ワクチンはどこに行った?

「ワクチンの在庫が無い」

いったい何を言っているんだ…

私もそう思いました。

河野大臣は「接種のスピードを上げるようにお願いするとともに、ワクチンの供給をいかに滞らせないかが重要」という趣旨の発言をしていたような気がする。
さらには「ワクチン接種が遅いところは後回しにしますよ」「供給は大丈夫だからドンドン接種してください」とも。勘違いであればすみません。

1ヵ月前に言っていたことと真逆の事態になっているので、自治体も混乱しているのは当たり前でしょう。

➤何が起こっているの?

少し話を整理します。
ポイントは

ワクチンの在庫問題
国からのワクチン供給遅延問題

➤ワクチンの在庫問題

結論から言うと、在庫の定義が国と自治体で違っているので、お互いの主張が食い違っています。

例えば100回分(50人分)のワクチンを国は自治体に送り、30人は2回接種済み、20人は1回接種済みだとします。つまり、80回分接種済みということで、使ってないワクチンが20回分あります。

国が余っているはずと言っている在庫は、残りの20回分のこと。
対して、自治体はこの20回分は1回接種済みの人の2回目分として確保している分なので、在庫として勘定していない。

私はこの20回分が「在庫として余っている」と数えるのはダメだと考えています。普通に考えて、映画予約したのに席がないとかありえないでしょう。コロナワクチンは2回がセットなのだから、1人に対し2回分確保するのは当然です。

どちらにせよ在庫がいくつあるかは、何人が何回接種したかと何回分送ったか、新規に何人接種しようとしているかを照合すればいいだけなので、すぐにわかると思います。現在、公表されている数字を見れば「接種予定のないワクチン」はゼロではないが、少ないと考えていいでしょう。

➤国からのワクチン供給遅延問題

本当の問題はこっちだ。在庫の有り無し問題とは切り離して考えなければいけません。

「ファイザーからのワクチン輸入が不安定に(少なく)なる」という情報を持っていながら、職域接種を含め供給は問題ないからと接種スピードを上げるように要請したこと。

ファイザー側の事情もあるので、輸入が遅れたり不安定になってしまうのは仕方がない。自治体に在庫があろうがなかろうが、この情報をわかった時点で伝えないからキャンセル・再開未定の延期という結果になってしまったのだ。

理由はわからないが(どうせ大した理由でもないと思うが)、隠蔽したと言われても仕方がない。

➤まとめ

在庫問題に関しては、大した問題ではない。
重要なのは、情報に対する国への信頼があまりにも低いこと。

聞こえのいいことばかりで、中身はすっからかん。報連相もまともにできない大臣ばかり。日本、大丈夫か?こんなんだから、ワクチン否定派の「国がだしているデータが信用できない」とつつかれるのだ。

「輸入が不安定になるから」と一言あればやりようはあったはず。挙句の果てに「思ったより接種が速いペースで進んでいる」の発言。会場設営に奔走している自治体や企業の職員、そしてワクチン接種に協力している医療従事者に対して失礼極まりない。

「取り合えず1回目を接種することが重要で、間隔は3週間以上でも効果が認められているんだから、自治体は2回目分を確保しないでドンドン打っていけばいいじゃん」という意見をいくつか見る。

まずは優先的に1回目を多くの人にという考えは問題ないが、それを自治体の責任とするのは大いに間違っている。

日本では、「3週間隔で2回接種する」という方針を国が出している。自治体が勝手にその方針を破るわけにはいかない。しかも、供給が遅れることが公になってからも、接種スピードを落とすことが対策として言われ、間隔が6週になってしまってもいいから1回目を優先してとはならなかった。

責任の所在をわかっていない証拠だ。

みんな疲れているのだろう。

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