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コロナ発症の備忘録

4月22日(金)

年長の娘がMRとおたふくの予防接種を受けた。
接種後15分間、予防接種の副反応は見られず家に帰った。
ところが、お風呂上がりの夜21時頃、
「(肩あたりを指差し)ここから心臓が飛び出そうなくらいドキドキする」
「顔の半分が割れそうなくらい頭ガンガンする」
と、なかなか巧みな表現で症状を訴えてきた。
熱を計ってみると38.0℃くらいだったと思う。記録していなくて正確には覚えていない。

これは予防接種の副反応か?
それとももしや…。
園では3月上旬に30名ほどの感染者を出して全面休園となって以来、常に園内に2〜3名の陽性者や濃厚接触者がいる状態が続いていた。
仕事は調整して、園でのイベントなど、縦割り保育があるような日で休める日はなるべく休ませるよう対策を取り、休園中も濃厚接触者への該当は免れるなど、
ここまではどうにか耐えてきたのだけれど…。

とりあえず、家にあったカロナールを飲ませて寝かせるが、なかなかしんどそう。明け方に少し眠れたような感じだった。

4月23日(土)

娘、割と顔色も良いものの首が痛いとの訴え。熱をはかると38.8℃。
かかりつけ医を受診し、抗原検査を受けるとあっさり陽性判定となった。
鼻の中に綿棒を突っ込まれたのがよほどショックなようでしばらく私のことも恨めしい目で見ていたが、お医者さんの神対応で気持ちも復活したよう。
予防接種の影響を聞くと、年長でなかなかこの副反応の出ないので別物の症状だろうということ、コロナを発症したからといって、予防接種をやり直すなどの対応は不要なので安心してね、とのお話があった。

あくまで推測だけれど、娘は今までなんだかんだ感染してたけど発症してなかったところを、
予防接種による免疫低下?あるいは免疫強化?かはわからないけれど、それがトリガーとなって発症したんじゃないかしらとも思った。
素人のぼやきなので、真に受けないでほしいけど、母親の勘ってやつも多少働いている。

こうして噂には聞いていたけれど、
戸惑いの隔離生活がスタートする。
発症から念のため別行動をしていた夫に最後の買い物に行ってもらっていたのと、
最近ハマっていた冷凍のお惣菜がいくつかあったので数日はどうにかなりそう。
県の食糧配布に登録もした。

かかりつけ医にかかったのが10:30頃、
その日の16:30に保健所からSMSが届き、
HER-SYS IDが発行された。

その間、園に連絡すると、
慣れた様子で聞き取りがあり、あっさりと報告が終わった。ちょっと拍子抜け。
しかし数時間後に園長から折返しがあり、開口一番に「申し訳ありません〜」と言われた。
それもそのはずで、園では娘が発症した金曜の時点でクラスを横断して園児5名、職員2名が感染、
娘も人数に加えられた25日(月)に至っては、園児8名、職員3名の陽性が確定し欠席している。濃厚接触による欠席者も含めると更に多い。
3月に休園していた時の人数には及ばないため閉められないのかもしれないが、時期が時期なら結構なクラスター状態だろう。
ただ隔離期間は重なっているとはいえ発症日で見るとバラバラだし、まだ園で蔓延しているとは言い切れないような水準なのだろう。
前例があるというのはある意味で不自由にもなることを目の当たりにした。

SMSにはCOCOAに登録してね、というメッセージが24時間の間に6回も届いたけれど、
調べると子どもとは行動歴が違うので、子どもの分を親の携帯のアプリで登録しなくてよいとのことで、無視し続ける。
無視するのもちょっと心が傷む。

共同生活をしている家族は問答無用で濃厚接触者に該当するらしいが、特に検査はされないらしい。発症すれば病院で診てもらえて検査、または診察によって陽性の診断が出るが、無症状なので宙ぶらりんである。
県が行っているドラッグストアでの無料のPCR検査事業も、濃厚接触者は受けられないし、人里離れたところにありがちなドライブスルー式の有料の検査場も、濃厚接触者はお断りだそう。やはり宙ぶらりんである。
保健所からの連絡もSMSだけということで、具体的な隔離期間も自己判断なのか?よくわからないなぁと首を捻りながらも、一応、ここを見よ、と送られてきた県のページを読み解いたりして過ごしたり、既に感染した知り合いに話を聞いたりして過ごしていた。

