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ローマ~プラハ 電車で3週間の無計画女子一人旅 10日目

2019年3月14日
少し早めに目が覚めて、街を歩きだす。

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朝食は宿泊先から近くで見つけた小さなカフェで、カプチーノとクロワッサンを頂いた(写真が残ってなかった……残念)

早朝のヴェネツィアは静かだ。
昨晩の、まだカーニバルの余韻すら感じさせる喧騒を忘れて、職人やアーティストが多く住んでいるというカステッロ地区には穏やかな時間が流れている。

頭上で洗濯物がはためく道を抜けて、再びドゥカーレ宮殿へと戻ってきた。
今日の観光はここから始める。

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白亜の宮殿の装飾は、内部に入っても美しい。

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屋根付きの古いゴンドラは、今は法律の関係で乗ることも運転することもできないらしい。
外から中の見えないこのゴンドラ。
昔は、ヴェネチアに住む貴族や政治家が、人に聞かれたくない話し合いをしたり、愛人との逢瀬の場として使っていたんだとか。

内部に入ると裁判所に向かう廊下が続いている。

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天井画も廊下の絵画も、すべてが豪華絢爛で美しい。
罪人がここを通るときはどんな気持ちになるだろう。

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天文時計も壮麗。

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ひょあぁ~

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裁判所から牢屋にはそのまま廊下を伝って行き来ができる。
ため息の橋もその一つ。

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ため息の橋から見えるサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂。
これが罪人たちが最後に見る景色だったという。

さて、ドゥカーレ宮殿の後サン・マルコ聖堂を見学したがそこは撮影禁止だったため写真はなく。
次に行ったのはサン・マルコ広場を横切ったところから入れるコッレール博物館だ。

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ダンスホールってこういうところでやるんだろうな。
行ったこと無いから分からないけど。

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ブリューゲルの絵画かな。
この少し毒っ気のある感じがすごく好き。

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「あちゃー」な赤ちゃんのレリーフ。

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母乳ドバーな噴水。
本当にこんな噴水があったのかな?なんか……イヤ

さて、ミラノの友人に勧められて鐘楼の上を登る。
景色がすごくいいらしい。

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鐘楼の頂上へはレトロなエレベーターであがる。
もちろん、景色は……

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どっちの方面を見ても絶景!
ヴェネチア周辺を周遊する豪華客船もよく見える。

さて、観光は一休みしてランチへ。
サン・マルコ広場からもほど近いとあるトラットリアへ。

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お昼時なのもあって、地元で働くオジサマたちで賑わっていた。
大箱なお店の中で賑やかな話し声が反響している。

まず、前菜で注文したのはエビのサラダ。

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サイゼリヤに小エビのサラダってあるけど、まさにアレな感じの柔らかくてプリプリなエビがたくさん入ってる。
う~ん、これは美味い。さすが海辺の街!

メインで注文したのもシーフード系で。
イカ墨のパスタ。

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普段、イカ墨のパスタって滅多に注文しないのだけど、思い切って注文してみてよかったな。すごく美味しかった。
素朴で素直。働く人が日常的に使いたくなる気持ちもよく分かる。

ランチを食べたら次の観光へ。
リアルト橋へ向かう。

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映画なんかでもこの橋はよく出てくるランドマーク的な橋。
白いアーチが美しく、中にはお土産屋さんが並んでいる。

橋から眺めるカナル・グランデも素晴らしい。

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スパイダーマンやジョニー・デップがこの辺いたなぁとか思いつつ。

しばらく歩いていると素敵な仮面職人のアトリエを橋のふもとで発見。
とても気さくなオジサマに、写真を撮っていいか聞いてみたら快くOKしてくれた。作る仮面がどこか怪しげで、コミカルで、グロテスクで、美しい。

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セルジオと名乗った職人のおじさんは言った。
「路面店で売っているのは中国製のプラスチックで作られたニセモノだ。せっかくヴェネツィアで仮面を買うなら、ウチのように紙で作られたものにしてくれよ」
職人としての矜持でしょうな。
私がもっとお金持ちになったら買ってみたいなぁ……

リアルト橋の途中ではこんな素敵な飾りを見つけた。

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傘を携えたドラゴンかな?
昔は傘屋さんがあったのかもしれない。

リアルト橋を渡り切ると、市場がある。
魚の匂いが漂っているが、果物や野菜、香辛料やハーブ、ナッツなども売られていた。

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昼過ぎなので市場の人気はそこまでだが、でも賑わっている雰囲気だけは感じられる。

さて、市場の近くから立ち乗りの渡し船(トラゲット)が出ているのでこれに乗って対岸へと向かう。

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無骨なおじさんが鼻歌でQUEENの『We are the Champion』を歌ってる。
そういや、この年は映画『ボヘミアン・ラプソディ』がヒットした年だったな(これ、後々の伏線)

