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私の好きなミルクさんの歌 003

三首目は、「The・悟り」ともいうべき境地を感じられる歌です。

・ 土草を引くことにのみ費やせば時は雑味をすべてしたり

誰にでもある「無心」で黙々と作業したり体を動かしている時間の持つ役割や小さな積み重ねの大事さを詠ったもので、”土草を引くことにのみ”という言葉が的確に「無心」の境地に結びつきます。まるで地球の部品の一部のように淡々と耕したり、草抜きをしていることが、地球というサイクルを持続させる原動力でもあるという大きな意味と、そうやって”自分”や”自我”というものを消し去ってこそ、時間は雑味を消し去った純粋な感性を導いてくれるのだという深い意味が込められているようです。
ミルクさんの歌に時折現れる、「無意識の中で形成される真理」を題材にしたものの一つだと思います。
日々の単調な家事の合間でも、この歌を目にすればがぜんやる気が湧いてきます。
そんな小さな灯のように寄り添う歌が、ミルクさんの最大の魅力でもあります。

ミルクさん 短歌のリズムで  https://rhythm57577.blog.shinobi.jp/