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「ありがとう。」という言葉だけじゃ伝え切れないんだよ

本日3月13日は私の大切で大好きな息子、ヨツユビハリネズミのおもちの一周忌だ。


くったりおもちゃん。可愛いね。


もう、あの日から一年も経ってしまったんだね。

あの日は午前中よく晴れていたのに、夕方から急に雹が降り始めるような不安定な天気だった。


夕飯前、いつものように投薬のために起こそうと思ってハウスを覗くともう息をしていない身体がそこに横たわっていた。


ずっと下痢が治らなくて週一の通院、毎日の投薬が続いていた。
全身麻酔での精密検査もしたけれど、原因は見つからず。

同時に心臓弁膜症と白内障も患っていて、年齢も5歳9ヶ月と7日。
3歳が一つの山だと言われているハリネズミにとっては、この歳はかなりの大往生。

正直もう長くはないということは頭では理解していたし、いつこの世から旅立ってもいいように、なるべく彼と共に過ごせる時間を作っていた。

それでも、亡骸を見つけたあの瞬間はどんな言葉にも表す事ができないほどの絶望感でいっぱいだった。

「なんで?」

この三文字がずっと頭の中でぐるぐる廻り続けた。

見つけた時はまだほんのり温かくやわらかかった肉体も、次第に硬く冷たくなり始め、元気だった頃と比べると随分と小さくなってしまった亡骸を壊さないように抱きしめ、ただ涙を流すことしか出来なかった。



『死後のことは生きている間に準備しておいた方がいい。』

というのよく言ったもので、火葬のことなんて何一つ考えられなくて、当時 一緒に住んでいた元恋人が全ての準備を整えてくれた。


おハリの事が原因で元恋人とは何度も衝突したし、今でも許せない発言や、態度、いくつもあるけれど、私の精神の揺れが最小限で済むようにテキパキ動いてくれたことにはとても感謝している。