対岸に渡り、カ・ドーロという宮殿、その中にあるフランケッティ美術館へ。カ・ドーロというのは「黄金の館」という意味らしいが、それは昔はこの屋敷の外壁が金色に塗られていたことに由来すると言われている。

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床のモザイクが美しい。
昔はこの辺りにもいろんな装飾品が置かれていたんだろうが……

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外はあんなに観光客がいたのに、ここはあまり人がいない。
静かで穏やかな時間……いいなぁ

さて、美術館を出てしばらく散策。

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ゴンドリエーレの歌声が路地裏に響いている。

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美しい帆船のレリーフ。
あちこちにこうした装飾があるから、油断ならない。

さて、アカデミア橋まで向かう。

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路上で美しい絵を売るアーティスト。

アカデミア橋を渡って向かったのは、ペギー・グッゲンハイム美術館。

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大好きな近代のシュールレアリスム系アーティストの作品が充実しているので、どうしても行きたかったのだ。

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大好きなルネ・マグリットの光の帝国シリーズの一作(これは次回の伏線)

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コレもお気に入り。
確かカンディンスキーだった気がする。

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裏庭を出るとカナル・グランデを眺める空間になっている。
飾られている彫刻との調和も面白い。

再び散策。
窓際にこうして飾られた花との組み合わせも美しい。

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なんだかんだウロウロしていたら、日が暮れるのもあっという間。

アレコレお土産などを買って、一度宿に戻る。
今日のディナーはやりたいことがあるので、今日はそれに挑戦。

それは、バーカロ飲みだ!
バーカロ飲みとは、ヴェネツィアに点在するバーカロ(立ち飲み居酒屋)でアレコレおつまみとワインを楽しみながらハシゴ酒をすることである!

一軒目はコチラ。

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オンブラ(ぐい呑のワイン)と一緒に、クロスティーニを2つ注文。
サーモンのマリネのものと、カポナータのもの。

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うーん、1件目から美味しいし幸せ。
このアロスティーニ2切れだけで、ワイン一杯は余裕だな。
多くの人で賑わっていた中には、別の飲食店勤務とおぼしき人も飲んでいた。今の時間、勤務中じゃないのか?

続いて2軒めはコチラ。
(こっちは店名を覚えていた)

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注文したのは魚介のグリルそれぞれ。
エビ、イワシ(サーディン)、イカ、黄色いのはポレンタ(コーンミール)、ワインはこれまたオンブラの白。
ガブガブ飲めちゃうぜ!!!!!
ちなみに、同じカウンターに先程の店で見かけたオジサマがタコの串焼きを食べていた。
……いや、店番は?

3件目だオラァ!
(これも名前覚えてた)

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オステリアの裏手にあった店先では、コロッケみたいなのをつまみに赤ワインを飲む。ワイン3杯は流石に酔っ払う。

んじゃあシメといくか。

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この時点で夜の10時とか11時とかだった気がするが、旅行中はそんなもの気にしねぇ!
注文したのは「オリエンタル・エクスプレス」という名前のシナモンクッキーとジンジャーの入ったものと、カカオ70%以上の濃厚なチョコレート。
正直、このジェラートがイタリアで食べた中で一番美味しかった!
このジェラートを食べながら宿に向かう道中……奇妙な男に声をかけられる。

「お嬢さん、どこから来たの?」

日本だ、と答える。
山高帽に赤いジャケット。怪しさ満点の男の隣には、ヒゲをたっぷり蓄えたジブリ映画に出てきそうなオジサマがいた。
山高帽の男が言う。

「この男性はアーティストで、この近くにアトリエがあるんだ。良ければ見に行かないか?近々、日本でも展覧会をする予定なんだ」

通常、こういう誘いに乗ってはいけないと分かってはいるものの、ワイン3杯飲んで最高に美味しいジェラートを食べた脳味噌がまともな反応できるわけないのだ。
しかも、アーティストのアトリエなんてなかなか行けるもんじゃない。
私はホイホイとその誘いに乗ってアトリエに行った。

小さな橋のふもとに、そのアトリエはあった。

ジブリ映画的なヒゲのオジサマが描く作品は写実的なのに、どこか非現実的で生々しい。

アレコレ雑多なおしゃべりをして、ウィスキーやなんかをご馳走になりながら、彼の作品を堪能する。
そのうち、場所を近くのバルに変えると、彼の友人だという男がやってきた。彼は元々ジュネーブで国連関係の仕事をしており、その重役で既婚者の女とアヴァンチュールを楽しんだという。
イタリアの噂話はやはりそういうのが多いのなぁと思う。

すでに赤ワインを3杯も飲んでいるのに、ウィスキーやら何やらをアレコレ飲んだせいで、すっかりベロベロ。

どうにかこうにか無事に宿へ帰宅し、そのまま泥のように眠った。
帰り際、山高帽の男が明日案内するとか言っていたがそんなことも覚えていられないほどの久しぶりの泥酔。

さぁ、明日はどうなることか……








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