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上毛かるたのはなし

こんにちは。

上毛かるたという群馬県民御用達のソウルホビーのなかでは『ろ』の『老農船津伝次平(ろうのうふなつ でんじべえ)』が好きなぼくです。農業研究家らしいです、本当の船津伝次平さん。

ここで嘘をひとつつかせていただきますと、ぼくはずっと『老農船津電磁兵』だと思っていました。もしもガチ電磁兵だったら自分の身体をトラクターとかコンバインに改造して農業してそうです。

船津電磁兵「それじゃあ行ってくるよ」

妻「あなた、くれぐれも気を付けてね」

倉庫のシャッターを開ける電磁兵。そこには農耕具を四肢に取り付けたスーツが立て掛けられている。

電「農業プログラム起動!」

ギュイイイイン…

倉庫内は電磁兵により設計された沢山のコンピュータが配備されている。

妻「システムオールグリーン!」

電「老農パワードスーツ装着!」

ギュイーン!

ぶかぶかのスーツが電磁兵の身体にみるみるフィットしていく。

電「着装完了!」

妻「OK!カタパルトオープン!」

ゴゴゴゴゴ…

倉庫の壁が音を立てて開き始め壁の向こうには広大な田畑と整備された滑走路が広がっていた。

電「老農アーマー改!船津電磁兵!出ます!」

ドゴオオオ!!!

大腿部に取り付けたロケットエンジンから青色の炎を噴射させ電磁兵は浮き上がった。

ビュイイイイイイイイイ!

妻「あなた、いってらっしゃい」

そうして電磁兵は朝焼けの空へと飛び立っていく。いつもの出勤の光景だ。

ボオオオオ!(エンジン音)

目にも留まらぬスピードで群馬県の空を飛行する電磁兵。

電「民間から通報を受けたのはこの辺りのはず…よし!違法農業者索敵機能オン!」

ピコーン!ピコーン!

電磁兵の胸部に取り付けたビーコンが点滅を始める。

ピピピピピ!ピピピピピ!

電「乙(きのと)方向に違法トラクターを発見!農林水産省へ撃墜許可申請!」

農林水産省「…船津電磁兵軍曹!違法農家の撃墜許可します!田畑への被害は最小限に抑えてください!」

電「了解!ファンネル起動!」

ビュイン!ビュイン!ビュイン!

電磁兵の背中から小型の電磁兵が飛び出していく。

そして電磁兵は黒塗りのトラクターに乗る違法農家に声を掛ける。

電「そこのトラクター!直ちに農業を中止しなさい!あなたの農業は違法です!」

違法農家「あれは農林水産省のロボ畜生か!なぜここが!」

ゴオオオオ!

もの凄いスピードでその場を立ち去るトラクター。

違「このスピードならいくらロボでも追ってはこれまい!」

電「こうなったら…ファンネルよりレーザー射出!」

ビイイイイ!

小さな電磁兵たちが次々と掌からレーザーを射出する

違「なに!レーザーだと!?仕方ない!シールド展開!」

キュイイイン!

トラクターの全面を円形の電磁シールドが覆う。

ドドドドド!

電磁兵のレーザーと違法農家のシールドが激突!

ドゴオオオン!

レーザーがシールドを突き破る。

電「よし!シールドを突き破ったぞ!」

違「ぎゃあああああ!」

トラクターはその場で完全に機能を停止した。

電「違法黒土の使用及びシールドを装備した車輌による公道の走行及び非申請の田畑でのオクラ栽培であなたを撃墜します!」

ドゴオオオン!

違法農家は腹部を撃ち抜かれ撃墜された。

電「無茶な農業は身を滅ぼすぜ…」

ボオオオオ!

違法農家の亡骸にそう声を掛け電磁兵は次の戦場へと飛び立つ。この土地に違法な農業がはびこる限り電磁兵の戦いは続く…

第1話 『わしは船津電磁兵』完


次回第2話『農業vs酪農 もうひとりの電磁兵!?』

ご期待ください


画像はそれっぽいやつです。

おわり

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