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私の好きなミルクさんの歌 005

五首目は静寂が目の前に展開されるような里山の風景を詠われたものです。

・ 山の抱く学び舎に落つ星ひとつ蛍のように持ち帰りたし

山に囲まれた田舎の学校は私にも見覚えのある風景です。田舎だから星はたくさん見えるのだと思いますが、都会のそれとは異なる一粒が大きな光なのでしょう。まるで蛍のあかりに例えられる瞬きを持って帰りたいと思うのも無理はありません。ミルクさんは昔のものがすべて嫌いな訳ではありません。古の表現も、時には抜き言葉も使われています。
旧仮名のように「見え透いて」使われていることに憤慨されているわけで、そこに言葉を磨いた形跡が見られなければ認めないというスタンスなのでしょう。この歌も自分の感覚というよりは誰もがそう感じられる至って「普通の歌」ですが、定番になるようなものはそんなものだと思っています。

ミルクさん 短歌のリズムで  https://rhythm57577.blog.shinobi.jp/