[嫌われる勇気]アドラー心理学が説く”幸福な生き方”を全力で解説するだけの記事
「何が与えられているか」
ではなく
「与えられたものをどう使うか」こそが重要だ。
プロローグ ある男の過去を話そう
「自分に価値などない。」
*
2年前の冬の終わり、
医学部に入るための試験に、2年連続での失敗が決まった。
あのときの不合格通知は、まるで今までの人生そのものを「負け」と語るようで、”自分の中の何かが崩れる感覚”をまざまざと味わった。
合格した友達を心から祝うことができなかったのが心残りである。
その後、思い描いていたものと全く異なる大学生活を送った。
そのうち、私は何度も何度も劣等感で押しつぶされそうになった。
自分で自分を精神的に傷つけた。
心は、2度と修復不可能なほどにボロボロだったと思う。
以前の、勉強が好きだった自分は死んだ。
あの、不合格の日を境に、自分の価値は急落した。
1日中何もしない日々は、私の心を深く蝕んだ。
そんな、絵に描いたような堕落生活は少しずつ終わりを迎える。
この思いを完全に克服したのは、大学2年の終わりのことだ。
丸2年かけて、私は自分の価値をやっとのことで再認識できた。
そして、今こうして記事を書くことができている。
こんばんは。ヒロです。
冒頭から自身の重苦しい話を語ってしまい申し訳ありません。
少し書くつもりが、たくさんになっていました。笑
あなたは、何かで挫折を味わったことはありますか?
まだないな、という方もおそらくいるでしょう。
しかし、そう言った方はまだこの本は読まない方がいいかもしれません。
知識というものは、おそらく身に着ける時期がとても重要です。
同じように学んでも、その人がどのようにその知識と向き合うかで定着の仕方は全く異なります。
今回紹介する本−「嫌われる勇気」は間違いなく名著です。
しかし、挫折や大きな悩みを抱いている、もしくはそういった経験のある方でないと、「心に響く知」にはなり得ないかと思われます。
逆に、、あなたが深く思い悩んだ経験がおありでしたら、こちらの本は必読書となるでしょう。
私のように「有名すぎて読んでいない」なんて方を1人でも減らすために、本書の魅力を余すことなく書いていくつもりです。
しばし、お付き合いください。
はじめに、記事を全て読むのはちょっとめんどくさいという方のために、アウトプットしたノートの写真を貼っておきます。
(これをもとに記事を書いておりますので、全て理解できればこの先を読んでいただく必要はありません。)
今回は嬉しいことに見開きでまとめることができました。
ただ、ちょっとスペースがきついこともあって大きいサイズのノートを買おうかなと思っています。
では、いつものように本編に入ります。
結論
自分の人生を変えられるのは、自らの意思によってのみだ。
今この瞬間を全力で、自由に生きる勇気をもつこと。
難しくはあるが、シンプルな、そして確かな答えである。
第1章 アドラー心理学ってこういうもの
思えば、私を知の探求へと再び誘ってくれたきっかけは、心理学でした。
とはいってもそれは「社会心理学」でしたから、心理学の大家であるフロイトやユングというような方の著書は、恥ずかしながら未読です。
「人は想像以上の非合理的な要因で意思決定を行なってしまっている。」
そう言った事実が豊富なエピソードによって非常にわかりやすく書かれた名著です。
一方、アドラー心理学とはみなさんが思い描くような「心理学」ではありません。
これは、一言で言うと「哲学的な教え」です。
アドラーの教えは、「時代を100年先取りした」と言われるような、一見すると画期的で驚くべきもの。
さらに、本当の意味で理解できるのは、その人が今まで生きた年数の半分が必要(20歳なら10年かかる)と言われるような、難解な教えでもあります。
まず、本書によると
アドラー心理学とは勇気の心理学であり、自分が変わるためのもの
とされます。
そして、大きな特徴として、「人は全て目的を持って行動する(目的論)」、「悩みのもとは全て対人関係である」
という教えがあります。
勇気の心理学?
悩みが全て対人に関係する?
一体どういうことなのでしょう。
第2章 アドラーは否定する
第1章では、アドラー心理学の大きな特徴を書きました。
この章では「アドラーが否定するもの」を解説していきます。
アドラー心理学では以下のことを禁じています。
①競争すること
❷他人の問題に干渉すること
③他人に干渉されること
④独りよがり(自己中心的)になること
❺褒めたり叱ったりすること
❻計画的に生きようとすること
この6つ全てを解説するのは大変なので、特に心に響いた三つを本記事では解説していきます。(黒丸のもの)
まず、「他人の問題に干渉すること」です。
アドラーはこれを”課題の分離”と言います。
私たちはつい”やらなくていい課題”に取り組んでしまっているというのです。
例えば、つい人を注意してしまうとか。(家族ならイメージしやすいかも)
もしくは、他人の目線を気にして言いたいことが言えない、行動できないなどなど。
これらをアドラー的に考えると、「本来取り組むべきでない課題に取り組んでいる状態」と言えます。
注意するのは、何故ですか?
