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映画『祈りの幕が下りる時』笑っちゃうほど「砂の器」(ネタバレ感想文 )

もはやアレですな、『砂の器』は松本清張の原作よりも野村芳太郎の映画『砂の器』(74年)の方が正統派『砂の器』になっちゃってる気がしますね。
なにせ中居正広でリメイクした『私は貝になりたい』(08年)ですら、橋本忍が自身の手で脚本をリライトして『砂の器』にしちゃってんだから。故橋本忍大先生も当時御年90歳で耄碌してたんですよ。
それくらい『砂の器』は金字塔なんでね、東野圭吾が影響を受けたとしても仕方がありませんね。

ん?待てよ。同じ監督?

もはや『砂の器』wでおなじみリメイク版『私は貝になりたい』(08年)と、笑っちゃうほど『砂の器』wの本作『祈りの幕が下りる時』(18年)と、TBS日曜劇場中居正広版「砂の器」(04年)は、同じ監督だ。

私はリメイク版『私は貝になりたい』の感想の中で、「それ泣け!やれ泣け!もっと泣け!と音楽だけでなく映画全体がうるさい」と書いているのですが、本作も同様。
東野圭吾のせいじゃなかったんですね。ごめんなさい。

実は私、ドラマ「新参者」は好きで観てたんですよ。2010年のこと。
でも『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』(12年)は映画館に足を運ばず、5年後の2017年にテレビで鑑賞。そして今回この映画も公開から3年後にテレビ鑑賞。

どうもね、テレビドラマは熱心に見てたのに映画化されるとなかなか観ないという悪癖がある。続編、結末編に限らず。
『トリック劇場版 ラストステージ』(14年)も4年後にテレビ鑑賞だし、『信長協奏曲』(16年)なんか結末編なのにまだ観てない。
丁寧につきあったのは『ケイゾク』と『SPEC』くらいかな。超絶クソ映画。あんなに真剣におつきあいしたのに裏切られた気分。

そう考えると、わざわざ映画館まで行って「あんなに好きだったのに裏切られた」経験が多すぎるんですよ。
そうさな、パッと思い出せる個人的体験は、古くは『アンフェア the movie』(07年)とか『劇場版 ATARU』(13年)とか、新しいところなら『劇場版おっさんずラブ』(19年)とか。
そう考えると、「一見さんでも面白く、単体でも完成度が高い上に、ファンにとっては総決算」みたいな理想的な「劇場版」って『ストロベリーナイト』(13年)しか観たことない気がする。もうあの姫川玲子に新たに会うことはできないけど。

前作『麒麟の翼 』の監督は土井裕泰だったんですよね。TBSの看板演出家。映画なら『花束みたいな恋をした』とか。
本作の監督、福澤克雄もTBSの看板演出家。『半沢直樹』の演出家ですよ。
二人は同い年くらいじゃなかったかな?たしか土井監督は映画大好き文系少年で、福澤監督はラグビー一筋のゴリゴリ体育会系。
「泣き」の話が多いのは土井裕泰だけど、「泣け!泣け、泣け、泣け!ドーン!」ってのは福澤克雄。
そう思って両作を見比べてみると面白いかもよ。
(2021.05.05 CSにて鑑賞 ★★★☆☆)

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監督:福澤克雄/2018年 TBS

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