見出し画像

副業:お母さん

とにかくボーイには早く風呂に入って、早く寝てほしかった。
そうしないと私の『副業:お母さん』が閉店できないからだ。

丁寧に、「本日のサービスは終了しました」とご案内しても、
なかなか顧客に通じないのは、世の中の“親たち”にも身に覚えがあるはず。

私は17時に仕事を終え、走って学童へお迎え、帰宅後急いで夕飯を作る。
ここから就寝に向けての怒涛の3時間が始まるのだ。

相手は小学1年生、男子、几帳面タイプ。
対する私は母1年生、女子、ノリ重視タイプ。

丹精込めて作ったごはんを見れば、
これ食べたことないからこわいと言い、
漢字ドリルうまく書けてるねと言えば、
ぜんぜん下手だからと最初からやり直す。
お風呂に入ろうと誘っても、
・・・うん・・・(テレビにくぎ付け)。
寝る前の絵本を読み始めれば、
自分でも読みたいと言う・・・(めっっちゃ時間かかる)

負ける。
大人になれない!!
自分を勘定に入れる!!
だって私の人生だし!!!!!

せっかく作ったんだから食べろし!!
下手でもいいから適当に宿題終わらせろし!!
早く寝ろし!!

ボーイの行動によって私の『副業:お母さん』が延長されていく。
私が一人でのんびりできる時間が減るじゃないかと、怒りが隠せなくなる。

旦那さんの帰りはいつも22時以降。
大体ボーイの就寝後。
その頃は疲れ果て、愚痴を言う元気もなく、
穏やかな人に、私はなりたいと切に願いながら眠る日々。


3年経ったいま、いろんな人と出会い、学び、『副業』はなくなった。

『本業:私』

これだけ。

お母さんも、仕事も、プライベートも垣根はない。
ぜんぶが私であり、疲れたらいつでもサービス終了できる。
前よりも、ちょっと気が楽になった。

本日のサービスを終了したら、
私はより一層自分を労い、優先して、他者への貢献は二の次にする。

そうすると、あら不思議。
ボーイにも旦那にも穏やかに接している私がいる。



自分への労いにおすすめなのは、

「今日何食べたい?」

そう自分に問いかけながらスーパーで買い物すること。

ものすごく幸せな気持ちになるから、おすすめです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?