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観劇記録『宝飾時計』

作・演出:根本宗子
出演:高畑充希/成田凌/小池栄子/伊藤万理華/池津祥子/後藤剛範/小日向星一/八十田勇一
テーマ曲:「青春の続き」/高畑充希 作詞・作曲・編曲:椎名林檎

舞台批評めいたことは書きません。書けません。
映像作品と違って誰でも見られるものでもなければ、私自身も見返せるものでもないので、あくまで「観劇したなあ」ってメモ。
なので、他の記事をどうぞ。

前半70分、15分の休憩を挟んで、後半70分の長丁場。

そもそもこの舞台を観に行こうと思ったのは、まず、ネモシューこと根本宗子に興味があったからです。映画でも同じようなことを書いたかもしれません。

加えて出演者にも興味がありました。観劇は役者を見に行く「ミーハー」気分なんですよ、基本。
高畑充希が見たかった。
伊藤万理華が見たかった。『サマーフィルムにのって』の伊藤万理華はよかったからね。

そして私は、圧倒的に小池栄子先生のファンなのです。
小池栄子先生主演の舞台『甘え』(2010年)を見に行って、作・演出の本谷有希子にドはまりしました。
あと、おなじみ池津祥子さんね。なに?池津祥子さんを知らない!?
『池袋ウエストゲートパーク』のタカシ(窪塚洋介)の彼女ジェシーですよ。

そして何と言っても、劇中歌を書いた椎名林檎女王様。
私はファンクラブ歴20余年の林檎女王様の下僕しもべなのです。

そんな「ミーハー気分」で観にいった芝居でしたが、めっちゃ面白かった。
この面白さは言葉では伝えられない。
でも、せめてあらすじを書こうかと思います。
あらすじを書くのは苦手なのですが(そもそもあらすじはネタバレだと思っている)、自分の備忘録も兼ねて。

高畑充希演じる主人公ゆりかは30歳の女優。マネージャー兼彼氏である成田凌とちょっと微妙な関係。成田凌は決して「好き」と言ってくれない。
高畑充希が長年務めた舞台「宝飾時計」の20周年記念イベントが行われるという。彼女は子役から十数年間、成長を止めてこの役を務めてきた。そしてこの役を降りてから急激に身長が伸びたという。
この「宝飾時計」はトリプルキャストだった。初演は、高畑充希、小池栄子、伊藤万理華の3人の子役が交代で演じたのだ。相手役の男の子は一人。小日向星一(小日向文世の息子だそうだ)が演じている。
高畑充希は彼が好きだった。だが彼はこの世界から姿を消してしまった。
そして「宝飾時計」20周年イベントのリハーサルの日。あの日の子役たちが集合する。今やすっかりママタレとして人気者になった小池栄子(ママタレブログランキングでは辻ちゃんに次いで2位だそうだ)。伊藤万理華は大成せず、宝塚出身の厳しいステージママ(池津祥子)のせいで引きこもりになってしまっていた。そう、あの日あの時の皆が集まったのだ…。

と、いかにも筋道立てて書いていますが、実際には、現在、過去、様々な場面が、時間軸バラバラで提示されます。そういうこじらせた複雑さ大好き。
回転する舞台装置も見事で、とても面白い舞台でした。
想像より重かったけどね。ちょっとネモシューが分かった気がします。
そして、高畑充希はとっても素晴らしい女優だ。

(2023.01.18 東京芸術劇場にて観劇)

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