その日は眠れない長い長い夜を過ごした。

明日にはもう骨になってしまうんだね。

もうこの可愛いお顔が見られるのは今夜で最後なのか。

少し微睡むと必ず夢の中に必ずおハリが出てきた。

その姿は闘病前の元気な姿のままで、どうかこの元気な姿のまま天国へ昇ってほしいと祈るしかなかった。

その日はおハリの亡骸の隣に横になり、子どもの頃からずっと可愛かったその姿を目に焼き付けようと、ときどき頬を撫でながら夜を明かした。


別れの日。


その日は雲ひとつない文字通りの晴天。

気温も高くなりはじめ、高く昇った照りつける太陽が憎らしくも思えた。

でも、お花畑で走るのがよく似合う彼の旅立ちの日にはよく似合う空なんだろうな、とそんな事を思った。


火葬してくれる業者が来るのが午後だったため、近くの花屋でこれでもか!というほど沢山の花を買い、色とりどりの花で彼を囲んだ。

私が彼にしてあげられる最後のこと。

これまで共に過ごしてきた時間を考えたら、ずっと溢れ出る涙が止まらなかった。

散々泣き喚いていたら、あっという間に葬儀屋さんがやって来る時間に。


泣いてワガママ言って手放せずにいる間、何十分もずっと外で黙って待っていてくれた葬儀屋さんには頭が上がりません。

こんなの毎度のことなのだと思うけれど、あの無言の優しさにどれほどの飼い主が救われているのだろうか。。。


ちなみにこの時にお別れの一通りをお願いしたのは、ジャパンペットセレモニーさん。


担当してくださった方が本当に素敵な方でした。
その節はありがとうございました。感謝してもし切れません。



火葬車に乗せて、ほんとにほんとに最後のお別れの時。

何度も何度も名前を呼んで身体を撫でた。
「ありがとう。」の言葉と共に。

あなたと過ごした約6年間、本当にずっと楽しくて幸せだったよ。

生き物と向き合うということの大変さも学ばせてもらったね。どれだけ精神と共に体力もすり減るか。

でもそれ以上にあなたが私にくれたのは、他の何にも変えられないかけがえのない幸せな時間と他者を愛するということの喜びでした。




火葬も、身体が小さくてもしかしたら骨が残らないかもー、なんて言われたけれど何の骨か分かるくらい丁寧に焼いていただきました。

お骨も拾わせてもらって、丁寧に骨壷に納めました。
骨壷は今でも手元から離せなくて自宅にあります。

こういうのは早く納骨した方がいいんだろうけど、別に立ち直る気もないし、手放したところで立ち直れるもしないので一緒に暮らしてます。

事あるごとに手を合わせてはパワーを貰っているし、気が済むまでは一緒に住んでいたいのが本音。


何よりも、まだたった一年じゃ彼の居ない生活に馴れることが出来ない。それがたとえ変わり果てた姿だとしても、物理的に生活を共にする事でまだ一緒に居られてる気がするのです。

周りからは早く新しい子を迎えないと忘れられないよ〜!って言われるけれど、新しい子を迎えた事で彼を忘れることなんて出来ないし、そもそもまだ新しい家族を迎え入れようという勇気もない。

今でもおハリを想って涙してしまうし、現に今もこのnoteを泣きながら書いてる。

下書きにも、お別れの日のことを綴った書きかけのnoteが置きっぱなしになってるけれど、時が経った今も涙が溢れて続きが書けないのです。


こんな私だからおハリは成仏できずに私に会いに来るんだろうなー。弱いお母さんでごめんよ。



最期は弱る様子も見せず、眠るように亡くなっていて、私に心配かけないように考えていてくれたのかな?なんて思うと今でも胸が張り裂けそうになる。

でもそのおかげで、看取れなかったのが何よりも心残り。
逝っちゃうなら教えてほしかったよ。




私自身はチンチラと住みたかったけれど、元恋人が「飼うならハリネズミがいい。」と言った一言で迎えることになったセール落ちの子だった。


実際に二匹の子を見せてもらって、

人馴れしてる子と人慣れしてない子どっちがいいですか?人慣れしてない子は成長も遅く体格も周りの子と比べるとあまり大きくないですね。

ペットショップの人にそんな事を言われたので、このままじゃもしかしたらこの子は誰にも迎えてもらえないんじゃないのか…。と不安な気持ちに駆られ「人慣れしてない子で。」とお願いして、彼を選んで連れて帰ってきたのが全ての始まり。


最初の言葉通り、いつまでも人慣れはしなくて、私以外の人には怖がって噛みつくようなやんちゃな子だった。


ブームに火がついて飼育数が増え出したハリネズミ。


どんな動物もそうだけど、一緒に住むのは容易いことじゃなかった。

懐く事はないし、偏食も激しくて、気に食わないものを食べるくらいなら死を選ぶような面倒な動物。
開けてすぐのフードを何度も捨てたし、糞の量も臭いも強烈で、未だに診てくれる病院も少なく病院探しも苦労する。

湿度と温度管理も徹底しないといけないし、ビビリな生き物だから出来るだけストレスをかけないように外泊も出来なかった。


ただ、そんなことが全てどうでも良くなるくらいめちゃくちゃに可愛くて面白くて愛おしくて素晴らしい生き物でした。


今は、あの子を家族に迎え入れたことを本当に正しい選択をしたな、と思ってる。


動物が大好きなのにペットを飼うなんて人間の最低なエゴだ。と苦悩して涙する日もあったけれど、あの子が教えてくれた事はそれ以上に大事なことばかりだった。


でもね、今度もし家族を迎える時は、人間のせいで苦しい想いを重ねてしまった子を救いたいと心の底から思っています。




今、どんな暮らしをしているかな?


お腹いっぱいご飯を食べて、元気に走り回っているだろうか。

思う存分、砂浴びも出来ている??

本当は今すぐにでも会いたくてたまらない。

でもね、お母さんはもう少しこの汚いけど美しい世界で足掻いてみるよ。


私がこの世でやるべき事の全てを終えたら、その時は迎えにきてね。


私のもとに来てくれてありがとう。


短い人生を私と一緒に過ごしてくれてありがとう。


今でもずっとあなたのことを大事に想っています。


ハリネズミのおもちに、両手に抱えきれないほど沢山の愛を込めて。


2022.03.13 


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