見出し画像

『ピートラ』Vol.15事業継承というできごと①

こんにちは。企業変革活動記『ピートラ』Vol.15、今回は機ちょーまさとが担当します。前回、ゲストでご搭乗いただいたかわさきさんとの対談にはぼくも参加させてもらったのですが、彼の質問に刺激されていろいろ思い出したり、振り返って気づいたことがありましたので、今回はそのあたりを記しておきたいと思いました。同じような状況の方が、少しでも勇気づけられたり、参考になれば幸いです。

事業継承するとき起きたあれこれ

ピープルは創業者の長男であるぼくが事業を受け継ぎました。当時すでに創業35年を超えていましたし、ぼくは入社10年の時で、社員の半分はセンパイです。この状況だけでもいろいろありそうですね。『ピートラ』Vol.11で「すったもんだあって」とかさらりと書いてあったところを、いっちょ書いてみます。

最初にしたことは「腹をくくる」

ぼくは当時商品企画のプレイヤーだったのですが、それまでの方針ややり方について、矛盾ややりにくさを感じていた部分もたくさんありました。そんな思いから、自分が会社の代表者になるにあたって最初の覚悟は、全部自分に責任がかかってるのだから、自分が信じられるように全部変えよう、だれに反対されても。センパイ方や元役員の方々はいろんなアドバイスをくださいますが、責任取ってくれるわけじゃないのです。親子といえど、価値観や考え方はちがう。

経営の立場になって視点が変わり、自社を見て思いました、「今はいいけど、このまま頑張りつづけても5年後はジリ貧」。改革が必要、やるなら会社に体力がある今だ、だれがどう見てもそうでしょ、くらいに思ったのですが、自分の親を含め、当時の経営陣の方たちとは見解が合いませんでした。
 ・自分がプレイヤーの頃はもっとずっと良い商品を企画できていた。
 ・市場は何も変わっていない。今の社員は生産性が低い。
 ・だからやり方を昔に戻すしかない。
そんな考え方が蔓延していたように思います。成功体験って恐ろしい。同じ視点を持てる新しい経営メンバーをアサインしよう。旧経営メンバーには退いていただき、社内から新しい経営メンバーをお誘いして、今の4名の執行部が誕生しました。

新しい軸を定めたら前に進めるはず!と思ったら……。

業績が悪化していく原因は、ものすごく単純です。外部環境が変化して、今までのビジネスモデルが通用しなくなっただけなので、モデルを新しくしたら良い。会社の人間が悪いわけではなく経営の問題です。

さて、今立ち行かなくなっているモデルではあるものの(当時)40年近く会社が続いているからには何か強みがあって、それを軸に新しい事業領域を広げることを考え、軸となるミッション・ヴィジョン・ヴァリューを言葉にしました。それに従って新しいビジネスをどんどん作り出したいと思ったのですが……

新しい方針や施策に対して、不安と不満が噴出してしまいました。特に、これまでかなりトップダウン寄りのスタイルだったものを、ボトムアップのスタイルにしようとする動きに、とても抵抗が大きかったように感じます。え、なんで。自由に仕事できるの、うれしくないの?不思議に思いました。

当たり前ですが、経営メンバーが刷新されて新しい施策が始まっても、そこに働く従業員は変わっていないので、ずっとやってきたやり方が正しいと信じ続けているということでしょう。人が変化するのが一番むずかしい。そこで、私たち経営層は選択を迫られました。急激に変わるか、ゆっくり変わるか。急激に変えるとは、新しい方針に賛同できない方は希望退職を募る、などの痛みを伴う施策のことですね。私たちは、会社の余力(自己資本)に余裕があったので、時間をかけて対話を繰り返して、ゆっくり変わっていこうと決めました

・・・というところで、長くなってしまったので「事業継承というできごと①」はここまでにします。需要があれば②を書こうかな……。

これからの「代表」のあり方

さて。
ここまでの経緯で、個人的にトップダウン傾向が強い組織は、これからの時代厳しい、という思いがあります。前任のトップの方が強いリーダーシップでバンバン指示を出していく姿を見てきましたが、それが自分に合っているとも、そうなりたいとも思えなかったのもありますが。

この先が読みづらい時代に、間違えないで正解を選び続けるのは、どんなに優秀な人でも無理でしょう。ましてや自分のような普通の人が、経営者になって会社をうまくやっていく方法を探した方が良い。自分も社員も人間なので、それぞれ得手不得手があって当然。50人から居るんだから、みんなの良いところを補い合って、意見を出し合って楽しくやっていきたい。その方が絶対良い答えにたどり着けるはず。誰だって間違えるときはあるし、間違ったらごめんねして、軌道修正できるようにした方が結果も良い。

そう思ったとき、肩書や年功による偉いとか偉くないとか上下関係って本当に邪魔だな。「社長」って呼び名もそれに拍車をかけるな。うん、禁止!
以来、相変わらず社内ではまさとさん、もしくはまーちゃんと呼んでもらっています。満足。

今回のピートラは以上です。最後までお付き合いいただきありがとうございました!
次回の予定は10/6、産休中の乗組員2がピートラに帰ってきます!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?