娘はやはり処方されたカロナールと、鼻づまり系の薬、麻黄湯をのんで寝たり起きたりを繰り返していた。
夜寝てからは少し長めに寝れた様子。

いいのかはわからないけど、麻黄湯はポカリ割りがお気に入り。

それ以来、とにかくHuluでお気に入りのお笑いをリピートで見続けている。大人は新しいエピソードを見たいと思うけど、子どもは同じエピソードを見たがるので、もう流れや台詞も暗唱できるんじゃないか?というエピソードもある。飽きっぽい大人にはなかなかしんどい。 

4月24日(日)

娘は37.4℃で平熱よりは高いがすっかり元気である。
この時点で大人には変化なし。
暇なのでいつもより細かく風呂掃除をして時間を潰す。
娘も元気だし、どうせ出掛けられないし、ということで、呑気に日曜の昼ビールを楽しんだりもした。

ただ、娘の機嫌はいまいちよろしくない。
この日の昼寝や夜もちょこちょこ起きるのだが、声を掛けても会話はできず、幻覚を見ているような感じ。
そして、金曜から続く症状として、時々悲しくなってメソメソするのも続いていた。これを倦怠感というのかな?と思いHER-SYSに症状を登録していたら、保健所から慌てた様子で電話がかかってきた。
ただ、「全体として快方に向かっていますよね?」と2回ほど念押しして聞かれ、そうですね、と認めると、先方も安心したようだった。


感覚として、5歳児がそんなにちょこちょこメソメソすることは珍しいので、ちょっぴり鬱っぽくなっているかなと思う。
コロナにかかっちゃったからしばらくお休みだよ、と言っても「おたふくの注射のせいだよ」と認めようとしない。
コロナに感染しまいと子どもながらに頑張って手洗い、マスク、消毒など徹底してきただけに、真面目なタイプの娘には信じがたい現実なのかもしれないと思う。

FaceTimeでばぁばとお話すると張り切っていたが、
直前になって「お尻が痛いから」とキャンセルして、ふてくされるように寝た。
ばぁばとは友だちと思っているところがあり、
弱みを見せたくない相手なのかもしれないとも思う。そんなこともめったにないので、ちょっと心配な感じがある。
とはいえ、身体的な変化ではないので、様子を見たいと思う。

4月25日(月)

朝8時頃、娘の体温は37.1℃まで落ちついた。
このまま大人は感染しませんように、発症しませんように、とマスクに消毒、娘と食べ物は分ける、寝室も夫は分けるなどしていたが…
昨晩からちょっと様子がおかしい気がするという夫が体温を計ると37.6℃。
やばい。ついに来たか?
私も体温を測ると平熱である。よかった〜。

しかしこの2時間後に再び計ったところ、
38.0℃ほどになっていた。

ここからは症状の進行が早かった。
発症したため、受診の大義名分を得た夫はいつにない手際のよさで病院に電話をしてPCRの予約を取る。午前中に電話して、詳しい検査時間は折り返して連絡するとのことだった。

折り返しの電話がきた昼頃には、私の喉枯れや関節痛も始まっている。みるみる熱もあがっていくの上がっていくので、子どものカロナールを拝借してのんでみる。あまり効果はなし。
夫も私も軽く問診を受ける。
定期的に海外出張のあった夫は仕事上のベストなタイミングを見計らっていたところ結果としてワクチン打っていない派になっており、
私は他の予防接種でアレルギーが出たことがあるのと、製薬会社の治験担当として勤務経験のある親族の勧めもあって、
しばらくは打ちたくない派だったので、夫婦揃って国民の13%ほどしかいないワクチン未接種者に該当する珍しい存在になってしまっていた。
そのため、問診した看護師さんも耳を疑ったようで、夫と次のようなやり取りがあった。
「ワクチン打ってますか?」
「いえ」
「あー3回目を?」
「いえ」
「…2回目?」
「うーん」
「1回目は打ちました?」
「いや」
「あ…!はい、わかりました!」
この後の私の問診の時には聞き返されることは無かった。

