる影響や、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)・IOSCO(証券監督者国際機構)の直近の動向もそうです。その文脈で言うと、パーセフォニのエミリー・ピアースが、ちょうど今(カナダの)モントリオールで開催されているIFRS(国際会計基準)の重要な会議に出席中です。彼女が現地で得た生の情報はパーセフォニのプロダクト・サービス、ひいてはお客様に還元されます。我々のお客様の中には、米連邦準備理事会(FRB)が9月に発表を予定している規制に対応を迫られている企業や、米国財務省・金融保険局が10月に予定している提案に影響を受ける企業がいらっしゃるので、最新の開示規制動向に対応するのはパーセフォニにとって非常に大切なことなのです。

あと、イベント会場で私やパーセフォニのスタッフがよく受けた質問としては、カリフォルニア州の気候法案であるSB253やSB261、そして、GSA(米国調達庁)が推進する”FAR(連邦調達規則)イニシアティブ”、それから、今、ボランタリー(自主的な)排出量取引市場は10億ドル(約1300億円)に膨らんでいますが、米商品先物取引委員会のメスが入るかどうか、といったことも大きな話題になっていました。

今あげた話題はどれも米国内のものですが、ビジネスという視点ではよりグローバルな規制動向を考慮する必要がありますね。SECの規制を始め、米国でこれから起こるであろう数々の気候規制は、それぞれとても意味があるものです。一方で、より俯瞰で見てみると、それらが一体となって世界の気候規制の大きな潮流を後押しし、より強固なもにしていくのが分かります。つまり、グローバルでビジネスをしている企業にとっては、気候変動情報の開示規制への対応は早ければ早い方が良い、という結論が導き出せるのではないでしょうか。

Q: 気候情報の開示規制は益々広がっています。この状況は将来的に何を意味するでしょうか?

A: 開示報告業務に使えるテクノロジーやツールが益々発展していくでしょう。その発展はネットワーク効果(ネットワーク外部性)をもたらし、今ある開示業務の複雑性は段階的に解消されていきます。
デロイトが最近公表した調査結果によると、全米の上場企業のうち99%がESG開示報告のための何らかのツールやテクノロジーを今後導入する予定であるとのことです。同じテーマでの他の調査結果も考慮すると、このような傾向は米国だけではなくグローバル規模であることが分かります。

過去10年で、CSO(最高サステナブル責任者)という新しい役職を設ける企業が急増しましたが、気候管理ツールもそれと同じ道をたどるでしょう。企業における気候変動のリスク管理、開示報告は、一つのツールでまとめて運営されることになるでしょうね。しかしそれはもう少し先の話です。今は、規制が広がりつつある、企業の気候情報管理の黎明期です。まとまりのない状況はしばらく続きそうです。

余談になりますが、最近、少なくない数の企業・組織が、カーボンニュートラル宣言を公表していますが、それに付随する経費(コスト)を計算に含めている企業はどれくらいあるでしょう?決して多くないと想像します。例えばそのようなコストもパーセフォニのような気候管理・炭素会計プラットフォーム(CMAP)を利用すれば算定でき、カーボンニュートラル計画に含められます。ですから、我々が提供しているようなツールが普及すればするほど、カーボンニュートラル宣言を再検討、再設定する企業が多くなるとも予想しています。

Q: GreenBiz23に参加した、各社CSO(最高サステナビリティ責任者)からよく聞かれた意見として、彼らの意見が組織の中でより求められるようになってきた、というのがありました。取締役会や、CFO(最高財務責任者)、CEO(最高経営責任者)との話し合いに呼び出されることが多くなったと。彼ら(CSO)に対して、何かアドバイスをお願いします。

A: 何よりも大切なこととして、取締役会とのコミュニケーション術を学ぶことを強くおすすめします。平凡なアドバイスに聞こえるかもしれませんが、この部分は強調しすぎることはありません。学べば誰でも身につけられるスキルですが、逆に言うと、能動的に学ばないと身につけられないスキルなのです。私は前職(大手エネルギー会社のCDO)で必要に駆られてこのスキルを身につけました。取締役会とのコミュニケーションがうまくいかないと、折角のCSOの知見が何の役にも立たないことにもなりかねません。

具体期には、取締役会を動かすトリガーを見極めることが大切です。パーセフォニはこれまで数多くの企業の取締役会と対話を重ねてきましたが、そのトリガーが、”サステナビリティ戦略が原因で生じる資本調達の機会とリスク”であることが少なくありませんでした。とはいえ、企業が属している産業や地域によって当然トリガーは変わってきますが。

この件に関して、もし詳しくお知りになられたい企業担当者はパーセフォニに是非個別にご相談ください。現在、パーセフォニを導入している企業は19カ国にまたがっています。また、NAIC(北米産業分類システム)全20業種のうち、19の業種に属する企業がパーセフォニを利用しています。そういう意味で、様々な生きた事例を元にお役に立てると思います。

エンタープライズ・ソフトウェアは、サステナビリティ以前の多くの企業でそうであったように、複雑さを軽減し、透明性を高め、効率性を向上させるのに役立ちます。 また、Bain & Co.、Deloitte、PwC、Workivaなどのパートナー企業とも重要な関係を築いており、ここで見識や人脈を共有することができます。

Q: GreenBiz23に参加して、あなた自身が学んだことは何ですか?

A: GreenBiz23のような大規模なイベントに参加して、コロナ禍で失われていた、人との直接的な繋がりの大切さを感じましたね。この体験はリモートでは実現できません。このような直接的な繋がりが、ものすごく力強い推進力になることを感じました。立ち上げから、今の規模に成長するまでの殆どの期間をコロナ禍のリモートワークを軸に行ってきたパーセフォニだからこそ、特に身に染みて感じます。

私の同僚(パーセフォニの一員)であるクリスティーナ・ワイアットは、そのことを実感として語っていましたよ:「私が登壇したSEC(米国証券取引委員会)パネルディスカッションの反響がすごかったです。その後に会場を歩いていると、3メートルごとに誰かから話しかけられてなかなか前に進めなかったくらいです」と。

こんなことはリモートでは起こり得ませんよね。こういった人と人との直接的な繋がりは、(サステナビリティ)業界内の情報交換にとても役に立つんですが、恩恵はそれだけではありません。サステナビリティに関する問題や障壁に対して、一致団結して立ち向かっていこうという勇気も湧いてくるんですよ。取り扱っているサービスや専門性はそれぞれ違えど、大きな(サステナビリティ)コミュニティの一員なんだということが実感できるんです。このコミュニティは今どんどん成長しており、そして世界に変化をもたらしています。自らのニッチな分野で活躍することがよりよい良い社会に繋がっていくことがイメージできます。


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いかがでしたでしょうか。海外の規制の流れが日本には1.5年から2年後に訪れると言われていますが、最近感じるのはそのスピードが増していることです。『ウチはまだ大丈夫。規制がかかってからやりますよ。』の精神は危うい結果を生むかもしれません。なぜなら、自社の排出量を知るために、膨大なデータを集める必要があり、どのくらい時間とリソースが必要なのか理解していないかもしれないからです。

次回は企業のGHG排出量の『算定・報告・公表』にかかるコストはいったいいくら?について語りたいと思います。

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