「道を正すためだ」、「未然に失敗を回避させるためだ」
と、おっしゃるかもしれません。
しかし、1つ確かなことは、それはあなた自身の課題ではないということです。
その人自身が改善していこうと思わない限り、その人が変わることはあり得ません。
ほとんどの口出しは「余計なお世話」であることが多いのです。
「あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題で土足で踏み込むことーあるいは自分の課題に土足で踏み込まれることーによって引き起こされます。」
(140ページ)
加えて私自身の経験からも自信を持って言えることがあります。
「挫折」は早い段階でした方がいい。
何故なら、若ければ若いほどその後に残された時間が多いからです。
「困難に直面することを教えられなかった子どもは、あらゆる困難を避けようとするだろう」
(154ページ)
私は大学生の言う立場だったおかげでたくさん本を読むことができ、成長を実感しています。
しかし、社会に出てからではこうはいかなかったでしょう。
次に、「褒めたり叱ったりすること」です。
は?と思いますよね。
「褒めたり、叱ったりすることは健全な成長に大事だろ!!」
まあまあ、聞いてください。
まず、前提としてアドラーは横の繋がりで生きることを説きます。
立場の上下を作るのではなく、この世界を構成する1人の仲間として、共同体として生きることを求めるのです。
この考えに立つと、「褒められて嬉しい」とか、「悪いことをしたから叱る」と言ったことが「縦の認識」で生きている証拠だと分かるでしょう。
褒められて嬉しいのは縦関係への従属を表すし、人を叱るということは相手をより下の立場で見ていると言えます。
アドラーは平等であることを善とします。
人間的な価値は、経済的条件も、学歴も、年齢も、性も人種も関係ありません。
縦の認識から脱却し、横の繋がりを意識して日々を過ごしていきませんか。
(なお、❻については終章のエピローグにまとめてあります。)
第3章 嫌われることはむしろ当たり前
さて、第2章が長くなりましたが、アドラーが否定するものを詳しく解説しました。
それを踏まえ、本章ではタイトルの「嫌われる勇気」の意味について迫ります。
あなたは「嫌われたい」ですか?
そんな人は聞いたことはありません。
普通であれば、嫌われないように生きていくのが”良い”生き方ですよね。
ただ、一方でこんなことを聞いたこともあるでしょう。
「嫌われない生き方なんて不可能」
日本には八方美人という四字熟語があることからもわかりますが、どんな人にも良い顔そすることが良いことではないのは確かです。
そんな中、アドラーは「嫌われることはむしろ当然のことである」と言います。
何故でしょうか。
答えは、「嫌われること」は「自由に生きるため」のコストだからです。
もっとわかりやすくいうなら、嫌われるという対価として自由に生きられるのです。
私たちはお金を払った対価として、モノやサービスを受け取ることができます。
お金(もしくはそれに代わるもの)なしにモノ・サービスを受け取ろうとすることなど、できないのが普通ですよね。
このように、自由に生きるためにはむしろ嫌われる必要があるということになります。
あなたがあなたとして自分の人生を生きたいのなら、嫌われる勇気を持つことです。
そして、誰からも嫌われていないということは、誰からも好かれていないということなのです。
エピローグ 幸せに生きるための答えを、あなたに。
あなたは今、幸せですか。
私たちは何のために頑張ろうとするのでしょう。
学歴や職歴のためですか?
給料のためですか?
いえ、
幸せに生きるためですよね。
以前の私がそうだったように、目的と手段が逆転していることに気づいていない人はきっと多くいることでしょう。
結局、誰もが幸福に、豊かに生きたいことに差はない。
ならば、これからあなたがすべきことは「この瞬間を全力で生きること」です。
本書では、「人生最大の不幸は自分を好きになれないこと」とされています。
豊かに生きるためには、自分自身に価値を感じ、「私」を愛せるようになることが必要なのです。
そのためには、計画的に、山の頂点を目指して生きるのではなく、山を登る過程こそに価値を見出すような、そんな生き方をすべきです。
私たちの未来は予測不可能です。
経済学者でも、その予測的中率は素人と何ら変わりありません。
ですから、今この瞬間に集中せず、未来のことに悩むのは本当に意味のないことと言えましょう。
今この瞬間を、全力で、熱狂できるような毎日を過ごしてください。
そうやって懸命に生きた日々の集合は、やがて繋がりを成して、あなたをあなただけの境地に導くのです。
[画像引用元]
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