検査時間は14:30と指定され、最初は明日以降の予約になるかも…と言われていた私も、運良く一緒に検査してもらえることになる。
いやしかし、これは検査するまでもなく完全にそうだろうという感じ。
その傍で娘、元気。

こんなに明らかに感染してますけど、検査って必要なの?と思ったけど、
よくよく聞いてみると、県の食糧にしても、
医療保険にしても、
陽性が確定しないと利用できない。
濃厚接触者のまま感染せず、または発症せずに検査できず、の状態が一番損だと言う人がいたが、まさにその通りで、這ってでも検査に行くよね、と思った。

自家用車がある人はいいけど、
どれだけの人が発症後に陽性獲得のために這っていくのかと思うと…
車社会でなかったらと思うとちょっとゾッとする。

指定された時間に病院の駐車場に到着し、
車に乗ったまま、診察券と保険証を袋に入れて渡す。預かり金1人5,000円、計1万円を支払い、問診票を書き、待機。
預かり金は、隔離が終わって病院に行くと返金してもらえるらしい。
電話で順番に問診をするというので待つ。
その間も続々と検査に来た車が駐車場で待機していた。
10分ほどで医師から夫の携帯に電話があり、問診がある。娘が発症してからの経過と、私たちの現在の容態、解熱剤は必要か?というような内容だったかと思う。
問診が終わり、検査カーの近くに誘導され、数日前に娘が受けていた苦痛な検査を夫婦揃って受ける。
夫は鼻腔が広いのか上手いのか一瞬で終わるが、
私はなかなか入っていかないらしく両鼻をぐりぐり。なるべく眉間に皺を寄せないように頑張ってくださーい、と言われたが、無理でした。。

滞在時間20分ほどで検査まで終わり、2人分のカロナールを受け取って帰路につく。
そういえば病院内には一切入れないので、トイレは済ませてから来てくださいといわれて、待ち時間で子どもがトイレって言い出したらどうしよう、と思っていたが、
そんな心配を忘れるほどのスピードだった。
検査結果は翌日の午前中にわかるらしい。

家に戻って、さっきカロナール飲んじゃったしな…と思い、ちょっと時間を置いていたところ、39.5℃まで上昇。
食欲もあまりなく、ゼリーを食べて慌ててカロナールを飲んだ。

この頃、先述した保健所からの娘の容態を聞く電話がかかってくるのだが、
熱と関節痛でそれどころではない。
加えて、最近どうも携帯の調子が良くなく、聞こえたり聞こえなかったりである。
たしか同じ頃に千葉県からの配送を委託されているという配送屋さんからも電話がかかってくるのだが、プツプツ切れながらも5〜6回繋ぎ直して置き配を依頼した。
土曜に娘の分として手配した食糧が届いたのか?と期待したが、
置かれていたのは予想よりずっと小さいA4の封筒で、「宇宙食でも入ってんのかな?」と言いながら開けてみたところ、酸素飽和度を測るパルスオキシメータが入っていた。
県からレンタル品として送られてきたもので、
そういえば毎日健康観察する際に入力する欄がある。
大人は測ってみるが2人とも99%で正常。
娘の数値は感知できなかった。

高熱と痛みでほぼ役立たずの私。
娘のご飯は夫のファインプレーというのか、火事場のなんとやら的なコロナハイというのか、
しっかり作ってくれており、なんとかなった。
でも夫も「脚が取れそうに痛い」というので、19時に家族揃って寝た。

しかしすっかり解熱している娘が、やはり夜になると熟睡できずに半分寝ぼけながら暴れている。1時間に1回起きては暑い、寒いを繰り返し、脚に違和感があるのかずっとバタバタさせている。

私も骨盤あたりのスイッチを押せば全身がバラバラになるんじゃないか?という痛みがありうまく眠れない。
この感じどこかで、と思ったら、
陣痛の最初の頃に似ているような気がした。

そんなこんなで誰も熟睡できない長い夜は続き、
朝がきて夫も私もほっとしたのだった。

それにしても、感染したとわかってもそこそこ冷静な自分がいるのは意外である。
仕事の連絡や、普段つながりのあるLINEやInstagramは見ないようにしているが、
こうしてnote書いちゃってるだけの気力というか客観的なところがあるのは、なんだろう。
記録を残しておかねばというある種の執念なのかしら?
次回に続く。

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