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「やめる」を身に付け「わくわく」に進め『ピートラ』Vol.54

機ちょーまさとです。
経営者として世の中を見ていると、目まぐるしく外部環境が変わっていくのを日々感じています。そんな中、企業もそこで働くひとりひとりもスピーディに変わっていきたい。
ということで、今日は「変化」の重要さと、それを妨げてしまう課題をどう乗り越えていくかについて、経営者の視点から語ってみようと思います。


「経営」という仕事

4年間やってきて、「経営」という仕事は高い視座から状況と目的を見て、持っているリソースを配分することだと認識しています。なので、状況が変わった時はリソース配分を変化させることになります。もっと言うと、昨日まで頑張ってきたことを今日突然やめることがあります。経営に真摯に向き合うほど、ズバっとやめる決断を迫られるんです。
一方、現場で頑張ってる皆さんからすると青天の霹靂、ショックを受けたりとまどったりは当然。しかし時にそれが変化を妨げる力に働いてしまうことがあります。自分自身も10年以上商品企画の仕事をしてきましたので、気持ちは痛いほどわかるんですが、その気持ちを汲んで変化を止めることはしてはならんのです。「社員の気持ちに従って判断したら会社がつぶれました」こんなこと言う経営者、イヤですよね?

人間は「変化がきらい」がデフォルトらしい

脳科学的に、人間は過去からやり続けてきたことを継続するのを好み、変化することを嫌う性質がある、という話を何かの本で読みました。ふーん、と読み流していましたが経営者という立場になって身に沁みました。みんな、変化嫌いですよね。ぼくだって好きじゃない。

例えば。
あるピープルの社員さんに、前任の代表の指示でやってきた週に数時間かかるある仕事(データ報告の類)について、ぼくはもうその報告は必要ないのでやめて良いですよとお伝えしました。その仕事が始まった時のことは知りませんが、今や目的を失っていて価値を感じなかったんです。その方も週に数時間分の手が空くし、もっと有益なことに時間を使えることを喜ぶと思ったんです。
ところが、とても動揺させてしまって、その仕事を続けたいと言われたんです。あ、あれ……?どうもやってきた仕事を終了させることは、その人を否定していると捉えてしまうようです。そしてこれは1人2人の話ではなく、特定の人の性質と片付けられない、経営が向き合っていくべき課題かもしれない。変化のスピードを妨げてしまうことに直接つながる……。

最近起きたできごと:正論では不十分

つい先日、2024年のヴィジョンを社内に向けて発表しました(もちろんオンラインで)。ピープルにとっては、新事業スタート=業績成長に向けて、一旦色々な商品を終了させたり未来への投資をするなどいろいろなタイミングが集中して業績的に厳しいことが予想される、節目に当たります。例年よりも、さらにドラスティックに集中するポイントとしないポイントを明確にして、乗り越えていきましょうというお話でした。
それに伴ってたった50人しかいないピープルでは、部署やチームをアメーバのように姿を変えながら、仕事をまわしていく必要が出てきました。社員の皆さんは、時には、今まで一生懸命やってきた仕事を突然ストップされることになったり、別の仕事に切り替えてもらうことになったりします。
当然そんな急激な変化に気持ちが追い付かなかったり、次何をやれば良いのかわからなくなったりが起こるので、一人ひとりと対話していくことにしました。そこで必ず質問に上がるのがこの2つ。

Q1.なぜやめなければいけないのか?
A. 他にもっとやりたいことがあるのにリソースが有限だからです。会社には目的(パーパス)と都合(利益を得なければ続けられない)があり、やることの優先順序があります。リソースを優先順序に従って振り分けた時、やめる(または一旦お休みする)ことが無情にも決まってしまうんです。メンバーが頑張っていることや、プロジェクトが成果を出していることも十分にわかっていても、やめざるを得ない場合があるんです。

Q2.人(リソース)を増やせば続けられるんじゃないのか
A. 人を増やすにもリソース(教育の人的リソース+人件費)が必要になるがそもそもそこに割くリソースがないのです。人を増やすのは成長のサイクルに入ったタイミングでやるもので一旦しゃがんでジャンプしようとしている今ではないと思うのです。

これは経営の視点を持ってないと理解しづらいことなので、お話する必要はあると思っていますし、皆さん十分理解してくださるんですが、こういう正論だけでは不十分で、次へのモチベーションにつながらない。変化に気持ちがついてこない。これまで長いこと、大きな変化なくやってこれたピープルでしたので、変化することそのものにどうも慣れていないところもありそうです。

狙うチャンスにわくわくしたい

これも何かの本(多分心理学の本)で読んだ話ですが、人間はネガティブなことの方が記憶に残りやすい性質があるそうです。例えば、1,000円拾ったあとその1,000円を落としてしまった時(話の都合上、警察に届けずに罪悪感なく自分のものにしましょう笑)、ほんとはプラマイゼロのはずなのに1,000円を失ったことをずっとくよくよしている、というような実験結果が示されていたと記憶しています。
何か事態が動いたとき、真っ先に感情はネガティブな方向にとってしまいがちだけど、ぐっとこらえて「結局プラマイゼロ、オレは何も失ってない」と自分に言い聞かせた方が人生楽しく過ごせますよね。

ぼくにできることは、変化に伴う「失うこと」に気持ちが捕らわれるより、私たち自身の好奇心に従って、わくわくできる別のチャンスに向かって気持ちを切り替えよう!と、旗を振り続けること。2025年ローンチの新事業、ぼくはわくわくしかしていないです。まだ具体的に語れないのがもどかしい。ただ、気持ち切り替えるためには、一旦今の気持ちを吐き出すことって大事だと思うので、それにはお付き合いしていこうと思いました。ピープルの皆さんはどうぞお気軽に、まさとさんをとっ捕まえてくださいね。

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