再会は豆の木の前で
こんにちは。
ApexLegendsが楽しいですパーシーです。
楽しいといえばNETFLIXで見れる『サンダーランドこそ我が人生』というドキュメンタリーが傑作なので是非ご覧ください。
低迷を続けるイングランドのサッカーチームの1シーズンに密着した作品なんですけど、本当に出来すぎたドラマくらい展開が素晴らしくて最高です。
前回までのあらすじ!
ぼくはマッチングアプリ【※DMQ】で
NPCの代役をしていたナビ子と
ひょんなことから仲睦まじくなり
直接会うことになった。
大宮行きの電車は停車するとき鉄のにおいがする。
ピンポンのスマイルの一度は言いたい台詞「僕の血は鉄の味がする」をこの電車に落とし込むとこうなる。
電車はガタゴト揺れる。
文庫本を読み終えたぼくが車窓から空を眺めると地平線に沈もうとしている夕日が空を覆う鱗雲を朱く染めていた。
なんて美しい。
移り行く空模様には二度と同じものはない。そんなかけがえなさが好きだ。
こんな景色にはYUKIの"さようなら、おかえり"という曲が良く合う。
ぼくはイヤホンを取り出そうと鞄を探す。
確かここに入れたは…
シャッ!!
目をやると向かいに座っていたおじさんが日よけのブラインドを閉めていた。
ぼくは静かにイヤホンを探すのをやめた。
大宮駅に着く。
改札を抜けると銀色の『豆の木』なる大きなオブジェが一番に視界に飛び込んでくる。
埼玉に住んでいた人間であれば一度はこのオブジェの下で異性と待ち合わせをした経験があるだろう。ぼくももちろんある。
はじめてここで待ち合わせしたのは大学生のころ。友達の女友達の友達を紹介してもらって会うことになった一つ年上の埼玉出身の音大生とだった。
初めて会う約束をしたとき。「『豆の木』の前で待ち合わせよう」と言われて緊張しながら大宮へ向かったことをよく覚えている。
それまでにしたデートといえば学校帰りに自転車で行けるくらいの範囲のもので、駅で待ち合わせてデートなんて身の丈に合わないことをしている自分が恥ずかしくてたまらなかったのだ。
当時、集合時間より早く着いたぼくは豆の木が見える駅構内の柱の陰から集合場所を見張った。
どんな人が来るのか、どんな格好で来るのか、そもそも本当に現れるのか。
ぼくは不安をかかえながら彼女の到着を待つ。
少し経つと小柄な女性が集合場所に現れた。
また少し経つとぼくの携帯にメールが。
たしか「着いたよー」とかそんな簡単な内容だったと思う。
でもそれがなんだかとてもうれしくてたまらなかった。
今日のためにおしゃれをして電車に乗って約束の時間に間に合うようにぼくに会いに来てくれたのだ。うれしくない訳がない。
大宮駅にいる人全員とフラッシュモブして迎えたいくらい歓喜したぼくのテンションは最高潮!
うおお!!もう好きや!!!
ええ、完全に好きになってしまいました。すいやせん。
そのあとはあんまり覚えていないけれど、とてもスタンダードな、とてもシンプルな、映画を見たりするデートをしたと思う。
緊張と安らぎが共存するなんとも言えない時間だった。
結局その人とはぼくの向こうみずな性格が災いして上手くいかなかったけれど、とても大切な思い出だ。今も元気でいてくれたらうれしいな。
ああ、なんか当時のこと思い出して凹んできたわ。本当に楽しい日々だった。
まだあの頃ぼく実家暮らしでさ、群馬なんだけど。
あの上毛かるたで有名な群馬よ。
そこから鈍行乗り継いで大宮までいくから相当時間かかるのよ。
久喜で乗り換えてJRで行くか、春日部で乗り換えるか調べたりしてさ。
たまらんよな、ああいう学生の頃の思い出。
デートしてたら家帰れなくなっちゃって埼玉の通ってた大学の近くに住んでた友達の家に泊めてもらったりしてさ。
いつからですか?都内でのデートばかりするようになっちまったのは。
ぺこぱも言ってるじゃん「いや全部埼玉県内だけど十分楽しめるから!そうだろ?」って。
ぼくも言いたいわ。
いや全部埼玉県内だけど十分楽しめるから!
言った。悪くないね。
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どうもありがとう。
【今日の縛りワード】
一度は言いたい台詞 (2017-06-07:一度は言いたい台詞のはなし)
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